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「類友の法則」12/19(土)
ドライ仕上げ10分、ウォータークリーン仕上げ60分、
6倍の手間暇と技をかける価値(松はじめブログ)より転載



「俺たちは馬鹿だから、ただプレスしてるだけですよ。
しっかりプレスしていかないと、服はゆがんでいく一方だから、しっかりと直してあげる。
恐らくね、他店でここまでこだわってやっているとこはないんじゃないかな。
うちはウォータークリーニングを専門でやってるんで、生地に合わせた手入れが出来ます。
洗い方からプレスまで、どこまでやったらNGなのか知ってますし。
ノウハウがあるから、
その点で、安心して預けて頂けると思う。


大切にしているのは、教えてもらったことはやってみること。
例えそれが100%でなくても
60でもやってみるんですよ。
そうするとかなり変わってくる。


やってることは変わらないんじゃないかな、
ただ、それをどこまでやるのか。


だって水で洗えば、膨らみなんかができちゃうのは当然でしょ。
それを綺麗に治してわたすしかないもん。
仕上げはね、納得するまでやりますよ、
うちは振り切ってやってるから(笑)」


この日インタビューしたプレスマンの及川さんは、
すいすいと髪を切りながらユーモラスに会話する美容師のように、
重厚なアイロンたちとともに語ってくれました。


「スーツや衣服のね、復元がテーマなんです。
洋服を見て、最善なクリーニングやケアを施す、
それがウォータークリーニングです。
作者の意図を尊重して、全体的なフォルムを崩さず、
汗抜きしたり、汚れ落とししたり。」


そう語るナチュラルクリーンの中田代表からは、
クリーニング工房の代表っぽさを微塵も感じさせず、
むしろデザイナー、アーティストといった空気を感じざる得ません。
それもそのはず、代表自身が服が好き、自分の服だったらどう仕上げる?
がベースなんだそう。


ここには、イタリアのブリオーニや、ゼニアのスミズーラなど、
いわゆるクリーニング店泣かせのスーツが本当に次々と入荷してきます。


スーツやタキシードのオーダーの仕事をしていると、
どうしても避けて通れないのがスーツのケア、そしてクリーニングで、
ボットーネもお客様から相談を受けます。


そうして突き詰めていくうちに、
ナチュラルクリーンというクリーニング工房にたどり着き、見学。
今ではお客様から私たちもナチュラルクリーンの
ウォータークリーニングを承れるようになりました。


ナチュラルクリーンでは、洋服が入荷した時点で、単純には洗いません。
とにかく回転率を上げてスピード勝負の、
一般的な工場で行うドライクリーニングとは考え方が違うようなのです。


ウォータークリーンというと、
とにかく水でじゃぶじゃぶ洗う印象がありますが、それも違います。
これは正直我々も驚きでした。
確かに、
なんでもかんでも水で洗えばいいってもんじゃない。
それではただの洗濯です。


汚れの具体はどうか?
例えば戦闘服としてのスーツであれば、99%シリコーンドライ→水洗いとなります。
ですが、素材によっても具合によっても違うのだそう。


「まったくといっていいほど汚れてないシャネルを水に入れ、洗う、
裏地は水の影響で伸びて、それを徹夜でプレスで復元する、
そのようなことが4年前まではありました。」
とは、ウォータークリーン創業期メンバーで
ケアの達人としてメンズEXでもおなじみ、松村氏。


だからナチュラルクリーンでは、
まず水をどう使用するか?を決めてからスーツケアを進めます。
全体を水で丸洗いした方がいいのか、それとも、とにかくスポッターで
衿や脇などの汗を抜いた方がいいのか。
あるいは、内側からスチームを噴射し、外側からは抗菌・消臭効果の
ある水を多量に噴霧して、汚れを飛ばした方がいいのか。
または、シワができないように、ハンガーに吊るしたままで全体を水で
洗い流した方がいいのか・・・・。


