「節度・節制・我慢力」
自分の中に尊い存在が居られることを
知る縁が持てたならば、自分自身のことを本当に大切に
しましょう。
コノ世には各人それぞれに応じた3つの大きな欲望が
ありますが、その内の1つだけでも良いから、自分なりに
我慢する習慣を持ちなさい。
それが出来る人が、本当に賢い人だと言えるのです。
(原始仏典 ダンマパダ12章-157番)
人間とは、自分では気付けなくても、生きる限りは何かの
欲望を抱えているからこそ、生きているとも言えそうです。
そして釈尊は、自分に色々な欲望がありましても、その内
の1つだけでも良いから、我慢して節制する意識が大切だ
と示唆します。
まずは、タバコでもよい、過食、お酒、夜ふかし、浮気、
浪費、賭け事、ゴミのポイ捨て、車のスピード運転、悪口、
自慢話・・。社会で良くないとされること、まず我慢する
意識が大事だと仰っています。
親は子どもが幼い頃から我慢を教えることが大切なのです。
手を付けれない子どもには、何かを我慢するという躾が家庭
でされてなかったことが多いいと児童専門員から聞きます。
この雑多で自由で欲望に満ちた社会の中でこそ、自分の欲望
を節制することが真の修行と成り、その真摯な態度か自分に
考える機会や深い「気づき」をもたらします。
何かを我慢することがカッコ悪いとか、無駄であるどころか、
自分を精神性と実践のバランスを高める人間が、全世界では
とんでもなくカッコイイのです。だから共生を伝える仏教文
化や、スティーブ・ジョブズが傾倒し世界のビジネスパーソン
たちに人気の「禅」が世界中で人気です。
また、日本が外国からの観光客に人気があるのは、意外にも日本
国民が持つ信じられないほどの「我慢力」にあります。節度・節制
・我慢力・忍耐力・・・、これらの奥に紙幣にも選ばれた新渡戸稲
造が記した「武士道」への憧れを期待しているとも言えそうです。
さて、哲学者で教育者の森信三先生は「一生の基礎は十五までに決
まる」と仰っています。人間の一生の基礎は、十五歳までに決まり、
子どもに我慢を教えることが、その子の運命を変えると言えます。そ
して、我慢することが社会での真の修行となり、本当に大切な自分
に内在する大いなる存在を気付かせる切っ掛けにも成り得ます。
もし、自分に内在する尊い存在に気付ければ、その人はコノ世
でもアノ世でも、そのいのち(心)は真の勝利者なのです。これ
には本当に凄い意味と価値が有るのです。
今日もより良く生きる智慧を与えて頂いて有難うございます。
皆さんの仕合せを心より念じております。
【柔訳 釈尊の言葉第一巻】著:谷川太一より一部抜粋転載
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日本人の道徳心
「君子の道」
易経に「君子ハ豹変シ、小人ハ革面ス」という言葉がある。
君子というのは、心の底で納得した上で変わるので、
豹の斑紋が鮮やかなように変わる。
小人のほうは叱られれば「はあ、そうですか」と表面だけ
変えて妥協するのである。
おなじ変わるにも、心の底から変わっていくのは
自己表現であり、君子の道である。
外側の情勢次第で、あるいは人の顔色を見て変わるのは
小人の変わり方だ。本を読んで心から感動して変わるのは君子の
変わり方である。あるいは説教を聞いて改宗するというのは、
りっぱな変わり方であろう。
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今日の諺 「百人百様(ひゃくにんひゃくよう)」
【意味】
人の性質や考え方はさまざまだということ。
「様」は様子や姿かたちという意味で、
百人いれば百の姿があり、
一人も同じ人はいないということ。
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