「レザー付セリーヌのワンピース」7/8(火）
セリーヌのレザー付ＳＩＬＫのグリーンワンピース。
≪ＳＩＬＫ７４・ウール２４・レザーは羊≫
ＨＰのトップページ左下部分に「本日のスーツ仕上げランキング」
があるのですが、今日からその下の面に今日の「入荷難易度ラ
ンキング」を表示することにしました。
これはキリがないので「洗い」「汚れ落とし」「染み抜き」「色修
正」「修理」等で、難易度の高いモノの日々ベスト3を表示して
いくというものです。
今回ご紹介するこのレザー付グリーンＳＩＬＫのワンピース（セ
リーヌ）は今日の難易度ベスト２。ベスト１は親子二代着用した
振袖の「水洗い・染み抜き・色修正」でした。これは全部の写真
を撮影するのは時間が足りなかったので、今日はベスト２のレ
ザー付きのワンピースを紹介することにしました。
後は綿や麻のアルマーニやバーバリーの首回り・脇・前見頃
等の汗による脱色の色修正や、綿パンの移染除去と色修正
など。こういったのを表示していけばキリがないので、とりあえ
ず日々の復元難易度ベスト3を紹介することにしました。
さて、このワンビースですが、いつもの通り写真では分かりに
くいのですが、全体的に黒っぽくくすんでいます。
復元のプロセスをイメージしながら裏返してシーム部分を開くと
「やっぱり・・。」案の定「ほこり」まみれです。お客様はまった
くこういった裏側の事情は御存知ないです。パンツ裏のシーム
部分もこの状態とまったく一緒。毛ぼこりだらけです。
この「ほこり」はエアーでカっ飛ばし、残った「ほこり」は吸引力の
強いハンド掃除機で吸い取ります。さらに残った「微細なほこり」
は両面テープでパチバチたたいてキレイに取っていきます。
実は入荷された品物のほとんどのポケット内、シームの間には、
このような「ほこり」がいっぱい付着しています。この「ほこり」取り
だけでも結構の手間と時間がかかるんですよ。
さて、このワンピースの側面部は黒のレザー張りなのですが、
水で洗うと接着剤が取れてレザー部分も剥がれていきます。
ドライに入れても一緒。短時間以外では、必ず剥がれるでし
ょう。
また、色出テストでは色落ちが発見されましたので、全体の
色止め防止と、レザー部分の硬化防止を事前にしっかり行っ
ておきます。そして一気に短時間での「水洗い」を行います。
漂泊のような漬け込みではなく、短時間の水洗い（手洗い）
でも随分全体的な黒っぽいくすみ汚れは落とせます。また、
衿や脇を中心に、全体的な汗染みや見えない汗が除去でき
てさっぱりします。
水洗いの良さはやはりこの汗等の水溶性の汚れ落としです
からね。グリーンの色は鮮やかにハッキリした感じで戻るの
で、いつも仕上がり後の品物をお客様がご覧になると、「わ
あ~、キレイ」って発色の蘇りをとても喜ばれます。
仕上げはＳＩＬＫに光沢感を出すため加工剤を噴霧していくこ
とと、レザーに油分を与えて潤い感を出すためにはレザー用
のクリームを塗って光沢感と潤い感を出していきます。
レディスの最終仕上げは担当の美意識と感性の法子さんに
任せます。まあ、この人は仕事に対しては完璧主義ですから
レディスの出荷検品時には仕上がり品を見て誰もが「おおっ！」
と唸るような、美しい立体的シルエットを復元していきます。
そう言えば。ファッション誌のライターやカメラマンの人たちがレデ
ィススーツの最終仕上がり品を見て全員がやっぱり「おおっ!!」と
唸っていましたっけ。
（カビで真っ白だった黒い麻のジバンシィーのワンピース。漂白
でカビを除去した後、水洗いでパリッとキレイに復元されました。）
それにしても、彼女上手いんだよね、ファイトの人体成型プレ
ス機の使い方が。
話は変わりますが、工房に入って仕事に専念している時なん
て、まったくテレビなんて見る暇がありませんでしたが、6月
の初旬に左足首を骨折してから、午前中は見積もりや染み抜
きを行った後、お昼過ぎからは社宅の子安庵に帰って静養す
る日々が続くので、気分転換にリビングでテレビを見るように
