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2020年 7月5日

「繁盛店の基本」7/5(日)
今日の第一話は洋服の「生地」のお勉強でした。
そしてこれからお仕事です。
その前に、今日は「繁盛店の基本」のお話しです。


「ひとつ拾えば、ひとつだけきれいになる」
   著:鍵山秀三郎・亀井民治編参考


「来る人には楽しみを、帰る人には喜びは」
小売店を繁盛させるための基本だと思います。
そのためにはどうするのか、徹底してキレイにすることです。
キレイにした上で、何かひとつを特化していくことです。


たとえば、優しさの追求。
具体的には、人なつっこい応対、
目に優しい商品の展示、
お店のなかにいるだけでゆとりが感じられ
気持ちのいい雰囲気づくり。


優しさも、
見方を変えると弱さに見えることがあります。

自分では礼儀正しいと信じてやっていることでも、
見方を変えると堅苦しく感じられることもあります。
原因は、今一つ徹底されず、定着していないからです。


誰から見ても優しく、
礼儀正しいという評価を受けるためには、
徹底して特化することです。


特化するということは、
千人が千人とも、
「ほう、この店はこういう点が他の店にない
素晴らしいところだ」と評価して下さるようになることです。


芸術も特化されたものだけが歴史に耐え、
遺されてきました。
お店も同じです。(転載終了)


お陰様で、
君津本店はTVの影響もあって
東京をはじめ関東圏内から、
また、千葉県の館山や市原などの
遠方よりもわざわざお客様がお見えに
なりますし、当然、君津や木更津といった
地元からも常連のお客様がお見えになります。


直営は他に
子安店や木更津店がありますが、
店舗店舗で店長の個性と特性に
合ったお客様が来て下さっていると、
感じます。


その中でも君津本店は
工房直営ということもありますし、
店長の佐生くんがとても人なつっこい
といいますが、明るく元気で掃除好きなので
とてもいい感じがします。


また伊勢丹新宿メンズ館の方も、
花嶋さんや近藤さんが誠実に対応して
下さっていますので、
その誠実さがお客様に安心を
与えてくれているように思います。


君津工房では
毎日の朝礼で「ボスのそらごと(私が書く自己啓発誌)」を読み
「掃除」と「思いやりの実践」等を意識して
一日の業務を行います。


そして全員「スピードは愛」を合言葉に
すべてに対してスピードある応対や対応を
心掛けます。


追求することは
きりはありませんが、
とにかく「今よりももっとよく」
人間力、技術力、サービス力を
レベルアップしていくたための
研鑽と自助努力を怠らないということです。


生地の勉強もしっかりしておきましょうね。


●伊勢丹のお店から
「コロナ禍新宿歌舞伎町爆発の中、
よくお客さんが来てくださってるね」
と、喜びあいます。
工房への直配をお願いするも、
「通り道だからいいのよ」とか、
店舗に足を運ぶことをおっくうがらず
おっしゃって下さるそうです。
お二人の接客が心地よく誠実だからだと
思います。

今「つぶれそうな店を救いたい。
新プロジェクト始動」というテレビを見て
ますが、様々なプロが企画を提供してますが、
やはり最後は人ですね。

当然、
商品の価値がないと売れるはずはありませんが、
その商品を売るのは人の情熱と努力に
ほかなりません。

こういうテレビの内容を見させていただくと、
改めて、今こうやって毎日
スタッフの皆さんに語りかけていることの意味
そしてその内容が一滴一滴浸透してくれればと、
とても感じています。
やはり最後は人の人間性ですから。


09:08, Sunday, Jul 05, 2020 ¦ ¦ コメント(25)


「SURISE SUPRER 200 AND SILK」7/5(日)
SCABAL
「SUNRISE SUPRER 200 AND SILK」
MADE IN ENGLAND

scabal09sunrise01


この
スキャバル最高級の生地を洗って欲しい
との依頼を受けました。


生地の
質感としては、誰もが唸るほどの心地よい
肌触りです。


この最高級の生地は
王様が着るような生地ですからちょっと
普通は着こなせないでしょう。


さて、
今回何故こういった最高級の生地を
何故うちで洗うのかというと、
生地は、大抵の場合巻くいて保管さ
れています。


その生地の生地の特性もありますが、
生地の「地の目」は結構斜行していたり
歪んでいます。


また、
織り上がった生地は工程上、歪みが潜
んでいたりします。


そのままの状態で
洋服を仕立てると着用やクリーニングを
繰り返すうちに型崩れが起こってきます。


これを
防ぐために裁断前に行う作業が「地のし」
です。


「地のし」は高圧スチーム(水分)と
熱により「地の目」を矯正し生地を安定さ
せて落ち着かせます。


縮みが出る生地の場合は、
水通しを行い予め縮めてから裁断に進みます。
この縮ませる工程を「縮絨」といいます。


弊社には
「テーラードプレッシング研究会」というプレス
の勉強会があります。


この研究会の専属講師がテーラー界でも一目
置かれるビスポークテーラー・Dittosの
水落卓宏氏さんです。


Dittosで自分の洋服を作る時は
必ずこのプレスて゛の「縮絨」工程を水落さん自身が
見せてくれます。


この工程でモノによりますが、およそ5ミリ〜1センチ
ぐらいは生地が縮みます。


ビスポークだからここまでの工程を行うわけですが、
水落さん曰く、普通の工場縫製のアパレル商品では
この工程を手抜きしているので、ドライの熱で縮む
洋服もあるし、水洗いでは尚更縮む場合もあるので
コワイとっおっしゃていました。


