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「天下は神器なり、為すべからず(老子29章)」
「神器」を汚した天罰はあと二、三百年後に下る

世界は、一つの不可思議な器であるから、
人間の「善悪」の考えでことをなそうとしても、
結局は、どうすることもできない。


この天地自然、大宇宙の活動には、
人間の頭で考えた「善悪」の考えなど、一つもない。
是非・得失・順逆・プラス・マイナスの数字、
そういう人間の心を悩ませるような分別や計算は、まったく、ない。
「不可思議」な力とは、それをいうのである。


宇宙にはかけがえのない生命がたくさん存在している。
この貴重な地球を、もう少し、あるがままに捨て置くことは、できないのか。


あらゆる民族が、自分たちの利益のために競い合って、
ひとりよがりの正義を勝手につくっては、あそこでも、
ここでも、戦争をくり返して、五千年……。


このやっかいな人間の頭にだけある「善悪」や
「プラス・マイナス」の考えが産む競争心が、
世界の平和を建て前にして、
ひっきりなしに戦争をしつづけて、
住みにくい地球にしてしまったのだ。
「神器」を汚した天罰である。


「老子・荘子の言葉100選」より抜粋

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20:04, Friday, Mar 20, 2015 ¦ 固定リンク ¦ 携帯