「法衣のケア」vol.3 -白衣の襟汚れ-
  • 2012年12月14日

白衣の襟もとを白く保ちたいと、皆さん思っておられますが、どうしても少しずつ黄ばんできます。
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これを防ぐには、こまめに襟汚れを取っておくことですが、一番手軽にできる方法は、ベンジンでふき取ること。
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着用して日をおかずに拭き取れば、新しい汚れならばベンジンでもかなり取れます。
汚れをベンジンに溶かして取るため、ベンジンをたっぷりタオルにつけて拭き取ります。
輪ジミになる場合は、その付近の汚れが残っているということなので、何度か繰り返してベンジンで拭き、輪どりの部分をぼかすように拭くと、輪ジミになりにくいです。

次にもう少し汚れが進んだ時は、ベンジンで処置をしたあと水で洗います。
この時、ベンジンで油性の汚れは取れているので、洗剤を入れずに水だけで漬け込み洗いします。
これが型崩れや、質感の変化が少ない洗い方です。

更に汚れが進んでいる場合は、汚れたところに洗剤をつけ置きしてから、洗剤を入れた水で洗います。
つけ置きする洗剤は、市販のプレケア用の洗剤でもいいですが、今回はプロ用の襟汚れ落としとして、松井化学㈱の「カーボイル」注1)を使いました。
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カーボイルを付けて15分ほど置いてから洗います。
洗う時の洗剤は、汚れ落ち重視なら液体よりも粉末洗剤を選びます。
綿やポリエステルが素材の白衣なら、弱アルカリ性の粉末洗剤がいいですし、ウール混のものは、アルカリ性の洗剤は使えないので、中性の洗剤にします。

そして、襟の黄ばみが激しい時は、洗剤だけでは取れないため、漂白剤に漬け込みます。
綿やポリエステルなら、粉末の酸素系漂白剤を使います。
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ウール混のものは、液体の酸素系漂白剤を使います。
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冷たい水だと漂白剤の効果が薄いため、40~45度くらいのお湯に漂白剤を入れて漬け込むと、黄ばみはよく取れます。

濯ぎが終わると最後に糊付けです。
水で洗うと糊気が取れて、張り感がなくなりますから、糊付けが必要です。
糊の種類はいくつかありますが、次に洗った時の糊落ちがよく使いやすいのは、ポリビニルアルコール(P.V.A.)を原料とした糊で、液体糊で透明なタイプがこれです。
糊落ちの悪いタイプは、洗うたびに糊が強くなり硬くなるので、白衣には使わない方がいいです。

こうして洗い終わったら、着物用のハンガーに吊るして乾かします。
この時縫い目を伸ばし、全体のシワも伸ばすように引っ張ってから乾かします。

乾いたらプレスですが、この時注意するのは、縫い目部分のキセを無くしたり潰したりしないこと。
また、エッジ部分の折り目も潰さないように浮かせてアイロンをかけます。
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アイロンの温度は、ウールや化繊のものは中温で、綿100%なら高温で、シワの部分には霧を打ちながらかけていきます。
面積が広いので、家庭でアイロンがけするのは結構大変ですから、乾燥するときに出来るだけシワを伸ばして吊るすことが大切ですし、洗った後の脱水時間は短く、脱水が回り始めて高速になってから10秒くらいで止め、止まったらすぐに取り出し、水気が多いくらいで吊るしておいたほうが、重みでシワは伸びます。

注1) カーボイル(4kg、2625円(税込))
水洗いする時に、油汚れ、カーボン汚れを強力に除去します。
衿汚れや泥はね汚れには、直接塗布してつけ置きしてから洗います。
中性で色落ちの心配が少ない洗剤です。

注1) 注文やお問い合わせは松井化学㈱
   TEL 06-6438-7305 (9:00~17:00  土・日・祝日除く)

注2)カーボイルを入れる容器はホームセンターの工具コーナーに置いてある、オイルさし(60円)を使っていますが、調味料入れ等でも代用できます。