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「相撲道を守り抜く」12/3(日)
ここまで白鵬の増長を許したのは誰か

2017.12.01



果たして、ここまで白鵬の増長を許したのは誰なのか。
目に余る横綱白鵬の言動を見て、私はそんなことを考
えている。それほど読売新聞が昨日スクープした内容
は衝撃的だった。

〈日本相撲協会が30日午後に東京・両国国技館で開
く理事会で、横綱白鵬関(32)を注意することが分かった。

関係者によると、元横綱日馬富士の暴行問題で28日
に八角理事長(元横綱北勝海)が再発防止に向けて講
話した際、白鵬関は「貴乃花巡業部長のもとでは冬巡業
に参加できない」などと発言し、理事長から力士会など
を通して要望するようたしなめられていた。

 相撲協会は、白鵬関が九州場所千秋楽の優勝インタ
ビューで観客に万歳を要求したことなどについても経緯
を聞く方針だ。〉

わずか244字に過ぎないこの記事が伝える意味は重い。
理事長が今回の事件を受けて再発防止のために力士た
ちに対して「講話」という名の「訓示」を与えていた際、力
士の範を示すべき横綱が、こともあろうに「貴乃花巡業部
長のもとでは冬巡業に参加できない」という“ボイコット宣
言”をやってのけたというのである。

正直、唖然とした。大相撲も舐められたものだ、と思う。
日馬富士引退に至った「事件現場」にいて、これを止め
ることができなかった本人が、そのことを反省するどころ
か、開き直って、逆に巡業部長である貴乃花親方を「糾
弾した」のだ。すさまじい下剋上である。

しかも、協会トップの八角理事長は、この横綱の反乱に
対して「なにを言うか。おまえは自分が言っていることの
意味がわかっているのか!」と一喝もせず、「力士会な
どを通して要望するように」と諭したというのだ。

今回の日馬富士事件の原因がどこにあったのか、この
一事をもってその根本が想像できるのではないだろうか。

私は、10年前に起こった時津風部屋の新弟子リンチ死
事件(2007年6月)を思い起こす。親方も一緒になって
新弟子の少年にリンチを加えて死亡させた出来事は、
傷だらけの息子の遺体に不審を抱いた家族が大学病院
に解剖を依頼したところから刑事事件へと発展していった。

金属バットで殴り殺された息子の姿は見るも無残なあり
さまで、「稽古の後に急に亡くなった」という部屋側の説
明を鵜呑みにせず、少年の故郷の新潟大学病院に遺体
が運び込まれて「初めて明るみに出た」ものだった。

今回も、貴乃花親方が警察に被害届を出さなければ、
事件が隠蔽された可能性は大きい。貴ノ岩がモンゴル
の先輩たちに「おまえ、わかっているだろうな」とプレッシ
ャーを受け、さまざまなルートから口封じのためのアプロ
ーチを受ければ、「どうなるかわからなかった」からだ。

協会の隠蔽体質を知り尽くす貴乃花親方が、鳥取県警
に被害届を出して、「正当な裁き」(貴乃花親方)を求め
なければ、事件の真相は明らかにならなかったかもしれ
ない。

白鵬が感じたように「お前(貴乃花親方)がいらんことを
しなければ、こんなこと(日馬富士の引退)にはならなか
ったんだよ」というのは、事件を隠蔽したい側から見れば、
当然の怒りだろう。

前回のブログでも指摘したように、今回の出来事は、
モンゴル互助会の存在を抜きには語れない。真剣勝負
の系譜である貴乃花部屋の力士は、ガチンコ相撲が基
本で、そのために貴ノ岩は、モンゴル力士たちがおこな
う飲み会に参加することさえ許されていなかった。

鳥取城北高校出身の貴ノ岩が、同校相撲部の総監督
が経営するちゃんこ屋でおこなわれた親睦会に顔を出
したことが事件の発端だったことは報道されている通り
だ。しかし、普段、飲み会にも参加せず、自分たちにガ
チンコ相撲を挑んでくる貴ノ岩のことを白鵬や日馬富士
が気にいらなかったことは容易に想像がつく。

29日の引退記者会見で日馬富士が貴ノ岩への謝罪の
言葉を一切、口にしなかったことが私には印象的だった。
あの暴行が「礼儀や礼節を知らない」貴ノ岩への指導だ
ったという言い分に私は違和感を感じた。本当にそうな
のか、と。

また、モンゴル力士の草分けである元小結の旭鷲山が、
貴ノ岩の衝撃的なあの傷口の写真(医療用ホッチキス
で9針縫われた写真)を公開しなければ、日馬富士はあ
のまま引退を決断しなかった可能性もあっただろう。