ただ汚れを落として清潔にするという視点ではなく、服飾製品のデザイ
ン性、機能性の維持と復元というテキスタイルケアの視点で見ると、洗
浄だけでなく、繊維、染色、加工に関する知識と技術が必要です。
どういう方法を選びとって最適のケアを行っていくかは、これまでの、失敗
し、学び、仮説と検証を繰り返している経験の束が織りなすのでしょう。


この時点でもスバ抜けているわけですが、
実は、肝心なのはプレスです。


洋服の要はフィッティング、パターン、縫製、そしてプレス。
そして、洗った後のプレスはどうしても避けて通れません。
ここが、クリーニング店の真価が問われるところで、
ウォータークリーンの一番の強みは、プレスでしょう。


そもそも、
一般的なクリーニングはドライクリーニングが中心で、溶剤で汚れを落とします。
しかし、実はこの方法では、汗などの水溶性の汚れは落とすことができません。
そこでナチュラルクリーンは水を併用する。


しかし、洗濯機に入れた洋服を想像するとわかるように、
こうした方法でスーツを水で洗おうものならば、大きく型崩れしてしまいます。
一旦崩れた型を元に戻すには、仕立屋のような一流のプレスマンが必要となり、
そのため日本でナチュラルクリーンのようなプレス技術のあるクリーニング店が希少なのです。


千葉県君津市にある小さな工房には、
ズラリと大手縫製工場に並ぶマシンと腕利の職人。
「やっぱり地の目、地の目は服の設計図です。
だから徹底的に見ます。どうしても、シワのある服なんて納品できないから。」


そう語ってくれた前出の職人、及川氏は、
この日、黄綬褒賞受賞の鈴木洋服店鈴木誠治氏の監修の元、
技術向上へのあくなき探求を続けていらっしゃいました。


この日インタビューしてわかったのは、及川さんが特に大切にしているところが、
地の目。
地の目とは、まさに服の設計図、これが崩れると服の形がゆがむ。
クリーニング店でこれを読める人はまずいないのではないでしょうか。
今日も、鈴木先生に直接ご指導して頂きながら、作業が進みます。


ドライクリーニングであれば、
溶剤管理をしっかりやっていれば、洗うことによる洋服の型崩れはほとんど
起こりません。
ですから、生産のスピードを上げようと思えば、アイロンやプレス機を使って
形を整えながらプレスをしなくても、トンネルと言われる蒸気が両方から出て
いく機械に通してシワを取れば、一応の仕上がりにはなります。
ただ、小ジワはとれてもさすがに着用中に崩れた地の目が治っていることは
少ないのだそうです。


何度も着て、ゆがんでしまった服。
なんと販売されている服で、
最初からゆがんでいる(地の目が通ってない)服もあるようです。
それを、元の状態を空想して、どこがどうゆがんだのか、と考えながらのプレス。


例えば、胸から肩にかけて地の目がゆがむと、
胸周りが凹んでしまい、ボリュームが損なわれます。
これは着用していくと自然に起きてしまいます。
ここをしっかりケアしてあげることで、
肩周りが動きやすくて、胸のボリュームが復元します。


しかも骨格が影響してか、
なかなか戻らない服もあり、
不可能なんてない!挑戦だ!どうしても妥協できん!
そんな勢いが伝わってきます。


時間のかかる、身頃と袖の裏地と表地のプレスは、
ただただ一人のプレスマンの手作業。
どうやら、大切なのは指の感覚。
何せ、袖のいせ分量に偏りがないように、
と見えないところをきっとこうだな、と仮説を立てながら進めるのですから、
相当繊細なセンスが必要なのです。


ここでは、普通プレスしない裏地までもケアを行います。
「袖の裏地は特に難しいんです。
袖裏は機動性重視のためゆとりが多いですからね、調整するのが大変なんです。
ナチュラルクリーンに来て、
こういう細かな作業は逆に勉強させてもらっているんですよ。」と鈴木先生。


