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「『やりたくないは・・・…」6/20(金)
「『やりたくない』は、うのみにせずに本音を聞く」

ある子どもが、
バレエの発表会の主役に選ばれました。
さぞうれしいだろうと思ったのに、
子どもは「やりたくない」と言い出しました。


この子は何でも新しいことになると怖気づくんだから……と
お母さんは内心ため息です。
それでも、「子どもがやりたくないというのに、
無理にやらせることもできないし」と考えて、こう話しました。


「本当にやりたくないの?
だったら、自分から先生にきちんと話しなさい。
練習の都合もあるんだから、早く話さなきゃダメよ」


この対応、一見、子どもの自主性を尊重しているように見えます。
でもこれでいいのでしょうか?
「やりたくない」というのは、いわば表面の言葉です。
その奥にある気持ちをきちんと聞いてあげる必要があるのです。


「やりたくないわけを、お母さんに教えてくれる?」
「わからない」……ということも多いかもしれません。
「夕食の時までに考えておいて」などと時間をあげましょう。


さて、やりたくないわけは何でしょうか。
本番で失敗したらどうしようと不安だったり、
他の子をさしおいて目立つのが怖かったり、
厳しい練習についていけないことが心配だったり、
いきなり主役ができる自身がなかったり、
遊びの時間が削られるのがイヤだったり、
さまざまなわけがあるでしょう。
「そんなことはないわよ」と途中で口をはさまずに、
まずはその気持ちをしっかり聞いてあげます。


その上で、たとえば、「失敗したっていいんだよ」
と勇気づけてあげるとか、
「お母さんも最初の時は怖かった。
でも、やってみると意外とできちゃった」
というような体験を話してあげるとか、
「お母さんはあなたの舞台がみたいなあ。
主役に挑戦するのはとてもいいことだと思うなあ」
と考えを言えばいいのです。


もちろん、決めるのは子ども自身ですが、
ちょっと不安なことでも挑戦していけるように
勇気づけてあげたいものです。


挑戦せずにやめてしまえば、
不安なことに緊張することもなく、
遊びを我慢することもなく、
平穏無事に暮らせるかもしれません。


けれど、不安なことに挑戦して一生けんめいやった体験というのは、
子どもにとって、何事にも代えがたいものになるでしょう。


「子どもの『くじけない心』を育てる本」より抜粋
dgh

22:47, Thursday, Jun 19, 2014 ¦ 固定リンク ¦ 携帯