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2014年 5月

vol. 4724
「聞き上手になろう」  (2014/5/31 [Sat])
人を説得し、自分が望んでいる通りに動かすことは、
とてもむずかしいことです。仕事での交渉や、
職場での部下の管理、夫婦や恋人関係、また子育てにおいても、
人を動かすことのむずかしさに直面している人は多い
のではないではないでしょうか。


よくある失敗は、「ああしろ、こうしろ」と命令口調で、
無理矢理に相手を動かそうとする方法です。「
無理矢理に」「強引に」という方法では、
相手は決して自分の思うように動いてはくれません。


人を動かすために大切なのは、自分が「こうしてほしい」
ということを伝える前に、相手が「何を望んでいる」のかを知ることです。
そのために、相手の本音を聞くことが必要になってきます。
その上で、相手が望んでいることを実現するために、
力を貸してあげるのです。そうすれば相手も心を開き、
こちらがしてほしいと思っていることをやってくれるでしょう。
とにかく人を動かすのが上手い人は、聞き上手な人なのです。

「『ひと言』セラピー」より抜粋




vol. 4723
「人には優しく」  (2014/5/30 [Fri])
江戸時代の初期に、月舟という禅僧がいました。
この月舟が、ある寺の住職を任されることになった時の話です。
その国の領主に月舟と、月舟が任される以前の住職が呼ばれました。
領主は月舟に、「この仏教書はむずかしくて読めない。
読んで説明してくれないか」と頼みました。
月舟は前住職に「この言葉の意味は、私にはわかりません。
あなたはご存知ですか」と問いました。
前住職は、その言葉の意味を知っていたので、
領主に言葉の意味を説明しました。
すると領主は、前住職の知識の広さをほめたたえました。


しかし、この話には裏があるのです。
実は、月舟自身、この言葉の意味を分かっていました。
わかっていて、知らないふりをしたのです。
そして前住職に教えてもらったのです。
これは月舟が、領主の前で前住職の顔を立てるために
した演技だったのです。このような他人への、
優しい心配りができる人は、多少の欠点があっても、
まわりの人たちから「あの人は、いい人だ」
という評判を得ることができます。

「『ひと言』セラピー」より抜粋

vol. 4722
「今はその時か?」  (2014/5/29 [Thu])
結婚する気がない人に、山のようにお見合いの写真を
持っていっても、ちっとも喜ばれないでしょう。
「よけいなお世話だ」と、嫌がられるだけだと思います。
しかし、結婚したいと思っている人であれば、
一枚のお見合い写真であっても、大いに喜ばれ、感謝されるはずです。


人への親切で大切なのは、相手に与えるものの量ではなく、
そのタイミングだと思います。相手が望んでいる時に、
タイミングよく、親切な行動をとってあげるのが大切です。
言い換えれば、「ありがた迷惑な人だ」と、
まわりから煙たがられている人というのは、
このタイミングを全然考えていないのです。


親切なことをするにしても、相手が何を望んでいるのか、
何を望んでいないのか、よく考えてから行動すれば、
ハズレがありません。そして相手から大いに喜んでもらえ、
「ありがた迷惑な人」になることもないでしょう。

「『ひと言』セラピー」より抜粋

vol. 4721
「人に安心を与える!」  (2014/5/28 [Wed])
織田信長の家臣の中で、豊臣秀吉は信長に気に入られ、
明智光秀は信長に嫌われました。その理由を、ある歴史学者は、
「秀吉は信長の前で、決して偉そうなことは言わなかった。
いつも信長よりも劣る人として振る舞っていた。
だから信長に『愛嬌のあるやつだ』と可愛がられた。


一方光秀は、信長の前で偉そうなことを言った。
知識をひけらかした。だから信長に
『生意気なヤツだ』と嫌われた」と説明していました。


確かにそうだと思える部分もあります。
「成功した有名人に会ったんだけど、
実際会ってみたら、普通の人だったよ」
といったことを話す人がいます。


しかし実際は、ちょっと勘違いしているのではないかと思います。
成功者とは、けっして「普通の人」ではありません。
成功者は、自分のことを「普通の人」に
見せかけるのが上手いのではないかと思います。
なぜかと言えば、成功者ということを自慢して、
人に嫌われたくないからです。


