「ドレスシャツの汚れと吹雪」2月9日(日)

昨日の君津は凄い吹雪でした。
スタッフのみんなを4時には帰らせて、このままでは身動
きできなくなると感じたので、ミニクーパーでトロトロ運転で
子安庵(会社の社宅)に戻り、お腹がすいていたのでスタ
ッドレスをつけた社長の軽のワゴンで「とんでん」にお寿司
を食べに行きましたが、外が吹雪のために誰もいない。

「僕たちだけやなあ・・」広いフロアーの窓側に座り、まるで
北海道か東北の様な外の吹雪のすさまじさを横目で見なが
ら、「こういう日は温かいものに限るわい」と、久々にもつ鍋と
お寿司を腹いっぱい食べました。

その後「腹いっぱいになったなあ。こりゃあ早く帰らないとえら
いことになるなああ」と恐る恐る吹雪の中を子安庵に帰ってい
ましたが、なんともう少しで到着という時に、少し上りの坂道で
タイヤがスピンをはじめて立ち往生。

バックしても前に出てもにっちもさっちもスピンして動きません。
結局、四駆のエルグランドのまっちゃんと、四駆のデリカの敏くん
を呼び出して、障害を持っている社長をまず子安庵に運び、後は
二人に軽のワンボックスを後ろから押してもらいながら、なんとか
帰ろうとしましたが、やはり途中でまたまたタイヤがスピンして立
ち往生。

「もうええ。この軽じゃあ無理や。おいて帰るのが懸命やなあ。」結
局、道路の片側に車を移動させて子安庵に歩いて帰りました。
その時、夕方の6時過ぎぐらいで20cmぐらいの積雪でしたので、
「20年ぶり大雪が降るよ」という情報は本当でした。

そして現在、社長の軽はいまだ道路の片側に放置されたまま。陽
が出て、雪が解けないとどうにも動けせませんからね。

外は日が照り始めましたが、まだまだ道路は雪ですっぽりと覆われ
ています。だから、今日はまるで正月のように朝から子安庵にこもっ
ています。
ということなので、「それじゃあここで作業するか」。昨日撮影しドレス
シャツの洗いをまとめることに致しました。
さて、今から8年ぐらい前でしょうか、セレクトショップやブランド
ショップとのお付き合いが始まったころ、「ここまで汚れた洋服
を本当に着ていたのか?」というような衣類がよくやって来たも
のです。
これは、多くはショップのスタッフさんたちの洋服で、「クリーニ
ングに出すと着れなくなって戻ってくるから出せない。」という理
由によるものでした。
それをきれいにして喜んでもらい、それがお客様にも広がっての
今があります。

ちょっとこの写真では分かりにくいですが、このドレスシャツは全
体的にものすごく黒ずんで汚れています。特に衿袖は真黒です。

今回のドレスシャツ2枚も汚れはかなりのものでした。
洗わずにずっと着ていたのだろうと思います。

これはもう一枚のドレスシャツ。
やはり全体もそうですが衿袖が凄い。

こういう品物の特徴として、汚れてはいるけれどその割に傷み
などは少ないです。
それだけ大切にされていたのでしょう。
1枚のシャツの方にはワインのようなシミもあります。

こうした強い汚れがある時にはまず、洗剤の付けてしばらく置きます。
そのうちに洗剤が馴染んできて汚れが取れやすくなってきます。
これを中性の漂白剤に漬け込みますが、汚れやクスミの程度がかなり
強いですから温度は高めで55度。白い生地で色落ちなどの心配もない
ので、時間も長めに3時間漬け込んでみます。

これで取り出してみましたが、まだまだ全体にくすんでいます。
こういう時に使うのがハイドロサルファイトという還元系の漂白剤です。
白いもの専用の漂白剤で、色柄物に使うと簡単に色が飛んでしまいま
すが、白いものの黄ばみやくすみには強力です。
これを55度のお湯に溶かして1時間ほど漬け込んでみます。

還元系といのはどういうことなのかよくわからない感じがしま
すが、要は、自然のものはほとんどが、そのままでは酸化して劣化する
方向に向かっており、シミなども酸化して黄ばみとなって取れなくなって
いきます。
それを元に戻る方向に向かわせるのが還元ということで、酸化して頑固
になったシミを、水に溶けるように変化させて洗い流すのが還元漂白です。

ふうむ。かなりきれいになりました。

これで取り出してみると、今度は始めとは見違えるくらいきれいに
なっています。

衿もきれいになっています。

ワインのシミも無くなりました。

これなら、また新しい気分で着てもらえます。
ということで、「今日の仕事終わり」と思って子安庵に帰って、
社長と夕食を食べに行って・・、吹雪の中で、そんなことになり
ました。
やっぱ、こんなときは四駆がいいですねええ。つくづく感じた昨
日の夜でした。

※今日は昨年結婚した長男好法の誕生日です。
生まれた時も大雪でした。思い出すなあ。
生かしていただいて ありがとうございます。
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