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「勝ちて 美とせず(老子31章)」
勝っても誇らない人は、美しい

勝つということは、素晴らしいことだ。
永年の努力が実って勝利を勝ちとることは、
最高の快感であり、満足でもある。


一方で、負けるということぐらい、みじめで悲しいことはない。
ただし、負けた場合には、反省がある。なぜ負けたのか、
なぜ失敗したかを見きわめて、新しく自分を展開して、
つぎに勝つための一歩を、踏み出して行けるのである。


これに対して、勝ったものは、名誉を手にして、
大いに得意になってしまう。仰々しく振る舞ってしまうことがある。
そうなると、いままで勝利を祝ってくれていた人たちが、
陰で悪口を言うようになるのである。


勝っても、謙虚であれば、
さらにもう一歩前進していく若々しい気持ちも生じてくる。


横綱になって、急に威厳を示す力士もいれば、
横綱になっても偉ぶらない力士もいる。
そんな謙虚な横綱を見ていると、
春風のなかで和やかな日光を浴びて咲いている
さくらの花を見ているような気持ちになる。
勝っても誇らない人は、美しい。



「老子・荘子の言葉100選」より抜粋

21:46, Tuesday, Mar 24, 2015 ¦ 固定リンク ¦ 携帯