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「お金の持ち出しは……」 5/8(木)
「うちの子は、お金を盗むんです」
と青くなって相談してくるお母さんがいます。


 小学生ぐらいの子どもの場合、
盗むといっても、お母さんの財布からちょっと
お金を拝借していくぐらいのものです。


 もちろん、これは単なる「失敗」ではなく、意識的な行動です。
何も言わずにお金を拝借していくのは、悪い行いです。


 ただし、よく聞いてみると、お母さんの方も
改めたほうがよい点が見つかることが多いのです。
何回そういうことがあったのか、
いくらぐらい持ち出したのか、
ほとんどの場合ははっきりしません。


 最初のうちは気づかずにいて、なんだかお金が少ないのでは、
ということがたび重なるうちに、いよいよおかしいと思って
問い詰めたら「白状」した、というわけなのです。


 つまり、子どもが簡単に手を伸ばせるところに財布がおいてあり、
いくら入っているのか、お母さんはほとんど覚えていない、
ということです。ちょっと持ち出してもわからなければ、
子どもはまたやりたくなります。


 黙ってお金を持っていってはいけないんだよ、
と教えることは大事です。
また、子どもは自分で稼いでいるわけではないから、
友だちにおごったり、お金の貸し借りをするのは
いけないんだよ、と言い聞かせることも必要です。
けれど同時に、お財布の管理を考え直したほうが
よいのではないでしょうか。


 さて、いったい、何の目的で、
子どもはお金を持ちだしたのでしょう。
高額なものを買うため、ということはまずありません。


たいていの場合は、友だちにちょっとしたお菓子をおごったり、
みんなの読みたがる雑誌を買っては貸してあげたりしているのです。


 子どもの世界でも、お金を持っているということは
パワーになります。それまで相手にしてくれなかった友だちも、
お金があれば自分のまわりに集まってきたりするのです。
これで味を占めた子どもは、いつもお金を持っていようとします。
いわば、ワイロで友だちを釣っているわけです。


「お金で釣って友だちになるんじゃなくて、
あなたの魅力で友だちになってくれる人がきっといるはずだよ。
そんな本当の友だちを、どうすれば見つけられるかなあ」
こうやって、一緒に考えてあげるとよいと思います。


 ところで、お金を持ちだした罰として、
「もうおこずかいはあげないよ」なんていうのは考え物です。
子どもには子どもなりのおつきあいがあります。


自由になるお金がまったくないのでは、かわいそうです。
むしろ、あげたおこずかいの中で上手にやりくりすることや、
足りなくなったら交渉すればいいのだ、
ということを教えてあげるべきです。


 「きちんと話して頼めば、あげるかもしれないよ」
と言っておけばいいのです。状況によっては臨時に
出してあげよう、ということもあるでしょう。


 おこづかいを増額することもあるでしょう。
あるいは、」お金が欲しかったら家の手伝いをしなさい、
というしくみにしてもいいかもしれません。


 黙って持っていくのではなく、
「こういうわけで、お金が必要だからちょうだい」
ときちんと言えることが大切です。


「子どもの『くじけない心』を育てる本」より抜粋


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18:09, Thursday, May 08, 2014 ¦ 固定リンク ¦ 携帯