綿のジャケットの脱色直し
  • 2012年01月26日



肩回りや、全体に日ヤケがあります。
又、袖には袖口に平行した脱色が線状に入っています。
シミや、変色はそうなってしまった理由を考えながら落とす手順を考えます。
詳しい理由はもちろん分かりませんが、水系のシミがついたまま放置しておくと経年変化で脱色してしまう事が多いので袖口だけ水で濡れた事が以前にあったのかもしれません。
油性の汚れではこういう変化はほとんど起きません。

まずは原因となった不純物を落としていきます。
水系のシミですので水を使って落とします。
目に見える変化はありません。ですが、下地がきれいかどうかはこの次の作業に確実に影響を与えます。

地色が濃いのでかなり濃い色を乗せていかないと発色しません。
今回は写真上部に見える黒に近いような青系の染料を筆で乗せていきます。

水系のシミは繊維の奥まで浸透していますので、脱色自体も繊維の奥まで脱色しています。
ですので、染料も繊維の奥まで浸透させないと直りません。
でも、浸透させるという事はにじむということ。周りににじませると関係ないところが濃くなってしまいます。
厚みの部分ににじませ、面の部分にはにじませない、そんな筆捌きです。

ぼんやりした部分や、ムラになっている部分はエアブラシで吹き付ける作業もします。
染料の扱いはやはり筆と同じです。にじませないように浸透させるという事ですね。

わかりにくいのですが、肩周りが黄色く色ヤケしています。
袖とは変色(脱色)の原因・経緯が違いますから同じ色では直りません。
通常は少し色味を変えて色掛けをします。

今回は肩のヤケはぼんやりしてあまり目立ちませんでしたのでお直し指示部分ではなかったのですが、
染料が余ったということもあり、少し色をかけて目立たなくしました。
こちらもぼんやりとしたヤケですので吹き付けで直しました

衿山を直した後は、衿のフチです。身頃との色の差が出ています。
衿はどうしても手で触る頻度が高く、身頃よりも汚れやすい為変色しやすいのです。
この色の差も直して、着姿がきちっとまとまるようにします。
今度は色あわせなので、青を普通の濃度にした染料で直します。

袖口完成

衿回り完成

肩回り完成
ついでの作業にしてはきれいになってしまいました(笑)

袖口16,000円 衿6,000円 シミ8,000円