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2015年 4月2日

「光ありて 輝かさず(老子58章)」
才知をギラギラと光らせない

知識や智慧の光は、
人生にとって、好ましいものだ。
しかし、その光は、あまりにも
ギラギラ光るものであってはならない。
なぜであろう。

禍は福による倚るところ、福は禍の伏すところ(老子58章)

不幸だと思っているところに、
幸福が寄りそってくるし、
幸福だと思っているところに、
不幸がひそんでいるものだ。

幸福と不幸は表裏一体である。
二つは切り離せない。が、
知識とか、才知というものは、
不幸なことは、不幸な一面しか見えず、
その不幸な状態を早く脱出するように、
画策する。

また、幸福なときは、
幸福以外に目を向けることができずに、
この幸福がいつまでも続いていくように錯覚する。

才知の判断は、とかく、ちっぽけな正義感で、
残酷に人を裁く。

才知の鋭い人間は、ひとたび頭の中でこうだと思うと、
その一面的な判断を容易に変えられず、
あれこれとはからいをたてて、
一見もっともらしく人を惑わせ混乱させることがある。

この「まごころ」のこもっていない発言で、
命を落とす場合もある。

「老子・荘子の言葉100選」より抜粋

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23:14, Thursday, Apr 02, 2015 ¦