「誰もがやったらやり返すという転生を繰り返してきた」
(独自の訳)
怒りを制する者は、輪廻転生をも終わらせる、悟り
に導く。しかもそれが蛇が脱皮するがごとく、「あれ?」
というぐらい呆気なく、突然に訪れる事を簡示唆しています。
(原始仏典 スッタニパータ 第1章第1節ー№1)補足
怒りをよく持つ者が、再び転生(来生も苦しい世界に生まれ
出ること)しなければいけなく成る理由を説明します。
まず人が怒るということは、
* 理由はどうあれ、怒りの対象(他人)へ悪いマイナス磁気
を与えて、他人に見えない傷を与えることに成ります。
* このことは、その自分が相手との間に、見えない貸し借り
の借金を増やして行くことに成ります。
* 死後は、その借金を帳消しにするために因果(貸し借り)
を消すような組み合わせに出会う縁の者同士が、自動的に組ま
れて生まれ出る法則が存在します。
* つまり、自分が嫌いな相手ほど、再び来生でも縁ある者同士
(または家族)として出会います。
* 激しく憎み合って、肉体的にも傷つけ合った者同士ほど、
更に深い因縁のために近い身内、または家族・伴侶と成りやすい。
* 金銭も含めて、大きな貸し借りを残したまま今生を終わった
者同士ほど、来生は違う形でも(下の処理を含めた介護をするなど)
縁者となり転生します。
* つまり、本当に嫌いな相手、二度と絶対に出会いたく無い相手
には、自分は怒るべきでは無いのです。再び出会わないために。
* 自分が怒りますと、その人との間の貸し借りの縁が強化され
て行き、再び来生も出会う磁石同士に成り引力で出会います。
* だから、本当に怒るべき相手には、逆に冷めるべきなのです。
わざわざ露骨に無視をすることも不要です。それも縁が生じます。
* もう良いからと、その相手を逆に心から許す・赦すべきなのです。
イエス・キリストが、磔にされて処刑されている最中に、自分の手
のひらに大釘を打ち込む相手に「あなたを赦します」と言いました。
これは、来世でも二度とこういう関係の縁を生じさせないためだった
からです。
※この因果の法則は、良い面にも利用できます。自分や自分たちの
組織や会社が成功するための大切なヒントがあります。
他人に良いことをすれば、とても楽しいことになっていくの
です。これも物理法則でそう「なる」のです。
すでに決まった運命など存在しません。自分の素直な努力で未来は
変わります。すべては自分自身の言動、行動の反射が、誤差なく、
間違いなく自分に還って、返って、帰っているだけなのです。
自然反射を、自分の運命と勘違いしている人が多いのです。
どんな悪因でも、今からの善果で上書き修正が可能です。
私の祖母はとても短気な人でしたが、その短気が出る度に、
「なんまんだぶつ、むなんまんだぶつ」と、阿弥陀様のの前に座って
「すまんことでございます。すまんことでございます」と、自分の
愚かさを阿弥陀様に慚愧していました。
92歳でお浄土に還った祖母の顔は、微笑みを浮かべた仏さまのよう
でした。
どんな理由があろうと、相手が憎い間は、この世でもあの世でも
さらに因果の法則によってさらに近寄ることになります。
「あなたを赦します」ということは、相手も自分も赦すということ
です。そうすれば悪しき因縁から解放されていきます。
以上の因果の法則が完璧に言えることをしっかり覚えておきましょう。
今日もより良く生きる智慧を与えて頂いて有難うございます。
皆さんの仕合せを心より念じております。
【柔訳 釈尊の教え 第一巻】著:谷川太一より一部抜粋転載
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