ドレスシャツの洗い
  • 2015年06月29日


上の写真は新宿伊勢丹メンズ館で販売しているプロ用の洗剤やシミ抜き剤です。

左から
・ファブリック・リンクルリリース・スプレー
(スプレーして手で軽く伸ばすだけのシワ取りスプレー)

・ファブリックリキッドランドリー・ディタージェント
(シルエットを保ち、しなやかな風合いに洗いあがるウェット洗剤)

・ファブリック・ステインリムーバーNo1〜No4
(油性、タンパク質、血液、色素など、それぞれの用途に合わせた
 しみ抜き剤)

NC(ナチュラルクリーン)でドレスシャツを洗う時には、以上の洗剤やシミ抜き剤を使用しています。

今日のテーマは「ドレスシャツの洗い」です。

ドレスシャツが入荷すると、まず、細かいチェック検品が行われます。
エリや袖口の汚れと、その他にもシミがないか。また、ボタンの数と割れや傷、そして、取り付けのチェック。縫い糸のほつれや、生地のヤブレの有無。エリ周りやカフス周りなど、縮みやすいところの採寸。

これらを念入りに行いながらカルテを作成し、なにか所見があればお客様にお知らせします。実際、小さな穴などは意外と気づかれてない割合が多いようです。

(エリに黄変と皮脂汚れがあります)

これから洗うのは、LEONARDO BUGELLIのドレスシャツ。まず、衿や袖口など、特に汚れているところを部分的にシミ抜きしておきます。
この時は、先に紹介したファブリック・ステインリムーバーの内、油性の汚れを落とすシミ抜き剤を主に使います。
ここで、汚れの表面にある油性の膜を落としておくことで、次の工程での漂白効果が高まります。

先に洗浄液を超微粒子にするシルクビートガンで生地を傷めずに、エリ汚れや袖口の部分シミ抜きを行っておきます。ちなみに、他の衣類に関しても必ず先に部分シミ抜きや汚れ落としを行います。スーツのジャケットやワンピースなどは汚れていなくても、エリや脇の部分の汗抜き作業等を、この事前作業で行っています。)

次に漂白剤への漬け込みです。ドレスシャツのエリやカフスは肌に直接触れるため、皮脂や汗などが付着します。それらが蓄積すると洗剤で洗っただけでは取れなくなり、漂白剤によって分解して取る必要があります。

(ファブリックリキッドランドリー・ディタージェントと中性漂白剤剤を使っての漬け込み漂白を行います)

ここで使うのはファブリックリキッドランドリー・ディタージェントとプロ用の中性の漂白剤。それを溶かした50℃のお湯の中に20分程度漬け込みます。

この間も洗濯機は動かさず、手洗いで緩やかにシャツを動かして洗います。この後、一般的なワイシャツですと糊づけしますが、上質なコットンの風合いを生かすためにお客様の多くは糊なしを希望され、プレスも強く抑えるのではなく、生地のふくらみを持たせたままの柔らかいプレスを行っていきます。

「次の赤字の部分は削除してください」
汚れやシミに関しては、洗う前の部分シミ抜きで取れにくい汚れは落してあるので、ドレスシャツの場合、実際の洗いは生地を傷めないように優しい動きの洗いです。

(エリの黄変や皮脂汚れがしっかり取れてキレイになっています)

中性漂白が終わると水で2回濯いでから脱水です。全自動洗濯機の自動コースの設定では脱水は6~8分の設定になっていますが、脱水時間が長いとジワの原因になります。

本当に必要な脱水時間は30秒もあれば十分。高速回転になって20~30秒で止めてすばやく取り出します。脱水後そのままにしておくこともシワの原因になりますから×。

ここで汚れやシミが取れているか全体を再度チェックし、人体型整形乾燥機で乾燥を行っていきます。

(人体型整形乾燥機で乾燥中)

これで大まかに乾かし、更に静止乾燥ボックスに入れて完全に乾くまで乾燥させます。

ここで、シャツに汚れが付きにくくする方法の裏ワザを一つ。それは、エリやカフスにベビーパウダーを塗っておきます。そうすると、汗や皮脂をパウダーが吸い込んでくれて、次に洗った時にパウダーと一緒に汚れが落ちます。つまり、汚れの蓄積を防げるので黄ばみや黒ずみになりにくいのです。これは僕がいつも自身のドレスシャツに行っている裏技の一つです。

乾燥の終わったドレスシャツが並びます。そしていよいよハンドでのアイロンプレスに入ります。(アイロンプレスはHP内に掲載しています「男の道具手入れが分かる本」〜アイロンがけ編〜でNCスタッフがドレスシャツのアイロンプレスを紹介しています。是非一度ご覧ください。)