なりました。
スカパーに「ディスカバリー」というチャンネルがあるのです
が、そのチャンネルの中に、アンティックや中古で本来使い
物にならない車や色んな品物を収集してきては復元して、
オークションにかけて売るという番組があります。
これが実に楽しいのです。使いモノにならないモノを復元し
て売る人も、復元されたモノを買う人もゲーム感覚で本気
です。お客さん同士競り合いの結果、最高値で落差して商
談が決まったら、お互いがとっても喜びあいます。無用なも
のが蘇って有用に活かしていけるからなのです。アメリカ人
って、このあたりの感情表現がストレートですから、とても分
かりやすい。
（小手アイロンプレス後の立体的なシルエットはファイトの人
体が一番です。ここでも細部にわたって小手アイロンでディテ
ールを復元していきます。）
僕らの仕事は、まったくそれとよく似ています。汚れて息絶え
絶えになった洋服が息を吹き返して、イキイキと甦る。嬉しい
よねえ。お客さんは復元された品物を見て心から喜んで下さ
るし。だから、ハマっていってやめられないんだろうねえ・・・。
この「入荷難易度ランキング」の品物紹介は毎回このブログ
内では紹介出来ませんが、HPのトップページ左下部分に「本
日の仕上げスーツランキング」の下に「本日のベスト3」を表示
しておきますので、「今日は、そんなんやってるんや・・」なん
て、ご覧になってくださればありがたいです。今回のモノは別
として、難しいモノが来れば来るほど、頭を抱えながら、試行
錯誤しながら、結構真剣に楽しんでやってます。
※沖縄では台風8号が猛威をふるっており、台風の接近にとも
なって、沖縄県内では、那覇市の一部や宮古市の全域など、
県の人口の41%にあたる18市町村、59万654人に、避難勧告が
出されているそうですが、スタークリーニングの新城くんのとろ
はどうなんだろうか?心配しています。
生かしていただいて ありがとうございます。
≪ＳＩＬＫ７４・ウール２４・レザーは羊≫
ＨＰのトップページ左下部分に「本日のスーツ仕上げランキング」
があるのですが、今日からその下の面に今日の「入荷難易度ラ
ンキング」を表示することにしました。
これはキリがないので「洗い」「汚れ落とし」「染み抜き」「色修
正」「修理」等で、難易度の高いモノの日々ベスト3を表示して
いくというものです。
今回ご紹介するこのレザー付グリーンＳＩＬＫのワンピース（セ
リーヌ）は今日の難易度ベスト２。ベスト１は親子二代着用した
振袖の「水洗い・染み抜き・色修正」でした。これは全部の写真
を撮影するのは時間が足りなかったので、今日はベスト２のレ
ザー付きのワンピースを紹介することにしました。
後は綿や麻のアルマーニやバーバリーの首回り・脇・前見頃
等の汗による脱色の色修正や、綿パンの移染除去と色修正
など。こういったのを表示していけばキリがないので、とりあえ
ず日々の復元難易度ベスト3を紹介することにしました。
さて、このワンビースですが、いつもの通り写真では分かりに
くいのですが、全体的に黒っぽくくすんでいます。
復元のプロセスをイメージしながら裏返してシーム部分を開くと
「やっぱり・・。」案の定「ほこり」まみれです。お客様はまった
くこういった裏側の事情は御存知ないです。パンツ裏のシーム
部分もこの状態とまったく一緒。毛ぼこりだらけです。
この「ほこり」はエアーでカっ飛ばし、残った「ほこり」は吸引力の
強いハンド掃除機で吸い取ります。さらに残った「微細なほこり」
は両面テープでパチバチたたいてキレイに取っていきます。
実は入荷された品物のほとんどのポケット内、シームの間には、
このような「ほこり」がいっぱい付着しています。この「ほこり」取り
だけでも結構の手間と時間がかかるんですよ。
さて、このワンピースの側面部は黒のレザー張りなのですが、
水で洗うと接着剤が取れてレザー部分も剥がれていきます。
ドライに入れても一緒。短時間以外では、必ず剥がれるでし
