トップページ
2016年 1月

vol. 4856
「細かい作業をすると、落ち着く」  (2016/1/22 [Fri])
「細かい作業をすると、落ち着く」

リラックスするもう一つの方法は、
靴のひもを締め直すことです。
ボウリングの試合で、あせってミスをすることがあります。
あせった結果がミスになります。
そこでヤバいと思うと、ますます焦ります。

そんな時は、ゆるんでいるかいないかにかかわらず、
イスに座って靴のひもを締め直しましょう。
靴のひもを締め直す作業は、針の穴に糸を通すのと同じで、
ビクビクしていると絶対できません。

ハーッと深呼吸をして結び直しているうちに、
気持ちが落ち着いてきます。
こういう作業は実は大切です。

靴のひもを締め直すのは、
いつもはこんなに簡単にできることがあせると
できなくなってしまうという作業の典型だからです。

深呼吸が、リラックスのスイッチを入れることのできる人は、
意外に早く集中力を取り戻すことができます。
下がり始めた集中力は、そのままでは元に戻りません。
集中力が下がり始めたら、
いったんあるところまで下げて立て直します。

それが集中力を下げ過ぎないということです。
立て直し方には、深呼吸をする、あくびをする、
大きな声を出すなどいろいろな方法があります。

スポーツの試合は、選手の動作をこうやって見ていると面白いです。
スポーツマンのすごさは、集中力にあります。
なぜ中田選手やイチロー選手が凄いか、
それはビジネスや日常生活の場できっと生かせるものです。

「なぜあの人は集中力があるのか」より抜粋

vol. 4855
「わざとあくびをすることで、力を抜く」  (2016/1/21 [Thu])
力を抜くにはこんな方法もあります。
歌を歌う時は、とくに喉に力が入ります。

しかし、喉の力を抜かないと、
相手に届くきれいな声や音程は出ません。
そこで、最初にわざとあくびをしましょう。

あくびは、緊張を緩和したい時に自然に出るものです。
あくびをするのは、退屈している人ではなくて、
本当は緊張し続けたために疲れてしまった人です。
やる気がない人ではありません。

あくびをしている人を見て、
「あいつ、ヤル気がないな。もっとテンションを上げろ」と
勘違いする人がいます。

実は、あくびをするのは、
テンションが上りすぎているかわいそうな状態です。

そこで、あくびをすることでいったんリラックスし、
またテンションを上げようとする体の防衛本能が働いているのです。
これを深呼吸と同じように意識的にやってみましょう。
あくびは、無意識にやっている深呼吸です。

深呼吸は、ハーッという腹式呼吸になります。
あくびは、意識してすることができます。
わざとあくびをするようなあごの動きをすることで、
かたくなっている口のまわりの力を抜いていきます。

とくにあくびで一番使うところは、
歌を歌う時に力を抜いて反響させなければいけない
喉の箇所と同じです。

力が入っている部分にさらに力を入れるようなあくびはできません。
あくびをすることで、逆にその力を抜くことができます。
だから、歌手はわざとあくびをするのです。

「なぜあの人は集中力があるのか」より抜粋

vol. 4854
「声を出すことで、余計な力が抜ける」  (2016/1/20 [Wed])
野球をやる時は、よく選手同士で「声を出していけよ」
「声を出していこうぜー」と声をかけます。
人間は、声を出す瞬間にリラックスします。

リラックスしないと声は出ません。
かたくなっていると逆に、息をのみ込んでしまいます。
出すというのは、すべて力をゆるめる行為です。
息を吐く時、力をゆるめないと
ハッハッハッという浅い呼吸になります。

緊張している人は、深呼吸ができません。
逆に、あまりにもリラックスしている時は、
緊張を高めるために犬のような短い呼吸をするといいでしょう。

格闘家のヒクソン・グレイシーも、
試合の前にこのサイキックアップという
呼吸法でテンションをあげています。

ハッハッハッとどんどん呼吸するにつれて、
アドレナリンが出て汗が流れます。
これは、テンションが下がりすぎて
ヤル気が出ない時の切り替え法です。

しかし、たいていの人はテンションが上りすぎています。
とくに、日本人はリラックスがヘタです。
野球をする時に、「声を出していこうぜー」というのは、
「元気にやろうぜ」とか「頑張れよ」という意味だけではありません。

内野フライが上った時、「ピッチャー!」とか
「ショート!」というのは、
お互いにコミュニケーションをとってテキサスヒットになったり、
ぶつかったりするのを避けるためです。

しかし、声を出すのはそのためだけではありません。
声を出している人がリラックスできます。
「オーライ」は「僕が捕るから、ほかの人は捕らなくていいよ」と
いうだけではなく、自分自身をリラックスさせる言葉です。

