まさに何かを縮めてやろうと思うならば、
必ずそれをしばらく逆に引っ張りなさい。
まさに何かを弱めてやろうと思うならば、
必ずそれをしばらく強くならせておきなさい。
まさに何かを衰退させてやろうと思うならば、
必ずそれをしばらく繁栄させておきなきい。
まさに何かを奪おうと思うならば、
必ずそれにしばらく何かを逆に与えなさい。
これを微妙なる明知と言います。
柔弱なモノが剛強なモノに必ず勝ちます。
「柔よく剛を制す」です。
栄枯盛衰はどんな事象にも
必ず発生するのが宇宙の法則です。
宇宙でさえも、いつかは縮んでしまいます。
やはり、人間はあわてますと
一番損なのです。
人生には、もう色んな要素がありますから、
あきらめることは最後まで絶対に不要です。
絶対にムリだ、もうダメと思っていましても、
すべてが必ず変わっていくのがコノ世なのです。
ここではさらに、
自分自身の悪い欲望や気持ちを
鎮めるための秘訣を言ってもいます。
もし強い性欲に苦しむ自分がいるならば、
何とかしようと焦らずに、
その自分のサガ(性)を静観する態度が大切です。
もし、他人への怒りに収まらない自分がいるならば、
無理に自分を抑えようとはせずに、
相手と自分を冷静に観察することが大事です。
あわてずに、早とちりせずに、
どうせ消える肉体ならば、
ユックリと社会生活を見てやりましょう。
どんな嫌なことの中にも、
大いなる存在の愛情が必ず隠れています。
それに自分自身が気づけるかどうかだけなのです。
老子の言葉からは、
自分が弱い時ほど色んなチャンスが
逆にあることがわかります。
自分がどんな状況でも、
まず、それでも「生かされている」ことに
感謝をしましょう。
必ず、流れが変わっていきます。
「柔訳 老子の言葉 写真集」
著：谷川 太一より抜粋転載
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