「より良い智慧は真の安心に導いてくれる」
(独自の訳)
人の心とはすぐに動揺し、心配で揺れ、
自分自身で守り難く、制御するのが難しいです。
しかし智慧のある人は、
これをすぐに真っすぐに直します。
まるで、弓矢の達人が緩んだ弓の弦を張り直すようにです。
(原始仏典『ダンマパダ』第三章ー三十三番)
人の心こそは、この世のすべてであり、宇宙の正体です。
同じ景色を見ましても、見る人の心により、その色も印象も形も
微妙に違うのです。
その人の心が、その人に見える宇宙を決めています。
このような創造者のような意味を持つのが私たちの心なのですが、
これがコロコロとよく変わり、すぐに動揺して揺れ動きます。
もし、自分の心を安定させることができますと、
その人に見える景色も善の方向に安定します。
そこで釈尊は、自分の心が動揺しましても、
緩んだ心の弦を淡々と張り直すことが大切であり、
その手段として智慧が人間には大切だと述べています。
自分を真から安心させるのは、
他人ではなくてより良い智慧だということです。
より良い智慧がない限り、
人の心は際限なく暴走します。
そして、ここで言うより良い智慧とは、
法律や理論・理屈を知る知識や知恵だけではないのす。
理屈や理論だけで、
人の心の動揺を抑えることはできません。
釈尊の言われるより良い智慧とは、
(1)自分が愛情力を持つこと
(2)情け心を持つこと
(3)思いやりを持つこと
(4)母親のような温かい母性力を持つこと
(5)さらには、自分がそれらに執着することから離れること
を指します。善いことをしたら忘れることです。
でも、これだけでも完全ではありません。
人の心の動揺を抑えることは、まだできないかも知れません。
最後に必要なのは、「直感的な智慧」なのです。
心を安定させるには、
*この世の法則的な智慧と理屈
*前記の五つの心のあり方を意識することに加えて、
直感的な智慧として、
(6)先祖(遺伝子DNA)へ感謝をしていくこと。
(7)人類の心の奥に宿る良心(仏性)に対して、
たとえ現状が辛くても、
それでも自分が生かされていることへの感謝の意味で、
自分なりの感謝の言葉でもよいですから、
「ありがとうございます」を送ります。
この7つの心のあり方が、
理屈を超えて人間の心に変化を起こし、
不安に対する執着から離れ、真の安心に導いてくれます。
このようなことを知っておくことも、智慧なのです。
人の人生に違いを生じさせます。
休日は心の糸を緩め、平日は淡々と張り直していきましょう。
今日もより良く生きる智慧を与えて頂いて有難うございます。
皆さんの仕合せを心より念じております。
【柔訳 釈尊の言葉第一巻】著:谷川太一より抜粋転載
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日本人の道徳心
「武人の道徳」
果断で断固として行動するけれども、
常に平静で品位がある。
また、社会的なことには有用な人物であるけれども、
外的環境には左右されない。
ローマの武人たちは、
そういう人物になることを人生の目的として修養に励むようになった。
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今日の諺 「和洋折衷(わようせっちゅう)」
【意味】
日本と西洋の両方の様式を取り入れること。
「和」は日本風、「洋」は西洋風、
「折衷」はいくつかのことの
よいところを取り入れてうまく一つにするという意味。
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