自分が持っている実力や才能を、
できるだけ表に表わさないようにして、
極力「普通の人」として振る舞うことも、
人に好かれる秘訣の一つかもしれません。

「『ひと言』セラピー」より抜粋

vol. 4720
「よく見せなくていい」  (2014/5/27 [Tue])
ある映画監督が言っていました。
「素晴らしい才能がありながら、人気が出ない俳優は
『自分をよく見せたい』という気持ちが強すぎる。
そのために演技がわざとらしくなって、
見ている人の共感を得ることもできない」と。


一方で、「才能や美貌を持たない俳優でも、すなおに、
ありのままに自分を表現できる俳優は、
あんがい人気が出るものだ」とも述べていました。
一般社会の人たちにも、たくさんの長所を持ちながら、
まわりの人たちにもよく思われない人がいます。

明るい性格の持ち主なのですが、
仲のいい友達を得ることができない人もいます。
仕事の才能に恵まれながら、評価されない人もいます。
このようなタイプの人たちには、「もっと自分をよく見せたい」
という気持ちが強すぎる人が多いようです。


「よく見せたい」という気持ちを捨てて、
無理をして背伸びをせずに、もっと自然に振る舞うほうが、
まわりの人たちからの親しみを得られるかもしれません。

「『ひと言』セラピー」より抜粋

vol. 4719
「ほめて終われ」  (2014/5/26 [Mon])
 一代で自動車メーカーのホンダを世界的な企業にまで押し上げた、
本田宗一郎という実業家は、部下を叱った後には必ず「
ほめてあげる」ことを忘れなかったそうです。
叱られて部下は、当然、自信を失います。
気持ちも落ち込みます。自分を叱った上司への、
反抗心も芽生えるでしょう。


 それは「仕事への、やる気を失う」ことにつながるのを、
本田宗一郎は心配したのだと思います。
ですから「叱った後は、ほめる」ことを忘れなかったのです。
ほめられれば、部下は「叱られたところは反省し、
ほめられたところは、もっとがんばっていこう」と、
気持ちを入れ替えることができるでしょう。


 人が誰かを叱る時に、多くの人がよくやってしまう過ちは、
「相手を徹底的に追い詰めてしまうこと」ではないかと思います。
相手が立ち直ることができなくなるくらい、叱ってしまうのです。
そうなると、相手は、二度と立ち直ることが
できなくなるくらいに深く落ち込み、
やる気をなくしてしまうでしょう。


 本田宗一郎のように、「叱ったら、ほめる」
ことを心がけるのがいいと思います。
それが相手の「能力を伸ばす」叱り方になると思います。


「『ひと言』セラピー」より抜粋

 

vol. 4718
「笑顔が見たいなあ」  (2014/5/25 [Sun])
 交響楽の『運命』や『第九』の作曲者として知られている
べートーヴェンは、二十代で耳が聞こえなくなるという、
音楽家にとっては致命的な病気になりながらも、
傑作と呼ばれる音楽を次々に生み出しました。


 その強いモチベーションは、どこから生まれてきたかを知る
ヒントとなるのが、ベートーヴェンが残した、
「お金への期待を、やる気のバネにするな」
という言葉だと思います。


 お金をやる気の原動力にしている人は、やがて、
お金のことしか考えられなくなります。
お金が儲からないとわかると、その時点で、
やる気を失ってしまいます。ですから、
お金を原動力にしている人は、努力が長続きしません。


「みんなの喜ぶ顔が見たいから、一生懸命に励んでいます」
「世の中を、もっとよくしたい。それが、努力の原動力となる」
このような考え方をすることで、やる気が長続きするようになります。
また、その考え方で、自分の人間性が成長し、
人々から尊敬されるようになります。
ベートーヴェンとは、まさにそのような人だったと思います。


「『ひと言』セラピー」より抜粋


vol. 4717
「約束は守ってもらうものじゃない」  (2014/5/24 [Sat])
 イギリスの劇作家で詩人のシェークスピアは、
「金を貸せば、友情を失う」と述べています。
どんなに仲のいい相手でも、金の貸し借りが原因で、
けんかになってしまうケースが多いのです。


もしお金のトラブルに巻き込まれたくなかったら、
初めから、借金を頼まれても貸さないほうがいいと思います。
そうすれば、返ってこないお金でヤキモキしたり、
怒ったりすることもないと思います。


 しかし人間関係のしがらみや、色々な事情から、
お金を貸してしまう、という場合もあるかもしれません。
その時は、「約束通り返済されることはないだろう」
と覚悟を決めておくほうがいいのかもしれません。


 「貸した」のではなく、「与えた」、または「なくした」
と考えるのも、一つの方法です。もし約束通り返ってきたら、
儲けもの、くらいの気持ちでいるのです。
そうすれば、もし約束通り返済されなかったとしても、
腹を立てなくてもすむと思います。


