「自身の自由の中には責任と因果が凝縮されている」
森の中を自由に動き回れる野生動物たちは、
感じるままに食べ物に近付くことが可能です。
このような完全に独立した自由というものを深く目指して、
知恵の有る人は、どんな交わり、集団の中に自分が居ましても、
自分一人で歩く覚悟を持ちなさい。
まるで1本角(ツノ)が立つサイのように一人で歩みなさい。
(原始仏典 スッタニパータ 第1章3節-No.39)
この項を人間社会における仕事に言い換えて見ましょう。
* 社会の中には無数の仕事が存在しています。
* 人は、自分の好みと自分の能力に合わせて、
その中から仕事を選ぶことが可能です。
* 自分が選ぶ仕事が人生を決めます。
* その自由に選ぶ、という不思議の縁を深く追求しなさい。
* その時、人は生きる知恵を持つことが最重要です。
それが、その人の人生を決めます。
* 生きる知恵を持つ者は、集団の中に自分が居ましても、
その中でも自分一人で求道する精神を持ちなさい。
未来は白紙です。が、
①努力を継続する人。
②誠意のある人。
③感謝の思いを持てる人。
このような人の未来には、今の白紙の時点でも確実に
その因子が育っています。
未来へのベクトルが、その努力具合で発生している
のです。つまり、努力を継続する人の未来は読みやすい。
努力をしない人の未来は白紙の不安定な未来のまま、と
いえます。
で、今がアルバイトや平社員の人であっても、将来に成功
する人、仕合せに成れる人に欠かせない要素が、
④今どんな下の位置であろうが、自分が経営者になった
つもりで、自分が経営者の代わりに、全体を盛り上げる
配慮、全体を思いやれることができる気持ちを、安い給料
の中でも持てる人。このような人の未来はより良いもの
になると感じます。
ただ、④を持てるか否かは、天性の素質で在り、育ちの
反英であり、家系の状態を表しているとも言えます。
大半の人はアルバイトならば、
*安い日給なんでとりあえずでいい。
*今日も早く終わらないかな。
*あいつばっかり楽してる。
このように不平不満ばかりを思い、他人の悪い所ばかりが
目に入り、仕事中も心ここに在らずです。その店舗や、
会社に入れば、こういう人がすぐわんります。このような
人の未来は。そして死後はそれに応じたものになっていく
でしょう。
だから、会社の職場で嫌な他人が気になる人は、要注意です。
無駄な漏電ばかりして、心身ともに疲れるばかりです。
もっと自分の仕事を見て、こんな恵まれた日本の環境の中で
仕事をさせて頂いていることに感謝し、人様のためにもひた
むきに努力することが大切なのです。
この項の言葉に戻りますと、
* たくさんの中から自分が自由に「選べる能力」という
事への求道を深める大切さ。
* どんな中に居ても、その中で生きる知恵を持とうとする
意識の重要性。これを釈尊が指摘されています。
つまり、
* 自分の生活の中で、より自由に選択が出来るように努力
すること。
* 自分がする自由な選択の中には、自分の生き方から生じ
る色々な因果や縁が凝縮されていること。
* 生活の知恵を持つことが重要であること。
* どんな集団の中に居ても、自分独りの求道の場にすること。
このようなことを意識することを参考にして頂ければ幸いです。
今日もより良く生きる智慧を与えて頂いて有難うございます。
皆さんの仕合せを心より念じております。
【柔訳 釈尊の教え 第一巻】著:谷川太一より一部抜粋転載
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