誰かがエラーをした時に「ドンマイ!」と言うと、
そう言った人がリラックスできます。
とくに野球は、チームメイトの守備位置が離れています。
「ドンマイ!」と大声を出した瞬間にリラックスできます。
「声を出していこうぜ」とお互いが声を掛け合うことによって、
力を抜いていくのです。

講演会でも、会場の人が緊張していると思ったら、
会場の人に声を出させることが一番効果的です。

「なぜあの人は集中力があるのか」より抜粋

vol. 4853
「『絶対』『必ず』『気にするな』が、集中力を落とさせる」  (2016/1/19 [Tue])
人間は、言葉でも力が入ります。
コーチは選手に「頑張れ」と言ってはいけません。
「頑張れ」と言われたら最後、「頑張らねば」と思うからです。

「○○しなければならない」というのは、
力の入るキーワードです。
「死ぬ気でやれ」「何が何でも」「ここが踏ん張りどころ」
という言葉は、選手に力を入れさせ、
集中力を欠いていく原因です。

ドツボにはまって、パニック状態となります。
「このスペアは絶対にとれ」
「必ずストライクを出さなければいけない」と言われた時点で、
体に力が入ります。

「絶対」「必ず」というキーワードは使わないことです。
「気にするな」という言葉もダメです。
逆に、相手選手のペースを乱すために、
悪意を持って使われることがあります。

「今日はフォームがいつもと違うけれども、
気にしなくていいんじゃないの」という言葉が耳に入ると、
かえって気になります。「気にするな」という言葉は、

実は「気にしている」ということです。
「今日はいつもと調子が違うみたいだけれども、気にするな」
というのは、自分に「気にしている、
気にしている」と言っているのと同じです。

気にしていない人は、そんなことは言いません。
「気にするな」という言葉は禁句です。
「大丈夫」は、同じことを言っているようで微妙に違います。

たとえば、私がボウリングでスプリットを出してスコアが悪くなる時、
先生に「今日はフォームが安定していて球が回転しているし、
内容がいいから大丈夫」と言われると安心します。

「大丈夫だ、このフォームをキープしよう」と思います。
逆に、「さっきのミスは気にするな」と言われると、
マジメな人ほど余計に気にします。

深呼吸が集中力を取り戻すスイッチであるのと同じように、
言葉も集中力を取り戻す大切なスイッチです。

いざという時に思い出す言葉は大切です。
あなたの心にひっかかり、
「なるほど」と思ったキーワードを試合中に
思い出すだけでも効果があります。

ビジネスの現場でも、日常生活に中においても、
「○○しなくてはいけない」「絶対に○○すること」の
ように言わないだけで、リラックスして集中できるのです。

「なぜあの人は集中力があるのか」より抜粋


vol. 4852
「力を入れることで、力を抜く」  (2016/1/18 [Mon])
集中するためには、いったんリラックスすることです。
でも、「では、リラックスして下さい」と言われても、
なかなかできません。

力が入っている人には、「自分に力が入っている」
という意識がありません。
「肩に力が入っているよ、抜いて」と言われても、
どこに力が入っているかわからないから抜きようがないのです。

こんな時は、深呼吸に加えて、簡単な方法で解決できます。
たとえば、ボウリングのボールを最後まで放せずにこねてしまい、
「手に力が入っているから抜きなさい」と言われるような時です。
頑張ろうという気持ちで親指に力が入りギュッと握って押さえてしまうと、
早く抜かなければならない親指の抜けが悪くなります。

ここで力を抜くためには、まずギュッと1回握りしめます。
力いっぱい握りしめて放すと、初めて力が抜けます。
「力が入っているから、力を抜け」と言われると、
どう抜けばいいかわかりません。

そこで、力を抜くためにいったん力を入れるのです。
そこから力をゆるめると、自然に力が抜けます。

「なぜあの人は集中力があるのか」より抜粋

vol. 4851
「『深呼吸』が、集中のスイッチを入れる」  (2016/1/17 [Sun])
ミスをした時は、それをどれだけリカバーできるかが重要です。
ゴルフのバンカーショット、
ボウリングのミスフレームなどをやったあとに、
できるだけ早く立ち直ることが大切です。

この時に必要なのが精神力です。
つまり、気持ちを立ち直らせる復元力です。
精神力のない人は、1回ミスをすると落ち込み始めます。
そのことにクヨクヨして、また次にミスをしてさらに落ち込み、
連続して落ち込んでいきます。

反対に精神力のある人は、一瞬落ち込んでも、
ヤバいと気づいて立て直すことができます。
この立て直す方法が、誰もが無意識にやっている深呼吸です。
深呼吸は、落ち始めた集中力を取り戻すのに適した方法です。
これによって、集中のスイッチが再び入ります。