「『一言』セラピー」より抜粋

vol. 4716
「ひと呼吸置こう」  (2014/5/23 [Fri])
 中国に、こんな昔話があります。
ある国に、とても勇敢な軍人と、大変賢い軍師がいました。
ある時、軍師は地位が上がって、
軍人よりもえらい立場になりました。


それが気に入らないのは軍人です。
「軍師というのは、ただ作戦を立てるだけではないか。
実際の戦争は軍人である私がするのだ。
作戦がよかったから、戦争に勝てるわけではない。
軍人が懸命になって敵と戦うからこそ、戦争に勝つのだ。


なのに軍師のほうが、軍人である私よりも出世するなんて許せない」
というのが、軍人の言い分です。


 そこで軍師に意地悪をするようになりました。
しかし軍師は、どんな意地悪をされても、決して怒らずに、
軍人を無視し続けました。その理由を、軍師は説明しました。


「この国は、あの人のような勇敢な軍人と、
私のような賢い軍師の二人がいるからこそ、強い国になれたのだ。
今、あの人と私が仲間割れをしてみなさい。
国の力は弱まり、たちまち他国の侵略を受けるだろう」と。


組織全体のことを考えて、つまらないことで起こらないのが、
本当の意味での賢さなのでしょう。

「『一言』セラピー」より抜粋

vol. 4715
「敵は立場の違う友だ」  (2014/5/22 [Thu])
敵視する相手に、意地悪なことをしたり、
悪口を言ったりするのは、愚かな人がすることです。
賢い人は、敵に対して、決してそんなことはしません。


賢い人は、敵視する相手ほど大切にします。
なぜなら、賢い人は、「敵ほど私の弱点、欠点、
過去の失敗などを知り抜いている相手はいない」
ということをよく知っているからです。


もし、意地悪なことをして、敵を怒らせてしまったら、
相手は自分の弱点、欠点、失敗を攻め、
世間にも言いふらすことになるでしょう。
そうなったら自分自身が困ることになるのです。
賢いひとは、敵を大切に扱います。


 孔子の『論語』に「晏平仲」という人物が登場します。
晏平仲は人間関係を大切にする人でした。彼は、敵味方とか、
性格が合う、合わないなど関係なく、
誰に対しても尊敬の気持ちを持って付き合う人でした。


その結果、彼は、みんなから慕われ、
また尊敬される人間になりました。
この晏平仲の生き方を、孔子は『論語』の
中で高く評価しています。敵に対しても、
尊敬の気持ちでつき合っていけば、
敵からの攻撃を受けて困る事態になることもないと思います。

「「一言」セラピー」より抜粋

vol. 4714
「争うな、学ぶんだ」  (2014/5/21 [Wed])
 仕事で伸びる人のひとつの特徴に、
「ライバルから学ぶことがうまい」
という点があげられるのではないかと思います。
度量の狭い人には、これができません。


度量が狭い人は、「ライバルが、ああいう方法で
仕事をしているなら、私は絶対につがう方法でやる。
真似したと思われるのは悔しいから」
と考えます。そしてライバルからは何一つ学ぼうとはしません。


一方、伸びる人は、もっと柔軟に対応します。
ライバルのやり方に、いい点があると思えば、
そこから学び、積極的に自分の仕事に取り入れていきます。
しかし、たんに真似するのではなく、自分なりに創意工夫を加えて、
よりいいものに仕上げるのです。この柔軟性のおかげで、
このタイプの人は、伸びていくことができます。
ライバルから学ぶことで、ライバル以上に、
いい仕事ができる可能性もあるのです。

「『ひと言』セラピー」より抜粋

vol. 4713
「泣きながらでも食べるんだ」  (2014/5/20 [Tue])
ある人は、大きな衝撃を受けた時は、
おいしいものを食べに行くといいます。
すると、「たいていは忘れられる」と言います。
「飯も喉に通らないほどの、衝撃だ」という人がいますが、
「食べない」からいけないのではないでしょうか。
食べれば気分が変わります。


 「上司に叱られた」「恋人にフラれた」「友人とケンカした」
「大きな損をした」そのような時には、クヨクヨ悩んでいても、
しょうがありません。おいしいものでも食べて、気分転換しましょう。


 人間は生きているのですから、食べなければ元気が出てきません。
元気が出なければ、立ち直ることができません。
大いに食べて、よく眠って、明日は何もなかったような顔をして、
元気に生きていけば、どんどん人生が好転していくでしょう。

