「自身の周りに善の連鎖を引き起こす」
良い教えを素直に喜べる人。
良い教えの影響を受けて、
自分も情け深い心境に成れる人。
このような人は、世の中の動静への興味から離れて、
安心した、静かな境地に達することに成ります。
(原始仏典 ダンマパダ25章-368番)
「良い教えを素直に喜ぶことが出来る」
実は、これだけでも凄いことだと最近は特に感じます。
最近の若者に多い特徴は、道徳などを聞かされましても、
* それの、どこが良いのか本当に分からない。
* だからと言って、なぜ自分がそうするべきなのかが
分からない。
このような感情を、反発心からではなくて、「無表情な顔」
から淡々と言う人たちがいます。
これを考察しますと、非常に冷たい家庭環境で育った生徒
が多いようです。
人間は、「自分が受けたことを、良いも悪いも他に返す」
という自動的な鏡の反射のようなサガの側面を法則として
有します。
だから自分が愛情を受けて育った場合は、次は自分が他人に
愛情を出すことは出来るのです。
しかし、この逆の冷たい家庭で育った場合でも、自分からは
愛情を他人に出せる人は尊い御方です。
ただ、その人もよく調べますと、家庭以外の陰で愛情をくれる
他人が居たことが多いのです。
それは担任の教師だったり、近所のオバちゃんだったり、職場
の上司だったり、地域の寺の住職だったりと、必ず善人が存在
していました。
要するに、これからの日本を良くするためには、いかに先ず
自分が家族や「他人にも」愛情や思いやりを配ること、出す
こと、からが重要なのです。
これが大いなる善の連鎖を引き起こします。
この項の釈尊の言葉に戻りますが、
* 良い教えを素直に喜べる人。
* 良い教えの影響を受けて、
自分も情け深い心境に成れる人。
もし、自分がこのような感じに「自分なりに」成れるならば、
自分を育ててくれた周囲の人々も素晴らしかったのだと言え
そうです。
それは本当に「感謝をするべき」ことだったのです。
今日もより良く生きる智慧を与えて頂いて有難うございます。
皆さんの仕合せを心より念じております。
【柔訳 釈尊の言葉第一巻】著:谷川太一より一部抜粋転載
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日本人の道徳心
「すべてを自分のせいに」
自分が教師となって学生を見ていても
わかることだが、すべてを自分のせいにして
受け入れることができる学生は数少ない。
それゆえ、そういう姿勢を続けていると、
しばらくすると必ず先生が目を留め、
気に入ってくれることになる。
高い地位に就くようになると、
あるいは年を取ると、
こうした心掛けは忘れがちである。
しかし、どういう立場になろうとも、
いかに年齢を重ねようとも、
「すべてを自分のせいにする」という
露伴の教えは頻繁に思い出して
損のない教訓である。
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今日の諺 「油断大敵(ゆだんたいてき)」
【意味】
少しの気のゆるみが、
大きな失敗につながることがあるので、
気をつけようということ。
「油断」は気をゆるめて、
きちんと注意をはらわないこと。
「大敵」は大きな敵という意味。
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