深呼吸は、力を入れるためではなく、リラックスのためのものです。
まず肩の力が落ち、「あれはどうしよう。
これはどうしよう。みんなはこう思っているかもしれない」と
いう頭の中のいろんな雑念や迷いがフーッと吐き出されます。
深呼吸は意識してする呼吸です。
通常の呼吸は無意識に行われます。

人間は緊張すると、息を止めます。
息をとめればとめるほど、力が入って体が硬くなります。
全身に力が入って、顔が赤くなってきます。
そんな状態で正しいフォームができるわけがありません。

しかしここで、「今、息をとめていたから力が入ってしまった」と気づけば、
それだけで集中を取り戻すことができます。
自分の呼吸を意識し、深呼吸でまずイヤなことを吐き出し、
新しい空気を吸い込めばいいのです。
この時、「吐き出す」を「吸う」の倍の長さにします。

2秒で吸ったら4秒で吐く、3秒で吸ったら6秒で吐きます。
腹式呼吸は、吸うより先に吐くことです。吐いて吸います。
先に吸おうとすると、たくさん吸えません。
先に自分の中にあるイヤなことを
全部吐き出すつもりで深呼吸をすると、
体がリラックスします。これが集中のスイッチを入れる方法です。

「なぜあの人は集中力があるのか」より抜粋

vol. 4850
「さっきのミスも、さっきの成功も、どちらも忘れる」  (2016/1/16 [Sat])
私はボウリングのボールをふきながら、さっきしたことを忘れて、
「ここから最初だ」と思うようにしています。
常に「ここから最初」と思えばいいのです。

「今、何ゲーム目の何投目」「ここでなんとかしなければ」
と考え始めると、いろいろなことが頭に渦巻いて、
力が入ってしまいます。

ゴルフは4日間プレーをして、
プロでもおよそ280打くらい打ちます。
「280打のうちの今は何投目だ」と考えないで、
常に「この1打が一番最初」と思って打つのがコツです。
「あとにも先にもこの1打」を280回繰り返すのです。
ところが、集中力のない人は、「280分の何投目」と
常に考えているので、
「ああ、あれ失敗したな」「これ失敗したな」
「ここでなんとか取り返さないと」と思います。

これでは頭の中にクヨクヨした気持ちが残ったままです。
ボウリングの1投目は、比較的リラックスして投げられます。
一番力が入るのは、9フレーム目です。
最後に点数を挽回するために、
「9フレーム目で何としてもストライクを取らねば」と
いう気持ちが起こります。

これでだいたいミスってしまいます。
10フレームの1投目も、
ストライクをとるかとらないかで差が大きいです。
3回投げられるか、2回で終わるかです。
ここでストライクをとろうと力が入ってしまうと、
スプリットになることが多いのです。

一番いいフォームで投げられるのは、
10フレームの3投目です。
ここでストライクをとろうが、9ピンだろうがスプリットだろうが、
あとのプレーには関係ないのでスッと投げられます。
だから、10フレームの3投目は比較的ストライクがとりやすいです。

「ここ一番でなんとかしなければ」というのは、
「ここは取り返すチャンスだ」と思って力が入るので、
往々にして失敗します。力を入れ過ぎてはいけません。
だから、ボールをふきながら、前にした失敗をまず忘れることです。
スコアはあくまで結果です。さっきまでのことは忘れてプレーし、
気がついたらいいスコアになっていたというのがベストです。

「なぜあの人は集中力があるのか」より抜粋

vol. 4849
「迷いと一緒に、汚れをふき取る」  (2016/1/15 [Fri])
私は、ボウリングをする時に儀式をします。
ボールがリターンラックから帰ってきた時、
ボウラーはボールをふきます。
レーンにはオイルが塗ってあります。
そのオイルがついているとボールの回転が弱くなり、
滑ってしまいます。

回転が減ってしまうので、
できるだけオイルはとらなくてはなりません。
私はそれをていねいにやります。
ボールをふきながら、迷いを拭い去るのです。
オイルをふくのは、小さな点を見つめるのと同じように、
落ち着いていないとできません。
そんなにくっきりした汚れではないので、
よく見ないとわかりません。

ものを磨く時、人間は意識を集中します。
集中しないと磨けません。
お風呂や靴を磨いている時は、集中しています。

ボールのオイルをとりながら精神を集中することができるので、
私の儀式はボールをふくことです。
ほかの人たちにも儀式はいろいろあります。
汗をふく人もいます。
ピッチャーやテニスプレイヤーは汗をふきながら
迷いを拭い去っています。ピッチャーが帽子をとって、
汗をふいてかぶり直すのも、迷いを捨てているのです。