「『ひと言』セラピー」より抜粋

vol. 4712
「気にするな、なんでもない」  (2014/5/19 [Mon])
 英語のことわざに、「悪人に安らかな時はない」
というものがあります。逆の言い方をすれば、
このことわざは「善人は安らぎに満ちている」
という意味も表しています。
善人になることを心がけながら生活していくと、
心が安らぎ、いいことがたくさん訪れるようになります。


 まず、まわりの人たちとの関係がよくなります。
心の安らぎを得ると、おだやかな、
やさしい態度で相手に接することができるからです。
相手も、同じように、おだやかな、やさしい態度で、
こちらに接してきてくれるでしょう。
おだやかな環境の中で、お互いの信頼感も深まっていくでしょう。


 心の安らぎを心がけることで、その場の感情に乱されることなく、
物事を深く客観的に考えられるようになります。
すると誤ることなく、正しい決断ができます。
その意味では、商売や事業を成功させるためにも、
心の安らぎを保っておくことが大切になるでしょう。
また心の安らぎを心がけることで、健康面でも、
元気に生きていくことができます。

 「『ひと言』セラピー」より抜粋

vol. 4711
「十数えよう」  (2014/5/18 [Sun])
 「短気は損気」という、ことわざがあります。
「ちょっとしたことで腹を立て、相手にぶつける行為は、
結局は自分が損するはめになるから、やめる方がいい」
ということを表しています。


腹が立っている状態でものを言うと、
この「短気は損気」ということわざ通り、
自分が損をする結果になりがちです。
思わず相手を傷つけたり、バカにしたことを言い、
相手とケンカになってしまうのです。
また、腹が立っている状態で行動すると、
物事に集中力を失い、大きな失敗をする原因になります。


 もし腹が立った時は、心の中で、十数えてみます。
「あいうえお」をいってもいいと思います。
そして、心を静めるのです。静まった心で相手と話せば、
いい話し合いができるでしょう。
また、静まった心で行動すれば、いい結果が得られるでしょう。


 人間は生き物ですから、時には、腹を立ててしまうこともあります。
大切なのは、腹が立て来た時に、どう自分に対処するかです。
腹が立った時の「心の静め方」を、自分なりに心得ている人は、
仕事でも私生活でも充実した人生を過ごせるでしょう。


「『ひと言』セラピー」より抜粋


vol. 4710
「よくあることじゃないか」  (2014/5/17 [Sat])
「よくあることじゃないか」

 昭和の製紙業界で成功をおさめた、
藤原銀次郎という実業家がいます。その藤原銀次郎は、
よく次のような意味の話をしていたそうです。
「いい大学を出た、頭のいい者に限って、不平不満を持つ。


このような人たちは、『自分はエライ』と思っているから、
ちょっとでも希望にそぐわないことがあると、
すぐに気持ちを乱す。自分を幼稚園しか出ていない人間だと思えばいい。
そうすれば謙虚な心構えができ、不平不満を持たなくてすむ」というのです。


 よく小さなことでイライラしている人がいます。
人の人生においては、避けて通れないことなのに、
「○○が悪いから、こんな事態になったんだ」と、
ガミガミ文句を言っている人もいます。このような人は、
もしかしたら心のどこかで、「自分は優秀な学校を出た」
とか「自分はエライ」「エリートだ」という思いがあるのかもしれません。


 しかし、そのような優越感から感情を乱していては、
「賢い解決策」は見いだせないでしょう。
「自分は平凡な人間だ」と、謙虚な気持ちになれば、
心おだやかに、冷静に「賢い改善策」が見つかります。


「『ひと言』セラピー」より抜粋

vol. 4709
「健忘は健康の条件」  (2014/5/16 [Fri])
 心身ともに健康的に生きて行くために大切なことの一つは、
「生活にメリハリをつける」ということではないでしょうか。
がんばる時には、一生懸命になって頑張るのがいいでしょう。
しかし人間は、一日二十四時間、
ずっとがんばり続けることはできません。
がんばった分だけ、のんびりと心身を休める時間が必要になります。


 弓は矢を放つ時には、ギリギリまで弦を引き絞ります。
しかし使わない時には、弦を緩めておきます。
そのように人間も、自分の心身を「使わない時」には、
神経を緩めて、ゆっくり休めておくのがいいのです。