旭鷲山は、昨日、モンゴルの大統領補佐官の職を解任
されたというから、真実を明らかにすることが、いかに勇
気が要ることかを教えてくれる。

そんな強固な絆を誇るモンゴル力士たちの“常識”から
すれば、今年初場所で、結果的に稀勢の里の「優勝」と
「横綱昇進」をアシストすることになる貴ノ岩の白鵬に対
する14日目の大金星は「あり得ないこと」だっただろう。

日馬富士の引退会見の席上、自分の指導の至らなさを
反省するでもなく、涙を流し、そのうえ、マスコミの気に入
らない質問をいちいち封じ込む傲慢な態度を示した伊勢
ケ浜親方の姿もまた、私は、今回の事件の本質を暗示
していると感じる。

「貴乃花巡業部長のもとでは冬巡業に参加できない」と
言ってのけた白鵬をその場で一喝できなかった八角理
事長や、弟子を指導できず、貴ノ岩や貴乃花親方への
謝罪もなく、恨みに固まった伊勢ケ浜親方と日馬富士師
弟の会見での姿は、「ああ、やっぱり……」という失望を
多くの相撲ファンにもたらしたのではないだろうか。

そして、増長させるだけ増長させ、何かが起こった時に
は隠蔽だけを考える相撲協会の体質こそ、こんな事件
がくり返される真の原因である気がする。野球賭博から
始まって八百長相撲が発覚し、場所自体が中止になった
あの痛恨の出来事から、まだ「6年半」しか経っていな
いのである。

白鵬は、九州場所11日目に嘉風に敗れた際に、「立ち
合い不成立」をアピールし、1分以上も土俵に戻らず不
服の態度を示し、ファンを呆れさせた。さらに、千秋楽の
優勝インタビューで「場所後に真実を話し、膿(うみ)を出
し切って、日馬富士関と貴ノ岩関を、再びこの土俵に上げ
てあげたいと思います」と言ってのけ、万歳三唱までおこ
なった。

加害者である日馬富士と、被害者である貴ノ岩がなぜ
「同列」にされなければならないのか。「膿を出し切る」と
いう「膿」とは何なのか。なぜ、これほど相撲界が窮地に
追い込まれている時に「万歳」を観客に促すことができる
のか。

私には、巡業ボイコット発言も加えて、白鵬がなぜここま
で増長しているのか、ということがわからない。協会はな
ぜ、ここまで「白鵬の増長を許しているのか」ということだ。

実は、何かあるたびに協会は白鵬に「厳重注意」を与え
ている。私が知るだけでも、2008年夏場所での勝負が
決したあとの朝青龍との睨み合い、2009年夏場所2日
前のゴルフ、2011年技量審査場所千秋楽夜に繁華街
を歩くTシャツ姿が週刊誌に報じられた件、さらには201
6年春場所でダメ押しで相手力士を吹っ飛ばして審判を
骨折させた事件など、少なくとも4件はある。

横綱への「厳重注意」とは、それほど「軽い」ものなのだ
ろうか。少なくとも、白鵬は「厳重注意」を何度与えられ
ようが、反省しているようすはまるでない。そして、つい
に現役力士の身でありながら、巡業部長への糾弾まで
公(おおやけ)の席でやってのけるまでに至ったのである。

一般人への暴行事件で引退を選ばざるを得なかった朝
青龍事件の時も、「なぜ師匠は弟子の行動を律するこ
とができないのか」「相撲界の師弟関係とはその程度の
ものか」と思ったものだが、その“やりたい放題”の体質
は、まるで変わっていない。

私は、モンゴル勢の相撲が好きである。日本人力士が失
ってしまった、あの溢れんばかりの闘志が好きなのだ。
それだけに、くり返される不祥事が残念でならない。モン
ゴル勢を応援して来たファンの一人としても、一連の出
来事は無念である。

相撲協会は、興行を主たる事業とする興行主である。
収益を挙げなければならないし、さまざまな制約もあるだ
ろう。しかし、同時に日本の伝統の継承という大きな役割
を果たすべき公益財団法人でもある。

何度、不祥事を起こしても改まらず、力士に範を示すべき
現役の横綱が、公然と反乱の言動をすることができるよう
な「体質」を続けるなら、税金をはじめ、さまざまな優遇措
置を有する「公益財団法人」の地位を返上し、私企業とし
て出直すことを強く提言したい。

          ≪門田隆オフィャルブログ≫より転載

我が弟子たちへ
2013.5.12

今日から五月場所が始まった。
一日を終えて勝ったものも負けたものもいる。
地位も違えば性格も違うから、悔しがっているものも、
ホットしてるものもいるだろう。

始まったばかりで言うのもなんだけど、
全力を尽くしてやるだけやってくれればいい。
数字的な勝敗も気になるとこだが、そんなことより君たちが
生きてきた証を土俵の上で堂々と見せるだけでいい。