ロージンバックでポンポンとやりながら、
足元にポンと投げる時に、迷いを捨てています。
ピッチャーズプレートに土がかかっている時、
右投げのピッチャーは右足で土を払います。

土を払うことで、自分のもう一つの
アイデア・迷い・余分な意見を捨てて、
1つのアイデアに統一しているのです。
その一瞬で「次はこう攻める」と自分に言い聞かせます。

「なぜあの人は集中力があるのか」より抜粋「

vol. 4848
「アドバイスを否定すると、集中力が落ちる」  (2016/1/14 [Thu])
ゴルフのプレー中に、コーチやキャディーさんや
チームメイトからアドバイスを受けることがあります。
「ちょっと今、力が入っているよ」と言われた時に、
きちんと対応すれば立て直すことができます。
ちょっと力が入って、フォームが速くなっているから
ゆっくりしたほうがいいよ」と言われた時に、
「あ、なるほどな。気がつかないうちに速くなっていたんだ」と
思ったら直せます。

逆に、アドバイスがキッカケで集中力が切れることもあります。
「うん、わかっているよ。でも、ここはね……」と、
逆接の接続詞で相手のアドバイスを受けると、
そこからどんどん落ちます。

「いや、そんなことないよ」と思って構えた時点から、
「いや、やっぱりそうかな」と思い始めます。
そうすると、頭の中で迷いが始まります。
「迷い」は集中の最大の敵です。

「自分は力が入っていないと思っているけれども、
パートナーから見たら力が入っていると言っている」
「いや、そんなことはない」「いや、そうかもしれない」と、
自分の中に反対意見が生まれます。

そこで、「なるほどな。力が入っていることもあるかもしれない」
と思ったら、頭の中で迷わなくてもすみます。
「いや」「でも」という言葉で、アドバイスがマイナスに響いてしまいます。
同じアドバイスなのに、そのアドバイスで立ち直る人と、
アドバイスでさらにダメになる人がいます。

アドバイスでパニックになる人は、
「でも、これでいいんだ」とアドバイスを否定する人です。
頭の中に「でも」を持つのはやめましょう。
「あ、なるほどな。そういうこともあるかもしれない」と考えれば、
フォームを修正することに集中できるのです。


「なぜあの人は集中力があるのか」より抜粋

vol. 4847
「自分の実況中継をして、客観視する」  (2016/1/13 [Wed])
冷静でいなければ、集中できません。
集中すると熱くなる人がいます。
熱くなるというのは集中力ではありません。
自分のことが自分でちゃんと見られなくなります。
ヤル気や勝つ気持ちがあり、勝とうと努力している一方で、
それをクールに見つめている自分が必要です。
この時に初めて最大限の集中力があると言えます。

大切なのは、心のどこかに自分を
客観的に見るもう1つのカメラを持つことです。
「ちょっと集中力が切れてきたな」という自分を知ることです。
集中力が切れかかっていると認識するために、
自分の実況中継をすればいいのです。

「ちょっと集中力が切れかかってきましたね。
さっきのミスがひびいていますかね。
ここで相手のプレーやギャラリーを気にしないで
自分のプレーに徹してほしいですね」と、
アナウンサーと解説者のコメントを入れて
客観的に自分を見ると、冷静になれます。

冷静になれない人は、客観的に見るカメラがないので、
自分が何をやっているのかわかりません。
アガっている人は頭の中が真っ白で、
自分が何をやっているかわからなくなります。

テストの時に冷静で、
「あそこが間違ったんだ、あとはだいたい合っているから、
○点ぐらいだな」とわかる時は通ります。

冷静さを欠いて集中力がない時は、
何が正解したかも皆目わかりません。
自分が今どういう精神状態かもわかりません。
ミスをした時に客観的に見ることができないと、
「ああ、たいへんだ!」とパニックになります。
だから、ミスした人は、
普通なら考えられないようなミスを続けます。

それは、本人がミスをしたことによって
頭の中がパニックになったからです。
集中力がなくなって、
「おいおい、何をやっているんだよ。もうダメだ」となるのです。

はたから見ると、「なんでこんな簡単なミスを
しているのだろう」と思います。
が、本人はその簡単なことが簡単に見えなくなっているのです。
ミスをすると、集中力が切れやすいのです。
それを立てなおすためには、自分の実況中継をすることです。

「なぜあの人は集中力があるのか」より抜粋

vol. 4846
「ライバルに「負けろ」と念じると、集中力が落ちて、自分が負ける」  (2016/1/12 [Tue])
ゴルフの大会のほとんどはストロークプレー方式で、
直接誰かと戦っているわけではありません。
各プレーヤーがそれぞれプレーをして、
トータルの打数を競い合います。

