- 2012年02月03日
![yun_8110[1]](http://www.naturalclean.co.jp/wp/wp-content/uploads/2012/02/yun_81101-300x200.jpg)
クリーニングにやってくる洋服には、シミを取って欲しいという依頼も多く、
中でも、うっかり食べ物をこぼしてしまったといった洋服が結構あります。
その中には自分でシミを取ろうとされたあとが見られるものも多いのですが、
この応急処置のおかげで、簡単にきれいにできることもありますし、逆に、
シミが広がったり、取れにくくなったりして、何倍も手間がかかることもあります。
一番困るのは生地を毛羽立たせたり、地色を変化させてしまうケースで、
シミを取ることよりもその修正に時間も費用もかかってしまいます。
実は先日、弊社のボスと食事をしている時にこんなことがありました。
いつものイタリアレストランでパスタを食べていたボスですが、
口元に運ぶパスタから垂れたソースがジャケットの衿元にポトリ、
「エエッ・・ナンジャコリャア!!」。
![IMG_5100[1]](http://www.naturalclean.co.jp/wp/wp-content/uploads/2012/02/IMG_51001-200x300.jpg)
ジャケットは、仕立てたばかりのコスタンティーノの紺のジャケット。
(実はこのジャケット、およそ一年がかりで仮縫いから仕上がってきた
イタリアのナポリ仕立て。すぐに袖を通したボスは鏡の前で、
「おお‥肩、アームホール、ドレープライン‥ピッタリ!!」
このサルトリア・コスタンティーノの生産量は年間200着にすぎず、
厚みのある胸から大胆に削り取られた脇の下への立体感が、
何ともメチャカッコイイのです。)

そのジャケットの衿元にソースが付いたのですから、さあ、大変です。

ここで普通なら、おしぼりやティッシュでゴシゴシやるところです。
ところがボスはプロ、マスターを呼んで、涼しい顔で
「食器用洗剤とタオルをちょっと貸してくれる?」
そして、コップの水に食器用の中性洗剤「キュキュット」を1滴入れ、
タオルを指にからめて水をチョンと付けてから少し絞り、
シミの上を軽くチョンチョンとたたきます。

シミを広げないため、水気を付けすぎないように、そして、
毛羽立たせないために決してこすらない。
そして、おしぼりは、塩素漂白をしてある場合があって、
塩素が残っていると色落ちすることもあるので使いません。
そうやってから、しばらくの間、乾くのを待ちます。
「これで取れりゃあええが、残っとっても無理はせん。
あくまでも、次のしみ抜きをやりやすくするための応急処置じゃけん。
(純粋な広島弁)」
乾いてみるときれいにシミはなくなっていました。さすがじゃね!!

もし、残っていても、工房に戻ってのしみ抜きは簡単ですみます。
自分で洗えるような洋服なら、帰ってすぐにシミのところに濃い洗剤を付け、
ワインのように色素を含んだもののシミなら漂白剤もつけて洗うのがいいですが、
早くやったほうがきれいに取れます。
スーツやジャケットならボスのようにチョンチョンとやってみて、
取れなければ早々迷わずクリーニング店へというのがベストです。
それではまた次号で。(つづく)
記:クリーニング師・繊維製品品質管理士・洋服・レザーケアアドバイザー・「メンズEX」「ビギン」「モノマガジン」等で「ケアの達人」として紹介されている。
松村 誠
一般的なパスタソース等のシミ抜き 3.000円から



