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「入荷から出荷まで」3/30(水)
メディアからの質問回答であるスーツの「入荷」から「洗い」
「仕上げ」「出荷」までの流れを書き出してみました。


●「ウォータークリーニング」でのスーツの「入荷」から
 「洗い」「仕上げ」「出荷」までの流れ

まずは「ウォータークリーニング(登録商標)」って?

ウォータークリーニングとは、品物に最適な方法を用いて
品物を傷めずきれいにしていく方法です。
汗などを取るために水を使うことも特徴の一つですが、水
洗いに限らず、品物と汚れに応じてシリコーンドライクリー
ニングも使用します。
水洗いも丸洗いに限らず、部分洗いを繰り返して全体をき
れいにする方法や、内側から蒸気でスチーミングし外から
スプレーで洗浄するなど、様々な方法を取ります。
一つの方法にこだわらず、最適な方法を探っていくのが「ウ
ォータークリーニング」です。

品物の手順

「入荷」
・入荷すると、まず、衣類が到着したことを、お客様に
    連絡。
・お客様の氏名、商品名などをパソコンに入力。
・シミや汚れの状態、キズ、ヤブレの有無、ボタンの数
    などのチェック項目を調べながら、決められた部位を
    採寸し、カルテに記入し、ディテール復元やシミ・汚れ
    等を記録するための写真撮りをしておく。


「洗い」

・衣類の状態やディテールに応じて、

「水洗い」
「水洗い」→「部分シミ抜き」
「シリコーンドライ」→「水洗い」
「水洗い」→「シリコーンドライ」
「石油系ドライ」→「漂白浸けこみ」
「部分シミ抜き」→「水洗い」
など、さまざまな工程に分類。

・「スーツの洗い基本工程」
   まず、シリコーンドライを行い、油性の汚れを取ると同時
   に、シリコーン溶剤の湿潤性や潤滑性により、スーツの
   手触り感や艶感が向上する。
   次に、襟や脇、袖口など汚れが付きやすい部分を洗剤を
   つけてブラッシングし、汚れを取れやすくしてから水で洗う。
   洗うときは、きれいに畳んでからネットで巻き、芯地や内包
   物と、表地、裏地との位置関係が崩れないように洗う。

・洗う時に使う水は「クラスタルウォーター」。地下300メート
   ルの縄文時代の地層からの地下水を、細かいスリットを通
   り抜けるたびに水分子同士が衝突する装置を通した磨き水
   で洗う。
   同時に細かな気泡を発生させることで、繊維の内部まで浸
   透し、衣類へのダメージが少なく、汚れを落とすことができる。

・「洗い」「すすぎ」「脱水」後は、人体整形乾燥機で、スチー
   ムと熱風によって、整形しながら乾燥する。
   この時、消臭抗菌剤をスプレーしながら、スチーミングするこ
   とで、洗っても取れない脇などの臭いを軽減させることができ
   る。

・また、水で丸洗いすると、形状や質感の変化が大きすぎる
   ようなスーツはディテール重視のため、この人体整形乾燥機
   を使い、消臭抗菌スプレーを流れ落ちるくらいたっぷりと掛け、
   内側からのスチーミングと合わせて、汗などの水溶性の汚れ
   を、スーツを型崩れさせることなく落とすことができる。

・立体乾燥機で最終乾燥。

・洗う前と、乾燥後のスーツの重量を比較すると、数グラム軽
    くなっているものが多い。


「仕上げ」

・袖を裏返し、裏地とシームを伸ばしながら、生地の地の目
    を整えて袖の形を作る。表に返して、同様に地の目を整え
    る。

・身頃を裏から、芯地や、ポケット袋地などを整えながら、表
    地と裏地、芯地が一体となるようにプレスする。

・前身ごろ全体を立体的に整形する最先端のプレス機でプレスし、前
    身ごろの立体感を出す。

・ドイツ製の肩専用のプレス機を使い、人の体に合わせて肩先が前に
    出るようにプレスする。

・袖付け部分は、表地と裏地、芯地、たれ綿など多数の素材
    が重なっており、洗うことで膨潤すると、袖の動きが悪くなり
    着心地を損なうため、縫い合わせの部分を専用のプレス機
    でプレスして、肩の動きを楽にする。

・襟が首に沿って立ち上がるように、ハンドプレスで襟の地の
    目を整えてから、襟とラペルの上部専用のプレス機でプレス
    し、襟の形を固定する。

・エッジ部分が伸びていることが多いラペルを地の目を揃え
    ながらプレスし、適度なロール感を出す。

・全体的なバランスを見ながら、シワや当たり、シームのピリ
    つきなどがあれば直し、裏地専用のプレス台とアイロンで、
    裏地の細かいシワまで伸ばして艶を出す。

・もう一度人体整形乾燥機にかける。今度はスチームは使わ
    ず、熱風を弱くして、柔らかく、全体のロール感を出していく。

・最後にハンガーに吊るしたまま、細かなシワや当たりをハン
    ドアイロンで修正して完了。代表が最終検品をして合格し
    た品物だけを出荷する。

※スーツの細かい部位の仕上げ指導は、スーツ職人・労働省認
定一級技能士・卓越技能者・黄綬褒章受章者 鈴木誠二さんに
行なってもらっている。


ということです。ザっと整理してみました。

18:36, Wednesday, Mar 30, 2016 ¦ 固定リンク ¦ コメント(0) ¦ コメントを書く ¦ トラックバック(0) ¦ 携帯

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