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「親の判断で学校を決めるより……」7/16(水)
「親の判断で学校を決めるより、子どもの選択を尊重する」

学校区を廃止する自治体も増えてきて、
地域によっては通う学校を選べるようになりました。
近くの学校が荒れているから、
ちょっと遠いけど評判のいい中学校にしようとか、
あるいは、公立は環境がよくないからという
理由で市立に行かせる場合もあるようです。


一番大切なのは、子どもがどうしたいか、だと思います。
近所の中学は評判がよくないけれど、
「友だちのサカモト君が行くから、僕もあの中学がいい」
というなら、基本的に子どもの選択を尊重すべきです。


「いいよ。友だちと一緒の学校に行くのはいいことだと思うよ。
ただ、あの学校には今、こういうことが起きているみたいだよ」
と情報を与えて、「それでも行く?」と確かめておけば
いいのではないでしょうか。


親の判断だけで子どものことを決めてしまうと、
何かうまくいかなかったとき、
「お母さんが言ったからそうしたのに」
ということになります。


子どもに少しでもいい環境を、というのは、
どんな親でも考えることでしょう。
いつもいい環境のなかだけにいられる
ことなんてありえないわけです。


親がいい環境を子どもに与えてあげられる間はいいけれども、
ずっとそれができるわけではありません。
子どもはやがて社会に出て行くのですから。
少しぐらい問題のある環境の中でも
やっていける力をつけることのほうが、
これからは必要かもしれません。
もちろん、子どもが「別の学校がいい」
「私立へ行きたい」と言うなら、それでいいと思います。


「私立に行ったとしても、近所の友達も大切にしようね
学校は別々でも、友だちでいられるんだからね」
と言っておけばいいでしょう。


私は、私立に行かせるのがよくないとは決して思いませんが、
その私立がよいからではなく、「公立がよくないから私立へ」
と言う考え方は、あまり進められません。


近所の公立だって、行かなければいけない子どもはいるわけです。
自分の子どもさえよければいい、と言う発想は危険だと思います。


むしろ、その学校に何か問題があるとしたら、
その問題をなくすために自分ができることは何か、
と考えて行動できるような子どもが、
これからの社会を生きていくのにもっとも
力のある子どもだと思うのです。


私立でたくさん勉強をしてエリートになってほしい、
と親が考えているとしたら、忘れてほしくないことがあります。
その能力を何のために役立てるのか、ということです。


本当のエリートと言うのは、
成績がいい人のことを指すのではありません。
社会のために自分の能力を
役立てることができる人のことを言うのです。
「自分の力を、どうやってみんなのために使うのか」
と言うことを、常に子どもに考えさせるようにしたいものです。


子ども時代にそれがもっとも身につくのは地域のつながりです。
家でのお手伝いももちろんですが、子供会の活動や、
ボーイスカウトや、地域の友達とのつきあいを通じて、
子どもは自分の力を社会のために
役立てることを学んでいくのです。


「子どもの『くじけない心』を育てる本」より抜粋


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05:11, Wednesday, Jul 16, 2014 ¦ 固定リンク ¦ 携帯