ライバルのプレーを見ながら、
「ここでハズせばいいのに」と考えた時点で、
2つ以上のことを考えていることになります。

自分のプレーに集中しなくてはいけないのに、
別のことを考えていると
自分のプレーをする時に引きずっていまします。
そうすると、自分がプレーをしている時に
「相手は、自分がハズせばいいなと思っているのではないか」
という気持ちが、自分の今しなければいけない
プレーに影響してしまいます。

だから、「相手が失敗すればいいのに」と
思った人ほど失敗します。相手は相手でいい
プレーをしてもらえばいい、
自分は自分のプレーをする。

スポーツ選手は、
「あとは自分のプレーに徹すればいいんです」と
よく言います。自分のプレー、
自分のフォームをくずした人が負けます。
相手がミラクルショットをした時、
「よし、自分もここでやらねば!」と力を入れてはいけません。

相手もベストプレーをしてハイスコアを出してもらって、
さらにそれを上回るハイスコアで自分が勝つという理想です。
絶対やってはいけないことは、
相手に「失敗しろ、失敗しろ」と念じることです。
これで自分の集中力がなくなり、自滅してしまうのです。

「なぜあの人は集中力があるのか」より抜粋

vol. 4845
「早くから集中しすぎると、いざという時、集中できない」  (2016/1/11 [Mon])
日本人は欧米人に比べて本番に弱いと言われます。
日本人はオリンピックや大きな試合で
なかなか自己新記録を出せませんが、
外国人選手はどんどん出します。

これは、日本人のマジメさが仇になっているのです。
試合の前から「よし!」とテンションが早めに上がりすぎて、
いざ本番という時に疲れているのです。

集中力を持続させることが勝つための秘訣ですが、
集中力には限界があります。
集中力はそんなに長く続くものではありません。
だからこそ、いざ本番のところで集中力を
出せるように工夫すればいいのです。

これを「ピーク・パフォーマンス」と言います。
一番必要なところで最大限の脳力を発揮することです。
日本人のマジメな選手のほとんどは、
本番が始まる前にピーク・パフォーマンスを迎えてしまいます。
みんなが「頑張れ、頑張れ」と言って、
そのプレッシャーの中でマジメに頑張ろうとして、
どんどん集中力が上ってしまいます。
今までの日本ではそれが評価されました。

でも、本番が始まると下り坂が始まっています。
そのピークを後ろにずらすにはどうしたらいいか。
外国人の選手は本番が始まる前までリラックスしています。

一番わかりやすいのはマラソンのスタートラインです。
マラソンのスタートラインであくびをしている選手の
ほうが最後に勝つと言われています。
スタートラインで顔面蒼白になっている選手は、
42.195キロももちません。

高橋尚子さんがレース前にhitomiaさんの
テープを聴いて踊っていましたが、
あれが彼女なりの集中力の出し方です。
競技場に入ってきてからのホームストレッチでの勝負や、
35キロ地点の勝負どころにピークを
持ってこれるようにしているのです。

スタートラインに立った時にピークになっている人は、
そのかなり前から集中しています。
集中すると疲れます。
天才も凡人も集中力の長さに変わりはありません。
ほとんどの人がそんなに長くありません。
先に集中力を上げてしまうと続かなくなります。
コーチの仕事は、選手のテンションが
早く上がりすぎないようにすることです。

外国のコーチは「頑張れ!」ではなく「エンジョイ!」と言います。
楽しむというのは、力を抜くことです。
「力を入れなくちゃ」と思って楽しむことはできません。
楽しんでいる間は、「今、自分は力を入れているぞ!」と
いう意識もありません。ただ好きでやっているので、
本人は力が抜けているつもりです。
実際に力が抜けているからこそ、本番で集中できるのです。

「なぜあの人は集中力があるのか」より抜粋

vol. 4844
「本と読むことで、集中できる」  (2016/1/10 [Sun])
日本人は、朝の通勤電車で本を読んでいる人が多い。
それは集中しているから読めるのです。
電車の中はとてもうるさい。
電車自体の音やまわりの人たちの声、
車内アナウンス、ありとあらゆる音が聞こえて、
満員電車で押し合いへし合いになります。

中づり広告やいろいろなポスターがあり、
情報もいっぱいあります。
イヤなオヤジもいればかわいい女性もいる、
そんな状況の中で集中して本を読むのはすごいことです。
本に夢中になっていると、
隣りにどんなおじさんがいたか覚えていません。
それは集中していたからです。

「集中」というのは、そのことだけが見えてまわりが
見えなくなることです。集中できない時は本が読めません。
本を読んでも内容が頭に入らない、
小説の世界へなかなか入っていけない時があります。
これは書いてあることがむずかしいのではなく、
気持ちがガチャガチャして集中できないからです。

