「黄ばみのきつい古いスーツ」2/7(金)
見事に黄ばんだ古いスーツが広島のS屋さんから
送られてきました。S屋さんかぁ・・・懐かしい。
高校の時でしょうかあ、当時はアイビー(VAN)ブームで、
ボタンダウンに紺ブレ、コードバンドにコインローハ
ーなど、バイトしたお金をコツコツためてはワクワクでS屋
さんに通ったことを今でも思い出します。当時S屋さんは、
アイビー小僧の憧れの的でしたからね。

さてさて、そのS屋さんから送られてきた黄ばみのきつい
古いスーツを見てみますと、特にパンツは前も後も全体に
まんべんなく黄ばんでいました。

こういった古い品物は見た目よりも結構生地が傷んでいる
場合があります。ですから、まずは生地を伸ばしてみて、みし、
みし・・・という音がすると要注意。洗浄時にぼろぼろになって
しまうリスクがあります。なので、ちょっと引っ張って「・・・・・」
大丈夫のようです。
それと、汗や汚れが残って黄ばむ場合は、部分的に黄ばみ
がきつかったり、ムラがあったりするものなのですが、今回の
古いスーツように全体が均一に黄ばむのは珍しいです。
蛍光灯のヤケだったら光が当たってる場所と当たってない
場所とで差がでますが、多分このスーツは湿気によって長い
時間をかけて徐々に酸化されて黄ばんでいったものだと思い
ます。
また、ジャケットの黄ばみが少ないのは、パンツは保管され
て履いてなかったのでは?ジャケットは時々着用されていた
のだと思います。襟袖の裏側には黄ばみと共に結構キツイ
皮脂汚れがありますから・・。などとあれこれ推理するのも、
楽しみの一つです。素材は麻100%。

「へぇ~~」取扱いタグをみると、オンワードが製造したもので
すが、オンワードがライセンス生産をしていたのは7〜8年前
までですし、生産者記号もC-OS-・・・ではじまる1998年以前
の表記方法ですから、やはりかなり古いスーツです。
こういった古いスーツ(生地)の古いきばみのシミなど、生地の
色も動かしていて、洗浄、特に漂白しているといつの間にか
白っぽく色剥してしまうから、まず慎重にテストしてからの作業
となります。
テスト結果はオッケー。それから本格的な黄ばみの除去作業
の工程に入っていきます。黄ばみを取るには漂白が一番です
が、その前に全体を覆っている油分をドライクリーニングでまず
は落としていきます。
これは油分を除去しておかないと、漂白もあまり効果がないか
らなのです。その際、黄ばみを軽減する効果のある過酸化水素
を含んだ薬剤を全体にスプレーしておきます。
軽い黄ばみの場合はこの工程だけで黄ばみが除去される場合
もありますが、今回は少し薄くなればいい程度だと思います。
ドライから出たスーツは乾燥させて漂白剤に漬け込みますが、使
うのは衣類を傷めないプロ用の中性の漂白剤です。

まずは45度くらいのお湯に漂白剤を入れスーツを漬け込んで、20分
程度漬け込んで様子を見みます。
「よし・・」これで上着は黄ばみがほぼ取れましたが、パンツは元々の
黄ばみが激しかったのでまだかなり残っています。それで、パンツは
もう20分程度漬け込みます。
この間に上着は人体整形乾燥をして乾燥させます。
そして20分後、パンツを取り出して濯ぎ、乾かしてから上着と比べて
みると、まだまだパンツの方がかなり黄色さが目立ちます。しぶとい!

それで、さらに20分程度パンツを漂白に漬け込むことにしました。ここで
裏ワザのアンモニアを二滴ほど漂白剤に入れます。これはアンモニアに
よって中性の漂白剤がアルカリ性に変化し、黄ばみが分解されやすくな
るからです。
こうして、上着は20分、パンツは様子を見ながら合計約60分漂白剤に漬
け込んで、やっと上下で着てもおかしくないくらいまで黄ばみが除去され
ました。

ジャケットやパンツの裏表の汚れや黄ばみをまんべんなくチェックして、
「よしっ!オッケー!」納得した綺麗さに戻りました。この後はシリコーンドライ
(トリートメントコーテング)で風合いと光沢感を甦らせて、ジャケットとパンツ
の裏かけ(プレス)後に、表の機械プレス、ハンドブレスと本来の姿に仕上
げていきます。
そう言えば明日関東地区は10年ぶりの大雪だそうですよ。
広島、東広島市は45センチの積雪だって?へえ・・・・。

明日、千葉はどうなんやろ?
今のところ、雪はまったく降っていませんが、明日の早朝から降り始めよ
うです。
僕のお寺は東広島市の志和町という盆地の田舎にありますから、もはや
かなり雪が積もっているはずです。だいだい冬場は雪深い場所なので、
少々の雪には驚きません。また車の運転もスタッドレスさえあればなんて
ことはありません。
ただ、この千葉はカリフォルニアみたいな場所ですから、雪にメチャクチャ
弱いです。だから会社のみんなは「雪だぁ・・・」と心配しますが、僕は逆
に子どものころに戻ったようにワクワクして車を運転したくなります。
あ・・・スキーいきたい。そういえば仕事仕事で長年行ってないものなあ・・・。
来年あたりは長野の今井くんの実家に泊まって、みんなでスキーもいいで
すねえ。
そんなことをあれこれ考えながら、とにかく、黄ばみのきつい古いスーツ
は綺麗に復元できました。
今年のテーマは「来たものはすぐに打ち返す」。やることしっかりやって
良い結果を出せば気持ちいいです。
そうやって今に全力を注いで生きていれば、明日は明日の風が
吹くでオッケー。今日も納得した一日が送れました。
ありがとうございます。
生かしていただいて ありがとうございます
送られてきました。S屋さんかぁ・・・懐かしい。
高校の時でしょうかあ、当時はアイビー(VAN)ブームで、
ボタンダウンに紺ブレ、コードバンドにコインローハ
ーなど、バイトしたお金をコツコツためてはワクワクでS屋
さんに通ったことを今でも思い出します。当時S屋さんは、
アイビー小僧の憧れの的でしたからね。

