高温に弱いポリプロピレン
  • 2014年04月11日

もう春の繁忙期に突入した感じで、君津ブランド工房には日々様々なダウンジャケットが入荷してきます。

定番のモンクレールやデュべティカだけでなく、ウールリッチのアークティクパーカーやシェラデザインズのマウンテンパーカなど、レアなブランドもあります。

素材もポリエステルやナイロンのアウターのものから、ウールやシルク、綿やレザーなどの天然素材、そしてムートンやファーを使ったものなど様々です。

今回入荷してきたのは、ボッテガべネタのダウンジャケット。
革を編トレチャートのレザー製品がトレンドのブランドです。
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早朝、うちの女性スタッフたちが洗い上がったダウンジャケットをハンドプレスします。これは内外の細かいシワを伸ばしたり、ジャケットの表面に熱を加えて光沢感を増すためにです。

突然、佐生くんが「えぇぇぇ、うそお〜、縮んじゃったんですけど・・」と言って、ボッテガベネダのダウンを慌てて持ってきました。

このダウンジャケットに、ダウンでは珍しい素材が使われていました。組成表示を見ると、ポリエステル70%、ポリプロピレン30%。

このポリプロピレンは、ずっと以前は防寒用のシャツなどに使われていましたが、今は衣類に使われることはほとんどなく、ロープなどの材料として使われることが多い素材です。
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強度がある素材なので、生地の強さや質感を出すために使われているのかもしれませんが、取扱いで一つ気を付けなければいけないことがあります。

それは、アイロンや蒸気の熱で収縮する可能性があることで、仕上げではアイロンの温度を下げ(中温の下の120℃ぐらい)、できるだけ蒸気を当てないように仕上げる必要があります。
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そのためには短い脱水をシワがつかないように繰り返し、タンブリング乾燥も枚数を極力少なくして、シワの無い乾燥を行います。

そしてはハンドプレスの仕上げですが、今回佐生くんのアイロンの温度は150℃ぐらいの中温でした。このぐらいの温度でプレスすると、このポリプロピレンはすぐにキュと収縮してしまいます。
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「ヤバい。キュと縮んでる。どうなるんでしょうか〜〜、これ?」。
「ほらほら見てみ・・」。

こういう場合は慌てずにすぐに揉み解してやれば元に戻ります。ただ、そんなことを知らない人はこういった収縮が起こると、ビックリして焦りますよね。その時は慌てずにすぐに揉みましょう。

保温効果が高いけど、このような弱点を持ったポリプロピレン。蓄熱素材としては30年前当時は、このポリプロピレンしかなかったわけで、ただ、どんどん使っているとヘンな匂いがしてきたり、蒸気を当てるとキュとして縮んだり、ろくなことはありませんでした。
その代替として蓄熱素材としてヒートテックやヒートサーモンなどいろんなものが開発されてきたわけです。
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ただ、このポリプロピレンをダウンジャケットなんかに今もまた使い出しということは、保温性というよりも、他のダウンジャケットとは違った軽い質感や、レアな「ワイルドだろう~」的な風合いを出そうとしてるんでしょうね。やはり、レアなボッテガですよね。

ただ、こういう情報を知らないと、高温や蒸気に触れるとキュと一気に縮んで佐生のお姉さんのように「なに?これえぇぇ・・・・??」とビビッてしまいますので、最新のダウンジャケット情報としてお知らせしておきました。それでは、また。
(つづく)