デュベティカ(ダウン)の色修正
  • 2013年10月17日

今年もモンクレール(フランス)やデュベティカ(イタリア)、
タトラス(ポーランド)やザ・ノース・フェイス(アメリカ)など
ファッション性の高い本格派ダウンの入荷が多いです。

水洗い後、タンブル(ふんわりとボリュームを出す)乾燥を待つダウンが所狭しと並んでいます。

タンブル乾燥後、ふんわりとボリューム感を取り戻したダウンジャケットは、裏地と表地の小ジワをソフトにプレスして表面をツルンツルンにしていきます。

 

入荷されてくるダウンジャケットの状態も様々です。中にはとてもキツイ汚れやシミのついたもの、そして変色や脱色したものも多々あります。

 

今回ご紹介するのは、変色してしまったデュベティカのダウンジャケットの色修正です。

このダウンジャケットは首回り・フード・肩口が変色していました。

これは首回りの変色の状態です。汗や皮脂やスレなどによってこんなに変色してしまっています。生地が変色するときは、最初に青味が飛んで赤っぽくなることが多いのですが、今回は赤味が先に無くなって、紫の地色が紺色のようになっています。

色修正後の首回りの状態です。今回はピンク系の色を足して、元の色に近づけていきました。ダウンの表地に多く使われているポリエステルやナイロンなどの化学繊維は、綿や麻、ウールなどの天然繊維とは違い染料で色を付けることができないため、このような色修正をやっているところはごく稀だと思います。

 

話は変わりますが、この他、ブリオーニやゼニア等、高級スーツやジャケットの裏地(キュプラ)の脱色や変色の色修正も行います。ただ、裏地の色修正はダウンジャケットやマッキントッシュコートなどの色修正以上に難しいです。

 

それはキュプラの裏地は、糸がとても細く、染料で染めようにも染料が定着できる部分が少なすぎて思ったように色が発色しないためです。それで、こういう場合は顔料を使います。顔料は樹脂と色素が混ぜ合わさったもので、染料よりも色が付きやすいですが、風合いが変わりやすいなどの特徴もあり、色も合わせてまったくわからないように顔料を生地に乗せていくのは至難の技です。

日焼けして色あせしたフードの状態です。春になって着用シーズンが終わり、そのまま部屋の中に吊るしておくと、日光や蛍光灯の紫外線で色やけして、このような状態になることがよくあります。

色修正したフード。

日焼けして変色した肩口です。

色修正した後の肩口です。

写真では分かりにくいのですが、全体的に変色していて色ムラがいっぱい、また汚れもシミも一杯付着していました。

全体を染色して色修正した後姿。当然、汚れもシミも除去して染色していますので、その後、変な汚れの浮き出しなんてありません。

そしてアフターの表の状態です。見違えるようにキレイになりました。

 

入荷してくるダウンはカラフルで、ライトブルーやイエロー、パープルといった鮮やかなものやツートンのデザインのものも多いです。

 

鮮やかな色は、色褪せや変色が起こりやすいですが、原因となるのは紫外線と汚れです。ですから、保管時は汚れをきれいに取って、太陽や蛍光灯の光が当たらないところに置きましょう。

 

色修正する場合、下地の色ムラがない方がきれいに仕上がります。
激しく斑になっていると、直しても色ムラは残ってしまいますので、できれば、変色の軽いうちに直した方がきれいです。

 
ファッション性の高いカラフルなダウンジャケット。変色脱色に、ならないためにも小まめなお手入れを。次回はダウンジャケットのお手入れ方法をご紹介します。