水落さん、実はそういうことも分かっているので、
最初は弊社の特殊水洗いに対してとても懐疑的でした。
まあ、ビスポークテーラーの方は多いですね、
話を聞けばクリーニングで何度も嫌な目にあって
らっしゃるので。


うちでも縫製不良品を洗って、
洋服になって縮んでしまうとどうなるかというと、
縫製の糸はそのままで生地が縮むわけですから、
全体が斜交して最終プレスで直すことが難しいのです。


IMG_2463


そういう洋服は、もともと縫製不良品の場合が
多いいです。お客様はまったく分かっていらっしゃい
ませんが・・・・。


直すとすれば全体を解いて全体を縫い直すしか
ありません。あきらかにアパレルに限らず、テーラー
さんの作った洋服でも「縮絨」の工程を省き手抜きを
していると全体を解いて縫い直すことになって
しまいます。


弊社の水洗いはそういったリスクを回避するため、
洋服をまずシリコーンドライの油分でコーティング
した上で、ネットにきっちり巻いて、内包物やディテ
ールが崩れないような状態で、粒子の超細かい
クラスタルウォーターとマイクロバブルで30秒〜
1分の静止状態での特殊水洗いを行います。


皮脂等の汚れは、前処理で落としているので
、この30秒から1分の時間で十分です。


IMG_2464


普通生地が水を吸うと何らかの問題が生じますが、
クラスタルウォーターとネットと短時間の静止特殊
水洗いのお陰で今まで最終プレスで問題が起こった
ことはありません。


問題が起こるとすれば、
すべて縫製不良が原因ですね。多いいですよ、
こういった手抜きスーツは。


コスト削減のため、
本来服を作るためにやるべき工程を省いたり、
また正しく行っていないと、着用後の洋服
には小さな狂いが生じてきます
。これが縫製不良です。


今回、
最高級のスキャバルを洗うのは、テーラー
さんが仕立て前の「縮絨」をうちで行ってくれ
ということです。


今日手洗いで洗った後はプレスの及川が、
200℃で、スチームを使って裏から「縮絨」の
ためのプレスを時間をかけて行います。


この時、スチームによって生地が縮絨され、
仕立て後の洗いでの変化を防ぐことができます。


IMG_2468


最後に、今回お預かりした
SCABAL
「SUNRISE SUPRER 200 AND SILK」
MADE IN ENGLANDのお勉強タイムです。

scabal01

スキャバルは、
1938年にオットー・ハーツによってベルギ
ーのブリュッセルで設立されました。


1970年前半には、バウアー・ローバック・
アンド・カンパニーとの共同開発によって、
Super100'sのウールを使用したファブリック
をこの世に初めて送り出し、その後1980年
にはSuper150'sのウールを使用したファブ
リックを生産したことでもその名を残して
います。

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scabal02classics02


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scabal04trnado02
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Super200’sのsuperとは、
原毛の太さを表したもので、数字が大きくな
るほど細い原毛を使っており、super200'sと
いうのは最高に細い原毛でできています。


この細い原毛を集めて撚って糸を作り、その
糸で生地を織っています。


ですから、同じsuper200’sの原毛を使っても、
糸の太さや生地の折り方は様々ですから、生地
の質感は違ってきます。


細い原毛で糸を作れば、同じ太さでも密度の高
い糸が出来ますから、それで織った生地は高密度
の光沢がある生地が出来ます。


それが今回お預かりしたSCABAL
「SUNRISE SUPRER 200 AND SILK」
MADE IN ENGLANDです。
まあ、服地代200万とネットにはでてましたが、
本当はどれくらいするのでしょうか?
私たちには縁のない価格であることは
間違いありません。


ただ、密度が高い分気密性が高く、
夏物としては暑く感じるかもしれません。
そんなの関係ないか、この光沢感では・・。


今回の生地は、このsuper200’sにシルクが50%
混紡されており、きめ細かな滑らかさと艶感が
ある最高級品であることは間違い
ありません。


最後に、
著名人に愛用され、映画とも関係性が深いスキャ
バルの生地です。


ハリウッドにも多くのファンを持つスキャバル社
は、数多くの映画に衣装協力をしているというの
も有名な話です。


例えば、レオナルド・ディカプリオ出演の「タイタ
ニック」「ウルフ・ウォール・ストリート」ダニエル
・クレイグ出演の「007カジノロワイヤル」ウイル
・スミス&トミー・リー・ジョーンズ出演の「メンイ
ンブラック」など、
数々の名作映画の衣装に使われています。


海外の政界にもファンが多く、元米国大統領の
クリントン氏、故ロナルド・レーガン氏、ジョージ
・ブッシュ氏、
ロシアのプーチン首相、そしてバラク・オバマ
氏もスキャバルスーツを注文しているとか。

07:00, Sunday, Jul 05, 2020 ¦ ¦ コメント(10)


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