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「後ろ向きになって……」  5/21(水)
後ろ向きになっているときは、「激励」より「気持ちの整理」が効く

 何かうまくいかないことがあって悩んでいる子供には、
つい手助けしたくなって、「こう考えればいいのよ」と、説得し、
前向きに変えようとしていませんか。


 たとえば、子供がサッカーの試合に負けた後で、
監督から「お前もっとこのへんに注意しろ」と名指しで言われ、
すっかり意気消沈して帰ってきました。


 お母さんにしてみれば、監督の注意を前向きに受け取って
努力すればいいことなのに、いつまでもうじうじ悩んでいる子供が
ふがいなく感じられることもあるでしょう。


 「あなたのせいで負けたわけじゃないわよ」
「監督はあなたにうまくなってほしいから言ってくれているのよ」
そうやって説得しようとするのに、子どもは「でも……」
「だって……」を繰り返しています。
最後にお母さんもキレてしまい、
「そんなに自信がないなら、もうサッカーなんかやめちゃいなさい!」
の一言が……。


 そんなことを言っていたら、何でもかんでも
「うまくいかなかった」とやめなければならなくなって
いくらやめてもきりがありません。
後ろ向きになっている子供を説得して前向きに変えようとするのは、
あまり効率のいいことではありません。


 誰だって、後ろ向きの気持ちになることはあります。
そんなときに、「そんな後ろ向きの気持ちではダメだ」
と言われても元気は出ません。
むしろ気持ちが整理できるまでつき合えばいいのです。


 人は「うじうじしていてはダメだ」と否定されると、
そんな自分をきらいになって、よけいにうじうじしますが、
そうやっていてもいいよと言われて安心すると、
いつまでもうじうじ暗くなっているのには飽きてしまうものです。
ですから、下手に励ますよりも、
うじうじにつき合ってあげたほうが早く気持ちはおさまります。


 あとは子ども自身がどうしたいかです。
本当にサッカーが好きで、その監督が好きならば、
「もっといいプレーができるようになりたい」
「今度は監督によくやったと言ってほしい」と言い出すでしょう。


 「じゃあ、どうしたらそうなれるかな?」と聞いてあげれば、
子どもなりに一生けんめいに考えるに違いありません。


 よし、今度はこんなふうに練習してみよう、
監督の言ったことをきちんと注意してやろう、
ここをどう直したらいいか、監督に相談してみよう……、
そうやって、やる気が出てくるのです。


 「こどもの『くじけない心』を育てる本」より抜粋

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06:34, Wednesday, May 21, 2014 ¦ 固定リンク ¦ 携帯