≪ 「正言は反ごとし」〈老子78章 ..  ¦ トップページ ¦ 「天地は一指なり、万物は一馬な .. ≫


「もの、あれに非ざるはなく……」
「もの、あれに非ざるはなく、もの、これに非ざるはなし」(斉物論)

「いい」ものが「悪く」なり、「悪い」ものが「よく」なる


どんなものでも、見方によって、同じものがそのときの都合によって、
「あれ」になったり、「これ」になったりする。

「これ」を遠くにいる人は、「あれ」とよぶであろう。
逆に、ここから遠くにあるものを「あれ」という。
が、遠くにいる人は「これ」とよんでいるのである。


人間は、つねに自分持ちの「是非善悪」の考えを
ふりまわしているが、単に、それぞれの見方が違うだけで、
実際のところは、どれが悪いのかは、わからない。


むかしは、運動しているときは、水を飲むな、といわれた。
今日では、大いに飲め、そうしないと脱水症になるといわれる。
むかしは、病気の後は、なるべく、安静を守れ、といわれた。
今日では、少しでも早く動けといわれる。


「いい」「悪い」は、時代とともに、すぐ変わってしまう。
時代が変わると、「いい」ものが「悪く」なり、
「悪い」ものが「よく」なる。
いい、悪いは、広く長い目で見る必要がある。


「老子・荘子の言葉100選」より抜粋

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21:18, Tuesday, Apr 21, 2015 ¦ 固定リンク ¦ 携帯