さてさて、そのS屋さんから送られてきた黄ばみのきつい
古いスーツを見てみますと、特にパンツは前も後も全体に
まんべんなく黄ばんでいました。

こういった古い品物は見た目よりも結構生地が傷んでいる
場合があります。ですから、まずは生地を伸ばしてみて、みし、
みし・・・という音がすると要注意。洗浄時にぼろぼろになって
しまうリスクがあります。なので、ちょっと引っ張って「・・・・・」
大丈夫のようです。
それと、汗や汚れが残って黄ばむ場合は、部分的に黄ばみ
がきつかったり、ムラがあったりするものなのですが、今回の
古いスーツように全体が均一に黄ばむのは珍しいです。
蛍光灯のヤケだったら光が当たってる場所と当たってない
場所とで差がでますが、多分このスーツは湿気によって長い
時間をかけて徐々に酸化されて黄ばんでいったものだと思い
ます。
また、ジャケットの黄ばみが少ないのは、パンツは保管され
て履いてなかったのでは?ジャケットは時々着用されていた
のだと思います。襟袖の裏側には黄ばみと共に結構キツイ
皮脂汚れがありますから・・。などとあれこれ推理するのも、
楽しみの一つです。素材は麻100%。

「へぇ~~」取扱いタグをみると、オンワードが製造したもので
すが、オンワードがライセンス生産をしていたのは7〜8年前
までですし、生産者記号もC-OS-・・・ではじまる1998年以前
の表記方法ですから、やはりかなり古いスーツです。
こういった古いスーツ(生地)の古いきばみのシミなど、生地の
色も動かしていて、洗浄、特に漂白しているといつの間にか
白っぽく色剥してしまうから、まず慎重にテストしてからの作業
となります。
テスト結果はオッケー。それから本格的な黄ばみの除去作業
の工程に入っていきます。黄ばみを取るには漂白が一番です
が、その前に全体を覆っている油分をドライクリーニングでまず
は落としていきます。
これは油分を除去しておかないと、漂白もあまり効果がないか
らなのです。その際、黄ばみを軽減する効果のある過酸化水素
を含んだ薬剤を全体にスプレーしておきます。
軽い黄ばみの場合はこの工程だけで黄ばみが除去される場合
もありますが、今回は少し薄くなればいい程度だと思います。
ドライから出たスーツは乾燥させて漂白剤に漬け込みますが、使
うのは衣類を傷めないプロ用の中性の漂白剤です。

まずは45度くらいのお湯に漂白剤を入れスーツを漬け込んで、20分
程度漬け込んで様子を見みます。
「よし・・」これで上着は黄ばみがほぼ取れましたが、パンツは元々の
黄ばみが激しかったのでまだかなり残っています。それで、パンツは
もう20分程度漬け込みます。
この間に上着は人体整形乾燥をして乾燥させます。
そして20分後、パンツを取り出して濯ぎ、乾かしてから上着と比べて
みると、まだまだパンツの方がかなり黄色さが目立ちます。しぶとい!

それで、さらに20分程度パンツを漂白に漬け込むことにしました。ここで
裏ワザのアンモニアを二滴ほど漂白剤に入れます。これはアンモニアに
よって中性の漂白剤がアルカリ性に変化し、黄ばみが分解されやすくな
るからです。
こうして、上着は20分、パンツは様子を見ながら合計約60分漂白剤に漬
け込んで、やっと上下で着てもおかしくないくらいまで黄ばみが除去され
ました。

ジャケットやパンツの裏表の汚れや黄ばみをまんべんなくチェックして、
「よしっ!オッケー!」納得した綺麗さに戻りました。この後はシリコーンドライ
(トリートメントコーテング)で風合いと光沢感を甦らせて、ジャケットとパンツ
の裏かけ(プレス)後に、表の機械プレス、ハンドブレスと本来の姿に仕上
げていきます。
そう言えば明日関東地区は10年ぶりの大雪だそうですよ。
広島、東広島市は45センチの積雪だって?へえ・・・・。

明日、千葉はどうなんやろ?
今のところ、雪はまったく降っていませんが、明日の早朝から降り始めよ
うです。
僕のお寺は東広島市の志和町という盆地の田舎にありますから、もはや
かなり雪が積もっているはずです。だいだい冬場は雪深い場所なので、
少々の雪には驚きません。また車の運転もスタッドレスさえあればなんて
ことはありません。
ただ、この千葉はカリフォルニアみたいな場所ですから、雪にメチャクチャ
弱いです。だから会社のみんなは「雪だぁ・・・」と心配しますが、僕は逆
に子どものころに戻ったようにワクワクして車を運転したくなります。
あ・・・スキーいきたい。そういえば仕事仕事で長年行ってないものなあ・・・。
来年あたりは長野の今井くんの実家に泊まって、みんなでスキーもいいで
すねえ。
そんなことをあれこれ考えながら、とにかく、黄ばみのきつい古いスーツ
は綺麗に復元できました。
今年のテーマは「来たものはすぐに打ち返す」。やることしっかりやって
良い結果を出せば気持ちいいです。
そうやって今に全力を注いで生きていれば、明日は明日の風が
吹くでオッケー。今日も納得した一日が送れました。
ありがとうございます。
生かしていただいて ありがとうございます
■トラックバック
この記事へのトラックバックURL:/blog6/blog.cgi/20140207211640