ょう。
また、色出テストでは色落ちが発見されましたので、全体の
色止め防止と、レザー部分の硬化防止を事前にしっかり行っ
ておきます。そして一気に短時間での「水洗い」を行います。
漂泊のような漬け込みではなく、短時間の水洗い（手洗い）
でも随分全体的な黒っぽいくすみ汚れは落とせます。また、
衿や脇を中心に、全体的な汗染みや見えない汗が除去でき
てさっぱりします。
水洗いの良さはやはりこの汗等の水溶性の汚れ落としです
からね。グリーンの色は鮮やかにハッキリした感じで戻るの
で、いつも仕上がり後の品物をお客様がご覧になると、「わ
あ~、キレイ」って発色の蘇りをとても喜ばれます。
仕上げはＳＩＬＫに光沢感を出すため加工剤を噴霧していくこ
とと、レザーに油分を与えて潤い感を出すためにはレザー用
のクリームを塗って光沢感と潤い感を出していきます。
レディスの最終仕上げは担当の美意識と感性の法子さんに
任せます。まあ、この人は仕事に対しては完璧主義ですから
レディスの出荷検品時には仕上がり品を見て誰もが「おおっ！」
と唸るような、美しい立体的シルエットを復元していきます。
そう言えば。ファッション誌のライターやカメラマンの人たちがレデ
ィススーツの最終仕上がり品を見て全員がやっぱり「おおっ!!」と
唸っていましたっけ。
（カビで真っ白だった黒い麻のジバンシィーのワンピース。漂白
でカビを除去した後、水洗いでパリッとキレイに復元されました。）
それにしても、彼女上手いんだよね、ファイトの人体成型プレ
ス機の使い方が。
話は変わりますが、工房に入って仕事に専念している時なん
て、まったくテレビなんて見る暇がありませんでしたが、6月
の初旬に左足首を骨折してから、午前中は見積もりや染み抜
きを行った後、お昼過ぎからは社宅の子安庵に帰って静養す
る日々が続くので、気分転換にリビングでテレビを見るように
なりました。
スカパーに「ディスカバリー」というチャンネルがあるのです
が、そのチャンネルの中に、アンティックや中古で本来使い
物にならない車や色んな品物を収集してきては復元して、
オークションにかけて売るという番組があります。
これが実に楽しいのです。使いモノにならないモノを復元し
て売る人も、復元されたモノを買う人もゲーム感覚で本気
です。お客さん同士競り合いの結果、最高値で落差して商
談が決まったら、お互いがとっても喜びあいます。無用なも
のが蘇って有用に活かしていけるからなのです。アメリカ人
って、このあたりの感情表現がストレートですから、とても分
かりやすい。
（小手アイロンプレス後の立体的なシルエットはファイトの人
体が一番です。ここでも細部にわたって小手アイロンでディテ
ールを復元していきます。）
僕らの仕事は、まったくそれとよく似ています。汚れて息絶え
絶えになった洋服が息を吹き返して、イキイキと甦る。嬉しい
よねえ。お客さんは復元された品物を見て心から喜んで下さ
るし。だから、ハマっていってやめられないんだろうねえ・・・。
この「入荷難易度ランキング」の品物紹介は毎回このブログ
内では紹介出来ませんが、HPのトップページ左下部分に「本
日の仕上げスーツランキング」の下に「本日のベスト3」を表示
しておきますので、「今日は、そんなんやってるんや・・」なん
て、ご覧になってくださればありがたいです。今回のモノは別
として、難しいモノが来れば来るほど、頭を抱えながら、試行
錯誤しながら、結構真剣に楽しんでやってます。
※沖縄では台風8号が猛威をふるっており、台風の接近にとも
なって、沖縄県内では、那覇市の一部や宮古市の全域など、
県の人口の41%にあたる18市町村、59万654人に、避難勧告が
出されているそうですが、スタークリーニングの新城くんのとろ
はどうなんだろうか?心配しています。
生かしていただいて ありがとうございます。
13:16, Tuesday, Jul 08, 2014 ¦ ¦ コメント(1)