「影響を受ける心は、弱さではない」

私たちは時々、
「周りに影響されやすい自分は弱いのではないか」
そう思ってしまうことがあります。
けれど、仏教の眼から見ると、
影響を受ける心そのものが、
決して悪いものでも、劣ったものでもありません。
人は本来、
人と人との関わり、出来事との出会い、
さまざまな「縁」の中で生きています。
その縁を感じ取れるということは、
心が閉じておらず、
世界ときちんとつながっている証です。
もし、何にも影響されないとしたら、
それは強さではなく、
感じる心を閉ざしている状態かもしれません。
大切なのは、
影響を受けるか、受けないか、ではありません。
影響を受けながらも、
自分自身に戻ってこられるかどうか
そこに、ほんとうの強さがあります。
風を受けるから、木はしなります。
けれど、根があれば倒れません。
人の言葉に揺れ、出来事に心が動き、
それでも最後に「私はどう生きたいのか」
と、自分に立ち戻れる人。
その人は、
とても強く、そして美しい生き方をしています。
どんな状況の中にあっても、
自分が自分として生きている。
その事実そのものが、尊く、確かな力です。
どうか、揺れる自分を責めず、
影響を受ける心を否定せず、
静かに調えながら歩んでまいりましょう。
それが、
人として成熟していく道なのです。