 昭和時代の将棋の名人に、升田幸三と言う人物がいました。
彼は若い時には、とにかくがむしゃらに努力してきたといいます。
その結果、どんどん勝ち続けましたが、
がんばりすぎがたたって病気になってしまいました。
その時に、がんばるだけではなく、
しっかり休むことの大切さにも気づいたといいます。
升田幸三が、本当に強くなったのは、
休む大切さに気づいてからだといいます。

「『ひと言』セラピー」より抜粋


「笑ってみよう」  (2014/5/15 [Thu])
 第二次世界大戦の時、ロンドンはナチス・ドイツ軍の空爆を受けました。
その時のイギリスの首相はチャーチルという人物でした。
チャーチルは側近たちを呼び寄せて会議を開くことになりました。
側近たちは皆、気難しい顔をしていました。


それを見たチャーチルは、
「どうやってこの苦難を乗り切るか話し合う時に、
そんな難しい顔をしていたら、いいアイディアが出ないぞ。
笑いなさい。笑えば、心が広くなって、
いいアイディアが浮かんでくる」と述べたそうです。


 つらい経験をしたとき、「どうして、こんなことになったんだ」
とクヨクヨ悔やんでいても、事態は改善しません。
気持ちは、ますます落ち込んでいくばかりでしょう。


チャーチルの言葉に従えば、つらい経験をした時に、
もっともいい対処策は、「人間生きていれば、
いろんな経験をするものさ。まあ、どうってことない」と、
気楽な気持ちで笑い飛ばすことなのです。


 笑うことで、将来に対して前向きになれます。
つらい状況を乗り越えていこうという勇気がわいてきます。
つらい時こそ、楽観的な気持ちを大切にして、
明るく笑うことを心がけてみましょう。


「『ひと言』セラピー」より抜粋


vol. 4707
「会う前に恐れるな」  (2014/5/14 [Wed])
 イソップ物語に『ライオンとカエル』という話があります。
ライオンが道を歩いていると沼の中でカエルがゲロゲロと、
とても大きな声で鳴いているのが耳に入ってきました。


それまでカエルを見たことがなかったライオンは、
「あんな大きな声で鳴くのだから、自分よりもずっと大きな、
恐ろしい生き物であるに違いない」とビクビクしていました。
その時、沼からカエルが現れました。
ライオンは「なんだ。こんな小さな生き物だったのか」と驚きました。


 この話は、「人の噂や、勝手な想像から、何かを恐れることはない。
実際に、自分の目で見て判断すべきだ」ということを表しています。
「あの人は、恐い人だ」というウワサがある相手に会いに行くのは、
緊張するものです。「失礼なことを行ったら、怒鳴られるかもしれない」
「気に入ってもらえるだろうか」などといろいろ考えて、
内心ビクビクしてしまいます。しかし実際にあってみると、
「とてもおだやかで、やさしい人だった」ということが、よくあるのです。


 「『ひと言』セラピー」より抜粋

vol. 4706
「怖く見えるだけだ」  (2014/5/13 [Tue])
 イタリアに、こんな昔話があります。ある彫刻家がいました。
彼は若いながらも腕がよく、高い名声を得ていました。
しかし目の病気になって、視力を失ってしまいました。


彼は、「自分はもう彫刻家として終わりだ」と、
なげき悲しみました。しかし彼は、
「視力は失ったが、私には手の感覚は残っている」と、
気づきました。そこで、モデルを手で触って、
その形を覚えこみ、そして今度は石を手で触りながら、
彫刻していきました。


そうやってできあがった作品はすばらしく、
彼はいっそう高い名声を得たのです。一方で「事実」は、
手の感触を使って彫刻しても、いい作品を作り出せる」
ということだったのです。このように人間は、よく、
自分自身の「考え」によって絶望することが多いのです。
しかし、ちょっと考え方を変えてみれば、
他にもさまざまな方法があるという「事実」が見えてきます。


「『ひと言』セラピー」より抜粋



vol. 4705
「目を閉じれば見えてくる」  (2014/5/12 [Mon])
 さまざまな催しに呼ばれて、よく講演をするという人が、
こんな話をしていました。会場の照明が明るいと、
そこに集まっている人たち一人一人の顔が、
よく見える場合があるそうです。


 一方で、会場が暗いと、聴衆一人一人の顔が見えない
場合があるといいます。しかし、目の前にいる人たちの顔が
よく見えない場合、緊張することはあまりないといいます。
これは、あらゆる人たちに共通した、
人間特有の心理ではないかと思います。
あがり症の人たちには参考になる話ではないでしょうか。


