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「三日坊主を克服する質問術」 5/19(金)
「この子は飽きっぽくて、何をやらせても続かないんだから」
そんな悩みを抱えるお母さんは多いようです。
しかし、「一度始めたものは続けなさい」といくら叱っても、
そう簡単に言うことを聞くものではありません。

 子どもが「剣道、やめたい。先生が厳しすぎるんだ」と
言い出したとしたら、あなたならなんと言いますか。


「去年始めたばかりじゃないの。物事は続けなくちゃダメなのよ」
「高い防具を買ったばかりなのに、
もったいないから、もう少し行きなさい」
あれぐらいの練習でへこたれてどうするの」
……ちょっと待ってください。


「やめたい」「先生が厳しい」というのは、いずれも表面の言葉です。
そこにこだわってあれこれお説教をする前に、
その奥にある気持ちは何なのか、きちんと聞いてみましょう。


 「どんなふうに先生が厳しいの?」
「素振りばっかり50回もやらなければいけないんだもん」
「そうか、50回素振りをやるのが大変なんだ」
「僕、30回までならいいけど、そのあとはフラフラなんだ。
でも先生はやれって言うし。そんなの無理だよ」
「そう、無理なの」
「全然できないわけじゃないけど、
あんなことやっても強くならないよ。
もっと打ち合いがしたい」
なるほど、素振りばっかりやらされて、
イヤになっているようです。


 こうやって具体的な不満が出てくれば、
親としてヒントもあげられるでしょう。
「今、強くなっているお兄さんたちは、
最初のうちは素振りで鍛えたんだよ。
お母さんは素振りって、とても大事だと思うなあ」
「あなたはずいぶんと強くなっていると思うよ。
去年始めたときは、10回素振りをやるとハアハア言ってだけど、
今は30回もできるようになったんだから」


 やっていてなんか楽しいことがあるだ、とわかると、
子どもはやる気になります。
物事はすぐに華々しい結果が出るとは限りません。
ちょっとつまらない時があっても、
じっと粘るうちに成果が見えてくる。
これを体験するのは、これから生きて行くために
とても大切なことです。


もちろん、本当にやめたいのなら、やめたってかまいません。
人には向き不向きがありますから、途中で何かをやめること自体は
別に悪いことではないのです。それよりも大切なのは、やめ方です。


「ダメだったからやめた」「やろうとしたのに続かなかった」
というやめ方をすると、それまで通ったのは
無駄だったことになってしまいます。
そうすると、やめた後は何となくやる気が出ずにフラフラ……
ということになります。


剣道なら剣道をやったことで、自分がこんなふうに
進歩したというのを見つけられるようにしたあげることです。
背筋が伸びてキリッとした、防具を下げて通ったから
重いものを持てるようになった、
お腹から声が出るようになった、
雨の日も休まないで通えた……何でもいいのです。
「よくがんばったね」と言ってあげてください」


 それだけがんばったことは、自分の中で力になっているはず。
それを次に、どんなことを生かすのか、です。
「剣道をやめたら、次は何をしたい?」と聞いてみましょう。
親が選んであげるのではなく、子どもが決めることが大切です。


 スイミングを習いたいというのなら、
「剣道で今まで頑張ったんだから、スイミングでも
きっとがんばれるね」と勇気づけてあげましょう。


 別に習い事に限りません。勉強でもいいし、
何か自分の好きな趣味でもいいのです。
やめて何んとなく過ごすのではなく、
「その時間の分、自分はこんなことをしたい」
というものを見つけられるようにしましょう。


 剣道の先生には、子どもが自分で
「やめることにしました。剣道を習ったおかげで、
こんなことができるようになったので、
次にはそれを生かして〇○をします。
ありがとうございました」と話せれば一番です。


 先生もこう言われれば、
「今までよくがんばったね」と気持ちよく
送り出してくれるはずです。


「子どもの『くじけない心』を育てる本」より

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10:59, Friday, May 16, 2014 ¦ 固定リンク ¦ 携帯