
「安心感のある人は心が強い」
象の中でも、肩の筋肉が大きく盛り上がり、
皮膚には桃色の斑点が咲き、
蓮華の花のように見事に巨大に成長した象は、
群れから離れて、独りで自由に
森の中を生きて行くことが可能に成ります。
だから、どんな交わり、集団の中に自分が居ましても、
自分一人で歩く覚悟を持ちなさい。
まるで1本角(ツノ)が立つサイのように一人で歩みなさい。
(原始仏典 スッタニパータ 第1章3節-No.53)
「心が強い人」とはどんな人でしょうか。
人に負けないように頑張る人でしょうか。
いいえ、本当の強さとは“安心していられる心”です。
どんなことがあっても静かに落ち着き、
微笑みをたたえていられる。
それが仏の教えに通じる、真の強さなのです。
親鸞聖人は
「自力(自我力)のはからいをすてて、
他力の信心をたのむべし」
とおっしゃいました。
自分の力で何とかしてやろうとすると、
心は硬くなり、他人を責めたり、
不安に飲まれたりします。
けれども、
仏さまの大きな慈悲に身をゆだねると、
力が抜けて心に安心が生まれます。
そして、みんなに「ちょっとお願い」と
協力を呼びかけられます。
とにかく
安心のある人は、
他人を素直に祝福できます。
「よかったね」「うれしいね」と言える人は、
すでに幸せな人です。
反対に、
批判ばかりの人の心には不安があります。
幸運は無理に引き寄せるものではなく、
安心と微笑みのある人を
“幸運のほうが選んでくれる”のです。
ですから、
どうぞ今日から三つのことを心がけてください。
一つ、静かな微笑みを忘れないこと。
二つ、大きく深呼吸をして、安心の心を保つこと。
三つ、他人を祝福する気持ちを持つこと。
この三つを続けると、
不思議と心がやわらぎ、
智慧が生まれてきます。
その智慧は、
勝ち負けを超えた「お互いに調和できる道」を
教えてくれます。
どうぞ今日も、
「ありがとう」「大丈夫」と
静かに心でつぶやいてみてください。
その一言が、あなたの心を強く、
そして穏やかにしてくれるのです
参考文献【柔訳 釈尊の教え 第一巻】著:谷川太一
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