テレビを見ながら読める本と、読めない本があります。
テレビを見ながら読めないのは、本に集中できないからです。
朝、通勤電車で本を読むのは意味があります。
座禅をやって、そのまま仕事を始めるようなものです。
座禅は気持ちを整えるという意味で集中します。
集中しないまま仕事を始めた時は、
集中のレベルはゼロからスタートすることになります。

本を読んでいると、いろいろなことが勉強になるだけではありません。
本を読むことで、仕事を始めるための集中力が生まれてきます。
ボウリングの試合の前に文庫本を読んでいた人がいました。
「この人はなんでこんな時に、本を読んでいるのかな」と
最初は思いました。
その人は無意識でやっているのかもしれませんが、
集中しているのです。
子供が本を読めないのは、集中力がないからです。
子供に本を読む習慣をつけさせるのは、
本以外のいろんなことにも集中できる子供を
育てることにつながります。
絵本でもいいのです。
気が散ると絵本の世界に入っていけません。
絵本の世界へ入って、想像力をぐんぐん
ふくらませることができるのは、集中力がるからです。

「なぜあの人は集中力があるのか」より抜粋

vol. 4843
「リラックスしないと、集中できない」  (2016/1/09 [Sat])
集中するにはどこの力を入れればいいのでしょう。
その考え方は逆です。
集中するためにはリラックスが必要です。
リラックスと集中は反対のことのようなイメージがあります。
「リラックス」は「注意力散漫」、
「集中」は「集中!」というイメージがあります。

個々の意識を変えないと、集中力を誤解してしまいます。
リラックスしないと集中できません。
力が入っている人は、集中していません。

逆に、リラックスして集中することで、
その結果として力を発揮できるのです。
頑張るのとは違います。
「頑張る!」と筋肉に力を入れた時点で、
その人は集中できません。

好きな本を読む時に、頑張るという気持ちはありません。
好きな本を読んでいる時は、
頭の中で穏やかなアルファ波が出ています。ア
ドレナリンがあふれ出て、
本の内容をどんどん吸収していけます。

日本の根性論でいうと、リラックスは休んでいる、
遊んでいるというイメージがあります。
そんな先入観に惑わされてはいけません。
集中するためにはリラックスすることが大切で、
肩の力を全部抜きましょう。

「よし、読もう!」と頑張って開いた本は面白くないし、
集中できません。好きな本を読む人に、
頑張る人はいません。

ついつい本の中に入っています。
こんな時は、力が抜けています。
呼吸もスムーズです。
頑張る人は、「ウッ」と息を止めています。
息を止めると体中の力が入り、集中力はなくなります。
息をすったり吐いたりする時に
体がリラックスして集中できるのです。
勉強する時に集中力をつけるために
「必勝」と書いたハチマキを締めるのはどうでしょうか。
むずかしく考えてはいけません。

これは一種のおまじないです。
おまじないという儀式をキッカケにして集中できるので、
これも有効です。ハチマキを締めた所から、
「さあ、僕は今、勉強するモードに入ったよ」と
いう1つの切り替えスイッチが入ったのです。

「なぜあの人は集中力があるのか」より抜粋

vol. 4842
「試合で負けるのは、集中力が切れた方だ」  (2016/1/08 [Fri])
失敗したときの原因は、後からいろいろと思い浮かびます。
でも、本当の原因は「集中力が切れた」ことです。
例えば、1対1で戦うテニスは、集中力を維持できた人の勝です。
強い人と弱い人、プロとアマ、勝つ人と負ける人でも、
技術的には大した差はありません。

根本的に違うのは集中力です。
集中力のある人がプロになれるのです。
「ここ一番」に強く、気持ちが崩れても
立て直す安定力を持っています。

何十分もの間、集中力をキープするには、
よほどの精神力が必要です。

大学生でも90分の授業に集中できない人がいます。
先生がいかに面白い話をしても、
途中で集中力を維持できなくなる人が少なくありません。
子供向けのディズニー映画は60分です。
大人向けになると、100分や120分と長くなります。
年齢によって持続力がどれだけ続くかというデータが研究されています。
その年齢対象に合わせて作品を長くしたり短くします。
大人向けのほうが長いです。

それは平均値なので、個人差はもっとあります。
「飽きた」というのは、集中力が持続できなくなった証拠です。

例えばボウリングは、ボールに自分の
エネルギーをのせていくゲームです。
「ああ、もうダメだ」と思って投げると、
たとえストライクゾーンのポケットに入っても、
倒れないでピンが残ります。
集中力があるかないかで、
面白いぐらいに結果が変わります。
どんなに技術力がある人でも、
集中力が切れたらそこでおしまいです。
勝負は、自分も相手も苦しい中で、
最後まで集中力を持ち続けた方の勝です。