 「人から自分が見られている」という意識が、
強い緊張感をもたらすのです。もし人前で話をする時、
ガチガチに緊張してきた時には、わずかな時間目をつぶってみると、
目の前は真っ暗になって、他人の視線が気にならなくなるでしょう。
そうやって気持ちを落ち着けてから、話し始めるのです。
そうすればガチガチになることなく、軽くなった気持ちで、
話ができるのではないでしょうか。


「『ひと言』セラピー」より抜粋


vol. 4704
「落ち着け」  (2014/5/11 [Sun])
やらなければならないことが山ほどあって、
気持ちがあせっている時に限って、友人がやって来て
ムダ話を始めることがあります 。


約束の時間に遅れそうだと急いでいる時に限って、
電車が遅れたりすることがあります。「会社に遅刻しそうだ」と、
駅まで走っていった時に限って、その日で使う会議で使う
大事な書類を家に置き忘れてきたことを思い出したりします。


 人の人生は、どうも、そのような具合にできているようです。
先を急いでいる時に限って、必ず、邪魔が入るのです。
ですから、「急いでいる時には、けっしてあわてない」と
いうことを、生きる知恵にしてもいいと思います。
「急がば回れ」ということわざもあります。
「急いでいる時こそ、あえて、ゆっくり、
慎重に物事を進めていこう」という意味です。


 小説家の中村真一郎は、「人生で無理をすれば、いつかほころびが出る」
と述べています。「あわてて物事を進めていくと、
やり方が適当になってしまって、どこかに問題が生じる」
という意味です。何事も、急がず、あわてず進めていくほうが、
生じる問題も少ないようです。


「『ひと言』セラピー」より抜粋

vol. 4703
「明日は別の日だ」  (2014/5/10 [Sat])
ある会社員は、寝る前につい、
「嫌な出来事や、気に入らない相手のことを思い出してしまう」
と言います。そのために怒りの感情がわき起こったり、
イライラと気持ちが落ち着かなくなったりします。
翌朝、すっきりと目を覚ますこともできないでしょう。


 起床しても「今日も、がんばろう」という、
前向きな気持ちにもなれません。寝る前には、
「イヤなことを思い浮かべてしまう」というのは、
自分の心にマイナスの情報を送りこむ結果になります。
そのために日中も心が晴れず、ずっと不愉快な思いを
しながら生活することになるのです。


 そのような生活は、決して幸福なものとは言えないでしょう。
夜寝る時には、いいこと、楽しいことを思い浮かべることで、
ココロにプラスの情報が送りこまれます。
そうすれば翌朝、心地よく目覚めることができるでしょう。
その日は一日中、幸せな気持ちで過ごせるでしょう。
そうなれば、明日の朝を迎えるのも、楽しみになってくるはずです。

「『ひと言』セラピー」より抜粋


vol. 4702
「待ちは勝ちの一部分」  (2014/5/09 [Fri])
中国に『オウムと天帝』という昔話があります。
ある時、オウムが棲んでいた山で、火事が起こりました。
山にはオウムの仲間の生き物たちがたくさん住んでいました。


オウムは、自分の仲間を救いたいと、湖に入って羽を濡らし、
火事の現場の上空まで飛んでいくと、
必死に羽ばたいて水を振りかけました。


 その様子を見ていた天帝が、「なんてオウムは愚かなんだろう。
羽から落とす、わずかな水で、山火事を消すことなど不可能だろう」
と思いました。


すると天の神様が、
けなげな努力を続けているオウムを哀れに思って、
大雨を降らせました。すると山火事は、たちまち消えました。


 この話は、「自分ができることを、とにかく一生懸命になって
やっていれば、やがて大きなチャンスがやってくる」
という人生の教訓を表しています。


成功のチャンスを得るために、
今自分が持っている実力以上のことをする必要はありません。
あせらずに、無理をせずに、自分ができることを
コツコツやっていけば、神様が味方して、
おのずから成功が舞いこむと思います。


「『ひと言』セラピー」より抜粋

vol. 4701
「善悪は入れ替わる」  (2014/5/08 [Thu])
 中国に『人間万事塞翁が馬』という話があります。
ある老人の家から、大切に飼っていた馬が逃げ出しました。
もちろん残念な出来事だったのですが、
老人は残念がりませんでした。数カ月たったとき、
逃げた馬は立派な馬を連れて、老人のもとへ戻ってきました。
残念な出来事は、幸運に生まれかわったのです。