焦らず、怯まず、躊躇わずに、今まで君たち一人一人に
教えてきたことを頭に浮かべて、まっすぐな気持ちで戦いに挑めばいい。
この世は一切皆空である。

人が思い描けるほどその通りにはいかない、
難しい社会がそこにはある。
だから、若いのだから怖がらずに戦ってほしい。

親方はこの道の本職だ! 戦い方は知っていて、
戦わせ方も心得ている。

一念通天、一つの思いは天にも通ずる。
そうやって親方は人生を掴んできた。それ以外の考えはなかった。
土俵に上がり体と心を震わせながら、
臆病な自分に負けじと戦ってきただけだ。

青春も涙も味わったことはないけど、
今は君たちの取り組みを見るたびに涙が止まらない。
だから他にはなにも要らない、ただただ運命を超えた涙を味わってほしい、
それだけだ!

「自分がここまでやれたんだ」と感じられるだけでいい。

親方がついている。一緒に土俵にはあがってやれないが、
親方は命を懸けて見ている、不惜身命で見ている!
それぞれ得意な技があるけれども、戦いに最も必要な業は
『諦めない気持ちで挑むこと』だ!

相手が大きくて強いと思うほど、自分から目を離さずに、
相手からも目を離さずに戦うことだ。
そうすれば勝利の女神がどこかにいてくれる。

自分が怖くなった時こそ、向かい合う相手に仁義を通し、
睨み付けていけばいい!
すべての君たちの取り組みを
替わってやれるものなら替わってあげたい。
一騎当千であるつもりだよ!

親方は相撲のことしか知らないけど、
相撲のことしか詳しくはないけど、師匠から相撲の哲学を学び、
必死で身に付けた。

毎晩腹の底で泣きながら、
心とからだを鍛えてきた。

門限を過ぎたら気を養うように寝ていた。
自分が生きていることの実感を知りたくて。
布団に入る時だけがその時だった。
布団に横たわるまで死力を尽くして生きてみたい、
と思いながら毎日を暮らした。

誰彼に良く思われようなんて考えたこともなかったよ。
喧嘩っぱやかったし、怖いもの知らずだった。
でも今は君たちの取り組みを見るのが怖い、ただただ怖い。

でも歯を食いしばって見つめているんだ。
神様をも味方につけようと思って。

それでも神様が味方してくれなかったとしたら、
親方が受けて立つ思いで見ている。

神様を敵に回しても親方はなにも怖くないさ。
ただ、君たちが怪我をするのだけがすごく怖い。
神様は居るようでいないものだよ。
居るとしたら、君たちの守護神は親方さ。

君たちのためなら、例え世界中の神様を敵に回したとしても、
なにも臆することはない。
もしも神様が君たちの命を奪いにくるのであれば、
親方が奪い返す。
親方は相撲しか知らない。相撲は詳しい、
負け方も勝ち方も心得ている。

しかし君たちには勝たせることしか教えない。
命懸けで勝たせる。

心が倒れそうな時には立ち止まって踏ん張れ!

そこにいればいい。
敗けを知れば勝ちを知る。その方法は親方が知っている。
先代から与えられた哲学と自分で培った勇気がある。
その勇気の中には綺麗なものも汚いものもすべて入っている。

来るとこまで来たらこっちのものだ!
親方が教えた五進術は全員に教えている。
言い方は違うけれども一視同仁だ。
これは君たち以外には教えない!
その答えは、師資相承の中にある、
絆という掟の中だけにある。

男には男の道がある。
力士には力士の道がある。

この国を今後は亡き親方に代わり伝承せよ!
先祖伝来の牙城を守り抜け。

貴乃花光司


この記事以外にも沢山の記事があります。
お時間のある方は是非読んで見て下さい。
弟子の「貴ノ岩」を育ててきた様子、
他の部屋の力士への想いも綴られています。

http://takanohana.net/message/index.html
貴乃花親方ダイアリー

国技である相撲というもの
横綱となる者の資質

我々国民の一人一人が
見守っていかなれけばならない問題だと思います。

※本日の「まるぞう備忘録」への投稿者の方の文章を転載掲載


涙が出ました。そして心より親(師匠)が子(弟子)を慈しむ
心が伝わってきます。


馬鹿正直で不器用な善人が、
命懸けで国技である相撲の世界を本来の神事の世界に戻そうとしている。
それはまさに極端に見えても自我の世界と良心の戦いです。


ただ、ただ、尊敬の念を抱くばかりです。
生きる勇気も。


相撲界の「八百長」「谷町」
「かわいがり(リンチ)」「慣れ合い」・・・
すべてをひっくり返て健全な相撲道の世界に戻そうと。


これってどこの世界でも似たようなことはあります。


頑張れ!貴乃花親方!!

07:56, Sunday, Dec 03, 2017 ¦ 固定リンク ¦ トラックバック(0) ¦ 携帯

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