
釈尊が最初に示したのは、
“牙の鋭いライオン”つまり、
他に揺らされない存在です。
しかし、私たちはつい、
「自信なんてない」「私なんて」と思ってしまう。
本当の自信とは、
何かができる自信ではなく、
自分を信じる力、自分を嫌わない力のことです。
自分を大切にできる人は、
自然と胸の奥に小さな光が灯ります。
釈尊の言う「自灯明(じとうみょう)」とは、
その光を頼りに生きることです。
他人と比べない。
他人の人生に迷い込まない。
自分だけの小さな居場所を整え、
そこで静かに心の花を育てる。
粗末でもかまわない。
そこを“自分の浄土”にするのです。
ライオンでなくてもいい。
ウサギでも、鳥でも、あなたのままでいい。
大切なのは
「自分を信じる」という一歩。
その一歩が、
悟りへの道をそっと開いていきます。
(原始仏典 スッタニパータ 第1章3節-No.72・私的な訳)