 ある日、老人の一人息子が、その立派な馬から落ちて
大ケガをしてしまいました。最悪の出来事だったのですが、
老人は悲しみませんでした。その後戦争が起こり、
村の男たちは戦争に駆り出されて皆死んでしまいましたが、
老人の一人息子だけは怪我をしていたために戦争には
連れていかれませんでした。
最悪の出来事が幸運に生まれかわったのです。


 この話にあるように、人生には、「最悪の結果だ」
ということが、「実際には最悪の結果ではなかった。
むしろ思いがけない幸運だった」という場合さえもあるのです。
最悪のことでも、やがて好運に転じる時が
来ると思えば、気が楽になります。

「『ひと言』セラピー」より抜粋

vol. 4700
「成功へのステップだ」  (2014/5/08 [Thu])
 失敗したからといって、落ち込む必要はありません。
新しいことにチャレンジすれは、失敗するのは当たり前です。
どんな天才でも、失敗します。


ただし、失敗しただけで終わってはいけません。
失敗から、「どうすれば、同じ失敗を繰り返さずにすむか」
「どうすれば成功できるか」と
言った知恵を学び取らなければいけません。


 天才とは、「失敗しない人」を意味する言葉ではありません。
「失敗から宅さんのことを学び取れる人」のことをいうのです。
アメリカの発明王エジソンは、白熱電球を発明する時、
なんと千回以上をも失敗を繰り返したといいます。


 しかしエジソンは、最後まであきらめませんでした。
失敗したら、それを参考にして、また新たな工夫を加えて
チャレンジしていきました。大事なことは、このように、
失敗を成功のステップとすることです。


失敗から成功のヒントを得ることができる人は、
大きく成長していきます。
そして、やがて大きなことを成し遂げることでしょう。


「『ひと言』セラピー」より抜粋


vol. 4699
「みんな同じだ」  (2014/5/06 [Tue])
「うちのように小さな会社が、
あんな大会社と競合して勝てるわけがない」
「学歴の低い私は、高学歴の同僚らと出世競争しても、
どうせ負けるに決まっている」といったように
「自分の不利な点」を数え上げては、
グチを言っている人がいます。


しかし「不利な点」は、自分の側にだけあるのではありません。
たとえば大企業には「意思決定が遅い」「小回りがきかない」
と言った不利な点があるでしょう。学歴の高い人には、
往々にして「プライドや教養がじゃまして、
ユニークな企画を発想できない」と言った不利な点があります。


 自分の不利な点ばかりに意識を向けるのではなく、
相手側の不利な点を探し出し、そこを上手に突いていけば、
小さな会社が大きな会社に勝てるのではないでしょうか。
小さな会社の「小回りがきく」ことを武器にすればいいのです。


学歴の低い人が、学歴の高い人よりも出世することも、
可能でしょう。独自でユニークなアイディアを
武器にすればいいのです。そうすれば、
自分のもとに勝利を呼び込むことができるのです。
それが、自分を変えていくことになります。


「子どもの『くじけない心」を育てる本」より抜粋

vol. 4698
「人生は変わっていくからおもしろい」  (2014/5/05 [Mon])
 古代ギリシャに、バッキュリデスという詩人がいました。
バッキュリデスは『シラクサとヒエロンのために』
という書物の中で、「この世に、いつも運のいい人など、
どこにもいない」と述べています。


自分が運が悪いときには、たいてい、身近にいる友人や、
職場の同僚は運がいいものです。
自分が恋人と別れた日に限って、友人は「新しく恋人ができた」
と言って喜んでいることもあるでしょう。


自分が取引先とトラブルになっている日に限って、
職場の同僚は「仕事はうまくいった」と、
うれしがっていることもあるでしょう。


 そこで多くの人たちが、「どうして自分だけが、ツイていないんだ。
幸運に見放されてしまうのだ」と落ち込みます。
しかし、いつもいつも運のいい人など、この世にはいません。


それと同じように、ずっと永遠に、不運なことばかりに
見舞われる人もいません。今日、不運なことが起るのは、
たまたまのこと、なのです。


ですから、
そのときは落ち込むことなく、「今日は、ツイていないから、
明日は運が向いてくるはずだ」と考えるのが、いいと思います。


「子どもの『くじけない心」を育てる本」より抜粋

vol. 4697
「遠くにじゃなく近くにある」  (2014/5/04 [Sun])
幸福は、探さなければ見つからないものではないでしょうか。
その意味では、幸せな人とは「幸せ探し」の上手な人なのです。
幸福な人は、いつも自分の人生の中に、
幸福といえるものを探しています。


