- 2011年12月14日

今日は、綿コートの脱色直しの工程を紹介しますね。
食べこぼしと紫外線が染料に影響を及ぼして染料の一部分を壊してしまった状態のものです。
写真見ずらいかなあ・・・わかります?
洋服は色の深みを出す為に、いろいろな色を混ぜて染めてあります。
その色の中に、壊れやすい色や、丈夫な色がありますので、
同じ汚れた条件でも壊れてしまう色と、そのままの色が出てくるわけです。
壊れやすい色は、青、緑、紫などの寒色系です。
自然界の色でも、これらの色は壊れやすく、植物染料には中々出せない色です。
反対に赤・黄など暖色系は強い色です。
ですから今回のような脱色の場合、青系が壊れて赤系が残り、
赤茶色に変色してしまうのですよ。

拡大した写真
水滴のような形が見えるでしょ。付いた当初は液体だったのでしょう。
水分が蒸発していくと、徐々に汚れの濃度が上がっていきます。
ほとんど水に近い物でも、汚れは蒸発して無くなる訳ではありませんから
濃いシミになる可能性があります。そして、こういったシミは付いた時は全く分かりません。
時間の経過で徐々に浮かび上がって来て、氣がついた時にはこんな状態。
だからこそシーズンオフに「ウオータークリーニング」をする事で、
見えていない汚れも落とせますからオススメなのです。
ドライだと、水系の汚れは全く落とせませんから
変色につながるシミはあまり落ちませんので御注意です。

作業開始
上に見える青系の染料を脱色部分に掛けていきます。
どんな色が壊れているのか?色を間違うとその分濁った色になります。
不要な色が上にプラスされるわけですね。ここは経験とセンスが物を言います。
失敗してきた経験(!?)が、正確な色を導き出すって。ことなのです。
どんなに腕のいい職人でも新人の時は当然のように、
失敗を先輩にフォローしてもらってスキルアップしてくるわけです。
こういう職人的技術は絶対にテクマニュアル化できない部分ですね。
失敗しろという指示はマニュアルには書けないですから。

かなり直ってきたのが分かります?微妙に色が違っている場合は、最終段階で足りない色を足したりもします。

失敗した場合は、残念ですが水で洗い流して一からやり直しです。ふう・・・。
染料は熱をかけて染着させる事で色が止まるんですよ。その前ならばジャバっと落とす事ができます。

熱したコテで熱をググッと加えていきます。
熱い時は百度を簡単に超えますので、すばやく生地の上を滑らせます。
これで色止めも終了です。よおっしゃ・・・あ。

完成
どうですか?まったく分からないでしょ。これがプロの技ってことで、
ちなみにこのシミ落とし、脱色直しで12,000円です。
記 メンテナンス事業部



