マッキントッシュの補色修正
  • 2013年10月11日

NC君津工房には全国から様々なクリーニングアイテムが日々送られてきますが、
結構マッキントッシュコートの入荷も多いです。

 

このコートは、そもそも液体状のゴムを綿生地の間に塗って作られた、
マッキントッシュクロスという特殊コートなのですが、デザイン性は別として、
欠点としては夏は暑くて樹脂がべたついたりするし、
車の中に入れておいたら乾燥してパリパリになるし、
寒ければ硬化してバリバリになるという、
高温多湿の日本の風土にはとても難しい素材なのです。

 

ケース的に多いのが、衿の色褪せと衿や肘などの
擦れやすい部分のゴム樹脂の染み出し。
この樹脂の染み出しは一度起こり出すと一気に噴き出すように
広がってくるので要注意です。

 

ただ、樹脂の染み出しを除去するということは、
接着樹脂を取り除くという事になって、その部分は張りもなくなり、
ぺランぺランの布状になってしまいますので、
バランスよく目立たない程度に染み出し樹脂は除去作業をしていきます。

 

通常ですが、マッキントッシュコートの場合
まずは特に汚れている部分はしみ抜き剤で汚れを落とし、
全体の汚れを中性洗剤でマメに手洗いして最後は色素回復剤で整え、
ポケットの中や表裏全体をスポッターのエアーで水を飛ばし、
バスタオル等で丁寧に水切りして自然乾燥していきます。

 

と言うのも、このマッキントッシュは完全防水なので、
水気は、下に下がってきます。この水気をしっかり落としておかないと、
後でえらい目にあいます。つまり、ポケット回りや袖のシームなど、
最後に乾く部分が輪じみが出る場合が多いからです。

 

さて今回のマッキントッシュコートに対するお客様からのご依頼は
「衿・肘・袖口他、全体的な樹脂の染み出し除去」と、
「全体な補色修正」と、「裏部分の接着テープの剥がれ直し」でした。

 

まずは全体を手洗いし、汚れた部分や樹脂の染み出しを接着
損傷のない程度に除去して色素回復剤で全体を整え、その後、
同じ色の顔料でムラの出ないように吹き付け塗装していきます。

ビフォーの紫のマッキントッシュの表側。

汚れ落としと全体洗いと色素回復、そして樹脂の染み出し除去に約2時間。
裏側の接着テープの張替約1時間。
全体補色修正6時間、マッキンの場合は計9時間のお仕事です。

 

今回は全体の補色修正を主に紹介していますが、
通常は汚れ落としを行った後は色素回復剤で全体を整え、
乾燥後は京美人あたりでさらに全体的に色を整えていきます。
また、必要に応じて、部分的な補色修正や、全体的な補色修正も行っていきます。

 

ちなみに、モンクレールやデュぺテカ等のダウンの全体補色修正も
色合わせに時間がかかるので、やはり8時間ぐらいでしょうか。

後側のビフォー。

後側のアフター。

ゴム樹脂が染み出した衿回り。
購入着用マッキン3年目ぐらいからほぼこういった兆候が出てきてますね。
この染み出しはマッキンの宿命みたいなものです。

ゴム樹脂の染み出しを除去して補色修正した衿回り。
ちょっと白っぽく写ってますが、本当はキレイに色が乗ってます。
よくやるのは衿の表と裏の張替です。当然のごとく裏と表をひっくり返すので、
衿回りは新品同様になるのでなかなかおすすめです。

袖口の接着剤の染み出し。

袖口の接着剤の染み出しを除去して補色修正しました。

 

補色修正と言いますと、ダウンですが、デュぺテカの色焼けによる
変色は結構多いです。薄茶のものが緑っぽく変色してます。
首回りとか、肩とか、袖とか、紫外線が当たるところが多いです。
モンクレールも薄い色の物は変色しやすいです。そういう場合は、
お客様に補色修正を提案してます。

 

とにかくマッキンにしてもダウンにしても着る回数が多いので、
やはり汗とかタバコとか汚れもそうですが、臭いですね、臭い。
このあまり上品とはいえないなんとも言えない臭いは除去した方が
いいですね。またも頑固な汚れや滞ったエネルギーも。
そのためには絶対に水洗いが一番なんです。

 

※現在、blackのシャイニーとpinkのモンクレールの全体の補色修正
をやっていますので、またの機会にご紹介します。