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2015年 1月21日

「無の用」(老子十一章)1/21(水)
からっぽだからこそ役に立つ

埴をこね、もって器を為流、
その無に当たりて器の用あり(老子十一章)


粘土をこねて、茶わんや花びんを作る。
それぞれの器の内部の、からっぽの「無」の部分があるから、
役に立つのである。

粘土をこねて作った茶わんの形のあるところも、大切だ。
が、もうひとつ、茶わんの中のからっぽの部分があるから、
ご飯を入れたり、みそ汁を入れたりすることができる。
有形の茶わんを役立たせるのは、
なんにも見えない茶わんの中の「無」であるということを、
深く見つめ、その働きを考える。

戸窓を鑿ちてもって室を為る、
その無に当たりて室の用あり(老子十一章)


戸や窓をつくって、壁や天井も作って、部屋をつくる。
部屋の内部が空っぽで「無」であるから、
部屋の働きをするのである。
部屋の中に、荷物をギッシリと詰め込んでしまうと、
部屋としての用を足さない。

頭も、詰め込み過ぎると、働かない。

「老子・荘子の言葉100選」より抜粋

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12:50, Wednesday, Jan 21, 2015 ¦