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「舞劇 朱鷺」8/30(水)
繊細な美しさと共に描く青年と朱鷺の時空を越えた物語

舞劇『朱鷺』−TOKI−

民族舞劇や歌舞、器楽などを融合してオリジナル作品を
上演する総合芸術団体・上海歌舞団が、2年前の日本ツ
アーで大好評を博した『朱鷺』で待望の再来日中だ。
『羽衣伝説』や『白鳥の湖』などの伝承・民話をモチーフに、
村の青年ジュンと朱鷺の精ジエの時空を超えた愛を描い
た物語。8月29日、東京・Bunkamuraオーチャードホールで
全国公演の幕が開いた。


一幕は、淡いグラデーションで水墨画のように描かれた山々
を背景に、古代の農村の様子が綴られる。村の青年ジュン
(王佳俊)が薪を拾いに山の奥深くに入ると、湖のほとりで
仲間たちと無邪気に集う朱鷺の精ジエ(朱潔静)がいた。
朱を含めて朱鷺を演じるダンサーたちは細くしなやかで、羽
衣とも朱鷺の羽根とも見える布をなびかせながら踊る姿は、
まさに『羽衣伝説』に登場する天女のイメージだ。
ジュンとジエはひと目で恋に落ち、夕陽が落ちるまでのひと時
を睦まじく過ごす。だがジュンがふと目を覚ますと、ひとひらの
羽根を残してジエの姿はなく……。


ジュン役の王は、薪を村人に分け与えるほどの誠実さをもった
青年が、初めて出会ったジエにもまっすぐ惹かれていくさまを
好演。一方、「佐渡島で朱鷺の様子を観察しました」という朱は、
朱鷺らしい動きを巧みに取り入れつつ、ジュンへの想いを優美
に表現している。それは儚い女性性の表れのようでもあり、疲
れて眠るジュンを包み込む、母なる大地の象徴のようでもある。
壮大でドラマチックな楽曲に乗せて、朱鷺の精たちが一糸乱れ
ぬアンサンブルを繰り広げるシーンも必見だ。一幕のラスト、
消えたジエを探してさまようジュンの後ろを、朱鷺たちが滑るよ
うに次々と横切って消えてゆく場面は神秘的ですらある。物語は
二幕で、産業革命を迎えて朱鷺が絶滅の危機に瀕した近代、さ
らに21世紀の現代へと続く。ジュンとジエの魂が時を越えて出会
い、別れてゆく中で、次第に浮かび上がってくるものとは。観終
わった後、観客それぞれの胸にその答えが残るだろう。

取材・文 佐藤さくら

今日はオーチャードホールで上海歌舞団の舞劇「朱鷺」を観てき
ました。

最後の場面。
現代、博物館では、教師が学生たちに、絶滅した動物について教
えていました。そこへ老人となったジュンがやってきて、展示された
剥製の中のジェをみつけ、あの羽根をその胸に当てると、目の前
のガラスケースは消え、追憶の中で二人は踊り始めます。
懐かしい朱鷺たちもみんな姿を現し、在りし日の楽園が広がって
いきました。それは、今や失われた美しい景色でした。
ジュンはその思い出が詰まったジェの羽根を、次世代を担う学生
に託すのでした。

もう、このあたりになると、もうダメ。胸の奥から感動と哀愁の切な
い気持ちがこみ上げてきて、ヤバイぐらい涙が止まりませんでした。
ああ、今思い出してもウッときます。

「朱鷺」。素晴らしい舞劇でした。もう一度観に行きたいぐらいです。


18:28, Wednesday, Aug 30, 2017 ¦ 固定リンク ¦ トラックバック(0) ¦ 携帯

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