「シャツの色移り」
  • 2011年03月09日

 木曜日はナチュラルクリーン・ジュニアのみんなや、色々なアパレルショップのスタッフ達が訪れる研修日。
 その時にここのメンバーがお揃いで着る白いシャツがあります。
 今日のボスは、いつものモンクレールのダウン姿ではなく、このシャツの上に薄手の紺色のカーディガンを羽織る春らしい装いで本音のトークをして、訊ねてきたみんなを笑顔にしていました。
 ところが、研修が終わってカーディガンを脱いでみると、シャツの両脇が青くなっています。

 汗をかいたために、カーディガンから色移りしたようです。

ここで注意
『ボス曰く、「今回はショップスタッフに色出の確認せんかった~。失敗や~。」ということで、ショップの方とお客さんは「色出について」のお話をおすすめしておきます。』

 シャツに付いた青い色を取り、カーディガンから色が移らないようにしてくれというのが今回のボスの指令。

 さて、シャツの色を取るために、洗剤(アタックNEO)の原液を青い色のところに付けて、手で揉んでみます。

 洗った時に他の衣類から色移りした場合は、乾かすと取れにくくなりますが、濡れているうちに、もう一度洗うと取れることがよくあります。
 ただ、今回は、汗で濡れた状態で摩擦されたために色移りしています。このカーディガンはウール100%ですが、ウールを染める染料は酸性の時の方が、繊維にしっかりとくっついているため、おそらくアルカリ性の汗の影響で色落ちしやすくなったのだと思われます。
 そこで、シャツの色を取るときは、この染料の取れやすいアルカリ性の洗剤を使ってみました。
 洗剤を付けて揉んでから洗濯機に入れて洗ってみると、青い色はかなり薄くなりましたが、よく見るとまだ少しだけ残っています。これを取るために、洗面器に50度くらいのお湯を入れ、ハイドロという漂白剤を小さじ半分加えます。

 これに青い色が残っているところを浸けると、サッと色が取れていきました。


 このハイドロは還元系漂白剤という種類で、色移りや黄ばみを取るのに効果がありますが、色素を破壊するため扱いには要注意です。色柄物に使うと地色が抜けることがよくありますし、着ている服に付いてもあっという間に色抜けします。

―ここでお勉強タイム―
 繊維が染まる時、繊維の分子配列の中の特定の部分が染料と手をつなぐことで染料が定着します。染色液から取り出した繊維には、手をつないでいない染料も一杯くっついているため、それを洗い流します。それが不十分だと、定着していない染料がたくさん残り、それが、摩擦された時や洗った時に他の衣類に移ることになります。余分な染料を洗い流さないと、生地の色は染料がたくさんある分鮮やかなため、あえて、洗い流すのを少なくしている商品もありますが、当然色落ちは激しくなります。
 また、染料が繊維に強く定着するには、PHや、染める時の温度、濃度などの様々な条件が必要で、それが適切でないと色落ちしやすいものになります。そして、染色の最後にはフィックス処理と言って色止めをしますがこれが不十分な時も色落ちします。
―お勉強タイム終わり―

 シャツの色は取れたので、今度はカーディガンの色止めですが、これは難問です。
 ウールの場合家庭で色止めに使えるものといえば、酢やクエン酸などです。
 それで、カーディガンをまず中性洗剤のアクロンで手洗いし、

 一度水で濯いでから、10リットルの水に小さじ半分くらいのクエン酸を溶かした中に入れます。

 これで脱水して乾かせば一応の色止めにはなるはずです。
 この色止めに関しては、元々の染色の強さや、色々な条件によって全く効果が違うので、これなら確実というものはないようです。プロ用ならば、もっと効果の高いものもありますが、家庭でするなら、基本的には酸性のものを使います。

ポイント
 しっかり色止めしたいときは、クリーニング店に頼んだ方が無難かも。