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「自分を表現する」 12/17 (火)
 自分自身と、それ以外のもの、家族・友人・先生・
世の中の人々をつなぐのは、お互いの理解です。
お互いに相手のことがわかってはじめて、関係が始まります。



その関係を良好なものにするのが、コミュニケーションです。
さまざまな相手に対する働きかけがあってはじめて、
まわりとより良い関係を持つことができるのです。
すべては、自分を表現することから始まります。


 最近の子どもの心配な特徴のひとつに、
コミュニケーション能力の低さがあげられています。
子ども同士の人間関係上の問題が、
ときに悲惨な結果を生む要因のひとつなのです。


 私たち親は、子どもが世の中と良好な活計を築くに充分な
コミュニケーション能力を、子どもから引き出すことが大切です。
子どもに表現させることです。


 ある日の夕方、電車の中での出来事です。
荷物をいっぱい抱えたお母さんが、4歳くらいの
女の子を連れて乗ってきました。


 女の子が、お母さんに向かって駄々をこねるような音を発します。
さすがお母さん、それが何を意味するかが分かるようです。
さっと飲み物が入ったペットボトルが出てきます。


 しばらくすると、お母さんは何も言わずに、
彼女のペットボトルを取り上げます。
まもなく彼女は、また例の駄々をこねるような音を発します。
すると、これもさすがお母さん、袋から飴を取り出して、
彼女の口に入れます。言葉を使わなくても、
子どもが求めているものがわかるのです。


 しばらくおとなしい彼女。
そしてまた、彼女の口から例の音が発せられます。
お母さんはまたペットボトルを与えます。
ここで一言二言、二人は言葉を交わします。
安心します。彼女は言葉を話すのです。


 この様子を見ながら、私はある週刊誌の取材を思い出しました。
「会話が続かぬ子ども」というタイトルで、最近の子どもの
コミュニケーション能力が問題だ、という内容の記事に
コメントを求められました。子どもに何を聞いても
答えは単語だけで、自分の感情を伝えられず、そして、
突然キレてしまうというのです。


 子どもが言葉ではなく音で何かを求めたときに、
「何が欲しいの?」と言葉を使うことを求めれば、
舌足らずながらも言葉で表現します。
それは、子どもが片言を話し始めたときから始まります。


 ところが、毎日一緒にいる母親は、「うー」とか「あー」と
いう音だけで子どもが何を欲しているかがわかってしまうので、
あえて言葉にさせるという面倒なことをしなくても用が済むのです。
言葉を使わない子供の出来上がりです。


 言葉を使わなくても相手を感じ取るのは、
大変重要な能力です。ところが、それに頼ってしまうと、
子どもは話すことで自分を表現することを学べません。
親子の間ではそれでよくても、一歩外に出れば
言葉なしでは意思疎通は図れないのです。


 たとえ親子の間でも、子どもが大きくなるにつれて、
言葉のないコミュニケーションは難しくなります。
言葉は、人類に与えられた意思疎通のための最高の道具です。
その道具をうまく使えるかどうかは、ひとえに育った環境で
どのくらい表現することを求められたかによるのです。


 わが家でも子どもが小さい頃、言葉を使わず何かを要求したり、
何かが気に入らないとぐずぐず泣き出したりすることがありました。
そんなときは必ず、「なぜ泣いているのか教えて」と
言葉を使うことを要求しました。
なんで泣いているかの想像はつきますが、
あえて言葉での説明を求めました。


 世の中と良好な関係を築くために、
コミュニケーション能力を子どもの中に育てたいと思えば、
察しのいい親ではないほうがいいようです。
察しが悪く、「何ですか?」「あなたの意見を聞かせて」と
言葉による説明を求めるとき、子どもは親を理解させようと
言葉を駆使します。そして、話し始めたら、
さえぎらずに耳を傾けることです。
大きくなった子どもに対してもやることは同じです。
言葉での説明を求めることです。

「子どもの心のコーチング」より抜粋
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12:03, Tuesday, Dec 17, 2013 ¦ 固定リンク ¦ コメント(0) ¦ コメントを書く ¦ トラックバック(0) ¦ 携帯

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