「私の勤めている会社の中小企業だが、
やりがいのある仕事がある。そんな私は幸福ものだ」

「長年続けている趣味がある。一緒に楽しむ、たくさんの友人もいる。
お金はないけれど、そんな私は幸せだ」

「職場では思うように出世はできないが、
私には愛する家族がいる。家族に恵まれた私は、幸福だ」
といったように、いつも幸せ探しをしている人が幸福な人です。


 つまり、自分自身に「私は幸福だ」と語りかけている人です。
探してみると、思いがけない幸福が、自分の人生に見つかるものです。
今まで気づかなかった幸福が見つかれば、それが新たな生きがい、
生きる喜びになっていくでしょう。反対に、不幸を探せば、
イヤなこと、つらいことばかりが目につくのが人生です。
不幸を探して幸福になることは、決してありません。

「『ひと言』セラピー」より抜粋

vol. 4696
「今この瞬間が人生だ」  (2014/5/03 [Sat])
生きていれば、つらいこと、苦しいこと、
悲しいことをたくさん経験しなければなりません。
どのような立場の人であっても同じです。

しかしながら、人生は、つらいことばかりではないことも事実です。
つらいことがあれば、喜ばしいこともあるでしょう。
悲しいことがあれば、うれしいこと出来事もたくさんあると思います。
トータルでいえば、「人生は、すばらしいことがたくさんある」
といえるのではないかと思います。


 それならば、人生のネガティブな部分にだけに
気持ちを取られないようにするのが大切だと思います。
ネガティブな部分にだけ気持ちをとられないように
するのが大切だと思います。
ネガティブな部分だけに気持ちを取られると、
前向きな気持ちで日々暮らしていけなくなります。


 古代ローマの哲学者セネカは、
「人生は、いかに長く生きたかではなく、
いかによく生きたかだ」という言葉を残しました。
人生を肯定的に考え、つらい経験をしても前向き
に生きて行くことが、セネカの言う「よい生き方」に
つながるのではないかと思います。


 「『ひと言』セラピー」より抜粋


vol. 4695
「最高の人生だ」  (2014/5/02 [Fri])
 中東に、こんな昔話があります。
一人の青年が、ある村の入口にいた老人に、
「私は、新しい住居を探しています。
この村の住み心地はいいですか」と尋ねました。


老人は、「おまえが以前暮らしていた村の住み心地はどうだった」
と問い返しました。青年が「最悪でした」と答えると、
老人は「この村の住み心地も最悪だ」と答えました。


 数日後、別の青年が村の入口にやってきて、
老人に「私は、新しい住居を探しています。
この村は住み心地はいいですか」と尋ねました。


老人が、「おまえが以前暮らしていた村の住み心地はどうだった」
と問い返すと、今度の青年は「とてもいい村でした」
と答えました。老人は、「この村の住み心地も、
おまえにとってはいいものになるだろう」と答えました。


 この昔話が意味していることは「人の人生は、
その人の考え方次第なのだ」ということです。
うまくいかないことに不平不満を言えば、
どのような場所に行っても、結局はうまくいきません。


しかし一方、自分の人生を肯定的に考えることができる人は、
どこへ行こうと満足する人生を送れます。
運命は、自分次第で決まっていくのです。


「『ひと言』セラピー」より抜粋

vol. 4694
「止まらなければ着く」  (2014/5/01 [Thu])

イギリスに、こんな昔話があります。
ウェストとモルレディーという、二人の画学生がいました。
ウェストは、子供の頃から神童と呼ばれるくらい
絵のうまい青年でした。一方でモルレディーは、
必ずしも絵のうまい青年ではありませんでした。


しかしモルレディーは、一生懸命の努力をして、
どんどん腕を上げていきました。
一方でウェストは、「自分は努力しなくても、
うまい絵が描けるんだ」と、うぬぼれた結果、
画家として成功することはできませんでした。


神童ウェストのように、すばらしい才能があるのに、
成功のチャンスをつかめないタイプの人は、
才能について、ある感違いをしているのではないでしょうか。
「才能があるのだから、何もしないで、
そのうちにチャンスをつかめる」と考えている人が多いのです。


 しかし成功をつかむのに大切なのは、才能よりも、
「がんばって努力しよう」という意欲なのだと思います。
そして積極的な行動なのだと思います。
それを教えてくれるのが、このイギリスの昔話なのです。

「『ひと言』セラピー」より抜粋

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