別の言葉でいうと、ガマンし続けられる人が勝ちます。
ボウリングで、もう一歩のところでストライクがとれずにスペアが続くと、
集中力を維持するのがたいへんです。
スペアを狙うのはストレスがかかります。
そこは踏ん張ることです。集中力のない人は、
ここで我慢しきれずに失敗してしまうのです。

「なぜあの人は集中力があるのか」より抜粋

vol. 4841
「呼吸をおいしく味わう」  (2016/1/07 [Thu])
中心感覚を感じるためには、呼吸は大事な要素です。
呼吸をおいしく味わいましょう。
誰も空気に味があるとは思っていません。

腹式呼吸では、「もっとたくさん吐いて」という教え方をして、
多い、少ないという言い方をします。

これは、本当はおかしいのです。
おいしく感じられる時に、
それが持つエネルギーを最もたくさん呼吸することができます。

料理を味わう時は、おいしいか、おいしくないかを基準にします。
呼吸になると、急にたくさん食べるか、
食べないかという発想になるのです。

それは、呼吸法の考え方としてはムリがあります。
ダイエットするために、「36回かみなさい」と言われます。
でも、それを実践すると食べ物がおいしくなくなることがあります。

36回かむという行為でストレスをためてしまっては、
その食材のエネルギーを吸収することができません。
呼吸も同じで、どうしないといけないということばかり意識するよりも、
おいしく呼吸をすることが大切です。

水の中に潜っていて、フワッと水面に出た時は、
やっと呼吸ができたという新鮮な気持ち、
ありがたい気持ちで呼吸できます。
そういう呼吸のありがたさ、おいしさ感を味わいましょう。
おいしいものを食べている時は、
すぐに飲み込むのがもったいないものです。

だから、結果としてよくかんで、よく味わうことができます。
おいしくないものを食べる時は、
あまりかまずに飲み込んだり、
お茶で流し込んだりします。

そういう呼吸の仕方をしてはいけません。
おいしいものを食べる時は、必ず奥歯でかむのです。
つまり、中心で味わうということです。
空気も食べ物も、奥歯でかみしめるようにすることです。

「答えは、自分の中にある」より抜粋

vol. 4840
「前屈は、股関節を折り曲げる」  (2016/1/06 [Wed])
いつまでも若いままでいたいなら、
肩甲骨と股関節を柔らかくしましょう。

前屈ができない人は、股関節が硬いのです。
前屈の計測で、指先が床につかない人は
股関節が硬くなっています。

ほとんどの人は、前屈のやり方を間違っています。
背中を曲げて前屈しようとしているのです。
背骨は、どこかでカックンと曲がるようにはできていません。
背骨は、限界まで曲げても猫背の
程度にしか曲げられないものです。

猫背の人は、体が柔らかいとはいえません。
むしろ体が硬いのです。
前屈では、背中ではなく、
股関節から折り曲げるようにしましょう。

足の付け根から折り曲げて、足首を持つ感覚です。
いったんしゃがんで、
起き上がるという「逆算」でもかまいません。

足首をつかんだまま立ち上がるには、
股関節から折り曲げる必要があります。
これが正しい前屈です。

これを覚えておけば、
身体検査の前屈にヒヤヒヤしなくてすみます。
まず、股関節を柔らかくする前屈から始めてみましょう。
前屈をすると、股間節の状態がわかります。
「柔らかい」感覚を持つことで、
バランス感覚をもとに戻すことができるのです。

「答えは、自分の中にある」より抜粋

vol. 4839
「電球を掃除する人は、スタイルがいい」  (2016/1/05 [Tue])
電球の取り換え作業を自分でしている人には、
中心感覚があります。
手を上げて、さらに手首をまわすという動きをするからです。
手首をまわすということは腕がまわっているということです。
肩甲骨が動いています。

肩甲骨が硬い人は、手首すらまわりません。
五十肩は、手が肩より上がらなくなって、
「イテテテ」となります。

女性の中には、手を上げただけで立ちくらみを起こす人がいます。
普段と違う血流になるからです。
今まで流れたことのないところに一気に血液が流れて、
立ちくらみを起こすのです。

家で電球を変える作業は男性に任せるという人も多いでしょう。
でも、電球を変える作業は大切です。
体が硬くなっている人は、
手を下した瞬間に「はあーっ」と、脱力します。
ふだん体が動いていない証拠です。

現代は、身のまわりのものを下へ置く暮らしになりました。
はたきをかけたり、上にあるものを動かす
作業はしなくなりつつあります。
手を肩より高く上げることが少なくなって、
可動範囲が狭くなっています。

