- 2011年12月01日
エミリオプッチウールニットのワンピースです。
脇の下に汗による変色ジミが出ています。
変色ジミは繊維の色自体が変わっている状態ですから、
汗を落とすだけではきれいになりません。
そこで、漂白という作業が必要になってきます。
漂白剤を使って変色を抜いていくのですが、
この薬品で柄の色が抜けてしまうので苦労する場合があるのです。
今回は、薄い青緑の柄がそうなんです。全般的にこの色は弱く、
漂白剤に限らず、汗や皮脂と紫外線による作用で色が変わりやすいので、
普通に着用される際にも注意が必要です。
汗や汚れがたまらないよう、
他の洋服よりもこまめなメンテナンスが必要ですね。

では、作業に取り掛かりましょう。まずは、付いている汗を落としていきます。
汗は御存知の通り、水で作業しないと落とせません。
エミリオプッチはデリケートな素材を使われていますが、
特に水に対してデリケートです。
不要な場合は全体を無理に水洗いするより
必要な部分だけ作業をした方がいい事が多いのです。
ここでしっかり汚れが落ちていないと最後の仕上りにまで影響します。
何事も、最初の基本部分がもっとも大事なのです。

漂白剤で変色を抜いていきます。
極力青緑には薬品がかからないようにします。
後が大変になりますから・・・
ですが、よく見ますと、当然この部分も変色しています。
できるだけ柄色を抜かず、変色だけを抜く微妙な筆捌きが必要です。
腕の見せ所ですね。


蒸気で熱をかけ、薬品の効果を上げています。
目の前で変色が消えていくのは楽しいのですが、
柄色が抜けていくのは冷や冷やします。少し抜けてきているのが分かりますでしょうか?

漂白後。黒いラインと、柄色が薄くなっています。
色掛けをして元に戻します。微妙に残した黄味と、
上から掛けた染料の色がちょうど柄色になるように色掛けをすると、
自然な仕上りになります。左の皿に入っているのが染料です。
練習も出来ないので、一発で色を決めないといけないので、緊張の一瞬です。

少しずつ色を掛けていきます。


黒のラインも引いていきます。にじませると今迄の作業が台無しです。
慎重にしなければいけませんが、ゆっくり筆を動かすとにじみやすくなるのです。
慎重さと大胆さを併せた作業です。

完成。すっきりきれいになりました。



