「キャリーバッグの汚れ落とし」
  • 2011年03月17日

昨年は工房全体のスキルアップのために出かけることの少なかったボスですが、
今年は寒い内から精力的に飛び回っています。
といっても、ビジネスや営業ではなく、
本業であるお寺の住職としての「心が軽くなる法話会」や「元気が出る講演会」など。
その旅にいつも持って行くのがこのトゥミのキャリーバッグ。

飛行機の手荷物で預けた時に付いたのか、
黒い汚れがたくさんあって、底の方のパイピングも擦り切れています。

何回か前の「週間ナチュラルクリーン」では、
この一つ上のサイズのトゥミの大型キャリーバッグの丸洗いをご紹介しましたが、
今回の中型キャリーバックは洗わないでなんとかきれいにしようという作戦です。

この黒い汚れは油のようなので、まず、ベンジンを綿棒に付けて拭いてみました。

ベンジンは、すぐに揮発するため、濯ぎの必要がなく、
これで取れてくれれば、簡単にことは済みます。

ところが、ベンジンで薄くはなるものの、茶色く残ってしまいます。
きっと、油分だけでなく、色々なものが混ざっているのだろうと、
家庭での汚れ落としの定番、中性の台所用洗剤を使ってみます。

これを綿棒に付けてこすると、すぐには取れませんが、
何度も根気よくこすっていると目立たなくなってきました。

トゥミのバッグの素材の「バリスティックナイロン」はとても強い素材ですから、
少々こすっても平気です。

シミの数が多いので時間はかかりますが、一つずつシミを落としていきます。
そして、洗剤をつけたところは、濡れタオルで何度も洗剤分を拭き取ります。

これでだいぶ取れましたが、まだ、ボスが満足するレベルではないため、
「どうしようか・・・??」と、プレス部門の主任、及川に相談してみました。

「だったら、コロニルのソフトクリーナーを使えばいいんじゃないですか。
革にも布地にもどっちにも使えるし、全体の薄汚れもとれますよ。」

と言うやいなや、気の早い及川は、ムースタイプのクリーナーを一杯スプレーし、
一心不乱に拭きはじめました。

見ていると、シミも更に薄くなって、周りの色も明るくなった感じです。
このクリーナーは拭き取りがいらないため、ナイロン部分はこのままでOKです。

次にパイピングの修理です。本格的に直すには、パイピングを取り替えたり、
上から革や合皮を貼り付けたりという方法がありますが、今回はもっと手軽に、
アクリルカラーで色を塗ってみます。

まず、下地作りで、塗装用のバインダー(接着剤)を、擦り切れたところだけでなく、
パイピング全体に塗ります。特に、擦り切れ部分には多めに塗っておきます。
これは、塗料が取れにくくするためもありますし、
パイピングの中の布地が露出したところにバインダーで塗膜を作っておかないと、
塗料を吸い込んでしまうからでもあります。

さて、色作りは、パステルカラーのシルバーとグレーの二色で調色です。

乾くと少し濃い目に発色するので、パイピングより少し明るい色にして筆で塗っていきます。
完璧に色を合わせて、擦り切れたところだけに塗ってもいいですが、ほぼ色が合ったら、
パイピング全体に塗ったほうが、ずっと早くできます。

凹凸が少なくなるように7~8回塗り重ねて乾いたら、塗料を馴染ませるように指でこすってやって完成。

またまたボスと一緒に、色んな所に行ってらっしゃい!


※東北地方太平洋沖地震で被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
 全スタッフが積極的に募金活動を行っています。
 また皆様の無事と一刻も早い復興を心より念じております。
  
                   記:レザー・洗い部門主任 松村 誠