肩より水平か上に手を上げると、
肩を大きく動かすことになって、
肩甲骨を柔軟に動かすことになるのです。

「答えは、自分の中にある」より抜粋

vol. 4838
「ウエイトトレーニングは、筋肉のバランスを整える」  (2016/1/04 [Mon])
体幹の筋肉を鍛えることには、別の意味があります。
フィットネスクラブへ行くのも、
大胸筋や首の僧帽筋、
三角筋や腹筋を鍛えるためという人が多い。

人それぞれのお気に入りの筋肉があるのです。
せっかくインストラクターがメニューをつくっても、
お気に入りのところばかりを鍛えようとします。

カーフレイズ(下腿三頭筋を主に鍛える)、
バックプルダウン(広背筋を主に鍛える)のような、
上げたり引っ張っておろす地味なトレーニングはイヤがります。

背中に筋肉をつけても、自慢にならないと思っているのです。
筋肉をつけるためのウエイトトレーニングは、
そもそも間違いではありません。

正しくは、筋肉のバランスを整えることが、
本来のウエイトトレーニングです。
ほとんどの人は、親指と小指の違いのように
特定の筋肉だけを使うことに慣れています。
得意な筋肉だけでなんでも片づけていると、
不得意な筋肉が退化します人間の体の中で、

著しくバランスが悪い状態になっているのです。
こういう体はもろくて肉離れを起こします。
肉離れは、極端に強い部分と弱い部分がある時に起こるのです。
車の場合、時速300キロ出るエンジンをつけて貧弱だったら、
まっすぐ進めません。人間の体もバランスが大切です。

ウエイトトレーニングでは、自分の体の中で最も弱いところ、
動きがスムーズでないところを鍛えていきましょう。
やりたくないメニューほど、本当はやらないといけないのです。

人間の体は、左右のバランスがあります。
上下にもバランスがあります。
インストラクターは、その人に足りない部分を把握して、
わざわざメニューに組んでくれているのです。

無理なウエイトトレーニングで体のバランスを崩すと、
より動かない、使いにくい体になります。
見た目だけカッコよくしようとすると、
より性能の低い体になります。
ウエイトトレーニングで、バランスの悪いところを整えていきましょう。
バランスを整えることによって、
自分の中心がどこにあるか、
センターがどこにあるかを見る感覚を生み出していけるのです。

「答えは、自分の中にある」より抜粋

vol. 4837
「ウエイトトレーニングは、筋肉のバランスを整える」  (2016/1/03 [Sun])
体幹の筋肉を鍛えることには、別の意味があります。
フィットネスクラブへ行くのも、
大胸筋や首の僧帽筋、
三角筋や腹筋を鍛えるためという人が多い。

人それぞれのお気に入りの筋肉があるのです。
せっかくインストラクターがメニューをつくっても、
お気に入りのところばかりを鍛えようとします。

カーフレイズ(下腿三頭筋を主に鍛える)、
バックプルダウン(広背筋を主に鍛える)のような、
上げたり引っ張っておろす地味なトレーニングはイヤがります。

背中に筋肉をつけても、自慢にならないと思っているのです。
筋肉をつけるためのウエイトトレーニングは、
そもそも間違いではありません。

正しくは、筋肉のバランスを整えることが、
本来のウエイトトレーニングです。
ほとんどの人は、親指と小指の違いのように
特定の筋肉だけを使うことに慣れています。
得意な筋肉だけでなんでも片づけていると、
不得意な筋肉が退化します人間の体の中で、

著しくバランスが悪い状態になっているのです。
こういう体はもろくて肉離れを起こします。
肉離れは、極端に強い部分と弱い部分がある時に起こるのです。
車の場合、時速300キロ出るエンジンをつけて貧弱だったら、
まっすぐ進めません。人間の体もバランスが大切です。

ウエイトトレーニングでは、自分の体の中で最も弱いところ、
動きがスムーズでないところを鍛えていきましょう。
やりたくないメニューほど、本当はやらないといけないのです。

人間の体は、左右のバランスがあります。
上下にもバランスがあります。
インストラクターは、その人に足りない部分を把握して、
わざわざメニューに組んでくれているのです。

無理なウエイトトレーニングで体のバランスを崩すと、
より動かない、使いにくい体になります。
見た目だけカッコよくしようとすると、
より性能の低い体になります。
ウエイトトレーニングで、バランスの悪いところを整えていきましょう。
バランスを整えることによって、
自分の中心がどこにあるか、
センターがどこにあるかを見る感覚を生み出していけるのです。

「答えは、自分の中にある」より抜粋

ログイン 保存