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「天地は一指なり、万物は一馬なり」(斉物論)
命のあり方は、誰でも同じでなんの差別もない

人差し指は、だれの人差し指も、同じ働きをして、なんの差別もない。
1頭の馬の走り方は、どの馬の走り方とも同じで、4本の足を動かして走る。
自然の生命のあり方は、誰でも同じで、なんの差別もない。

人間の人差し指は、みな同じように糊をこねる。
ものを指し示す。鼻がかゆいと、うまく掻いてくれる。
カギ型にして、ものを引っ張る。ボタンを押してくれる。

天地自然がつくってくれた人差し指の働き方は、
まさに一本の指のごとく、誰でも同じなのだ。
なのに、他人の指をみると、あれは、おれのものじゃない……
といって、平気できずをつける。
そして、自分の指だけが、指だと思って、自分の指だけを大切に守る。
指だけではない。見る目の働きも、聞く耳の働きも、嗅ぐ鼻の働きも、
舌で味わう働きも、心の働きさえ、天地自然がつくってくれたもので、
善人だろうが、悪人だろうが、まったく同じだ。

なんの差別もない働きなのである。
自分の一本の指も、天地自然の一指である。

「老子・荘子の言葉100選」より抜粋
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20:40, Thursday, Apr 23, 2015 ¦ 固定リンク ¦ 携帯