「完成品に対してのプレスっていうのは難易度は高いです。
僕らはパーツの段階でプレスしますから。
我々仕立屋は裏のシワまで考えない人間もいるけど、
クリーニング店であればそうもいかない難しさがありますよね、
やっぱり、ここはプレスがすごいね。」


服を理解して、
いかに元のフォルムに戻すか。

1着、また1着、
手作業での復元。
この細かな工程の一つ一つは、ほぼ洋服作り。
プレスがナチュラルクリーンの一番の武器でしょう。

                          転載終了



ボットーネの松くん。彼は本当に心底お客様のことを考えて
ビジネスをしている希少な人です。

言葉で良いことを言うことは実に簡単なことですが、
実際に現場で自分の我を捨てて利他的な行動ができるかというと、
これがとても難しい。

ただ、彼は模索しながらも真摯にそのスタンスを守ろうとしています。
その情熱と素直さがうちとピタッときます。

彼の大きな夢の一つに、「松はじめのフィッター学校」と「(仮)ボットーネ」の
フランチャイズ全国展開があります。

当然、彼はギラギラ脂ぎったビジネスマンではありませんので、
募集をかければ彼の理念やビジョンに共感する目がキラキラした服好き、
スーツ好きでオーナー&フィッター希望の若者たちが自然と集まってくることでしょう。


その若い人たちをスーツのコンシェルジュとしてボットーネが現場で育て
一定のカリキュラムを終了し、松くんが修了証書を与えれば、
オーナーの故郷でボットーネのフランチャイズ店として
自立させていくというスタンスではないかと思います。これはあくまで
私の予測です。


ボットーネは、一般的なテーラーとは少し異なっていて
ブライダルが中心ですから、当然、全国のフランチャイズ店もブライダルが
中心となるのでしょう。

と共に、
ボットーネとネットワークのある7つの縫製工場で好みのパターンオーダー
のスーツも作れる。

さらに
クリーニング&メンテナンスサービスとしては、うちと組んでいるわけですから
スーツやレザー等のウォータークリーニング&メンテナンス&安心保管で
お客様のリピーター化、囲い込みもしっかりできる生涯顧客構想です。

この学校に入校した若者たちは、そのために
洋服の勉強と共にクリーニングやメンテナンスやケア知識や
技術を学んでいくわけです。

また、実際にフルハンドの手縫いを志す人は、
「現代の名工」鈴木研二さんのもとで学ぶという専門コースもあります。

当然、彼らがオーナー兼店長のボットーネ全国各店舗は
ウォータークリーニングの取扱店にもなっていくわけです。


実は、今て゛アパレルの若い人たがうちの会社に沢山
研修に来ました。そして感動し、ケアの大切さを学び、各店舗帰っていきました。
現在も、そういった若いスタッフや各店舗店長からのお客様の紹介は多いいです。
ただ、それで終わり。お付き合いは花火みたいな一過性で終わってしまいます。

松くんが目指しているものはそうではないと思います。

一生お付き合いしながらサポートし、とにかく若いオーナーさんたちに
夢や希望を与え、人間性の育成を目指し、現実的にはスーツのコンシェルジュ
として日々進化成長していける理想を常に目指すネットワークの構築です。

そういうワクワクするような軽くて情熱的なエネルギーのネットワークが
全国にできれば楽しいですよね。



彼はそれを目指してる。
私もそれには大いに共感し協力するつもりです。
類友の法則ですからね。

オーダースーツコンシェルジュ・松 はじめの着こなし方ブログ
http://matsu-hajime.livedoor.biz/

スーツ研究所
http://suit-laboratory.bottone.jp/

松 はじめのありのままブログ
http://bottone.jp/category/bottone-ceo

10:29, Saturday, Dec 19, 2015 ¦ 固定リンク ¦ コメント(0) ¦ コメントを書く ¦ トラックバック(0) ¦ 携帯

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