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2015年 4月17日

「小国寡民」(老子80章)
都会よりも、田舎が老子のユートピア

国が小さくて、人口の少ないところが、老子の理想郷である。
林のように、ビルが建設され、一年で、もとの風景が分からなくなる。
車が日ごとに増し、人がアリのように、ずらり並んで、急ぎ足。


都会は人間の欲望の吹き出物なのだ。
都会は欲望を達成しながら、人間の心の墓となる。
そこでは、人間性が握りつぶされる。
なのに、なぜか、多くの人が、都会にばかりあこがれる。


老子の理想郷は、違う。
どこまでも、視界のひらける大自然。
青い空、みどりの山。
谷川の音。鳥たちの声。鶏や犬の鳴き声。
みごとに手入れされた田畑。

老人から子どもに至るまで、笑い声をあげ、歌いあって、
楽しく労働している小さな村……。

その食を甘しとし、その服を美とし、その居に安んじ、
その俗を楽しまん(老子80章)

地方のまま衣食住に満足し、地方の風俗、
文化をこよなく楽しんで、生きる。



「老子・荘子の言葉100選」より抜粋
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07:04, Friday, Apr 17, 2015 ¦