● 一 人の声に揺れぬ人でありなさい
悪口も噂も、ただの「音」にすぎません。
音に価値を与えるのは、いつも 自分の心 です。
心の根を深くすれば、
どれほど風が吹いても倒れません。
「私の価値は、私の心が知っている」
そう静かに言える人は、すでに仏の姿を宿しています。
● 二 世間の“網”を通り抜ける力を持ちなさい
お金、承認、評価、欲望。
世の中には心を引き寄せる“網”が無数にあります。
しかし
あなたを縛っているのは、網ではなく 執着する心 です。
心がつかまらなければ、
どんな網も、あなたを捕まえることはできません。
自由は、外ではなく 内側 から始まります。
● 三 泥の中でも濁らぬ蓮でありなさい
世間の泥は無くなりません。
怒り、妬み、不満、不条理……。
泥を嫌うと、心が先に濁ります。
泥があっても汚れない蓮のように、
「私の心だけは濁さない」と静かに決めなさい。
その決意が光となり、
泥はあなたに触れられなくなります。
● 四 どんな群れにいても“心は一人で立てる人”でありなさい
人と協力し、寄り添い、愛してよい。
しかし 心の中心だけは他人に預けてはならない。
人は誰しも、最後の一瞬を一人で旅立ちます。
この真実を知るとき、
いま隣にいる人たちの存在が
いっそう温かく、愛おしく感じられるでしょう。
◆ 結び
仏陀を目指すとは、
特別になることではなく、
余計なものを手放していく旅 のことです。
風に揺れず、
網につかまらず、
泥に染まらず、
そして独りで立つ覚悟を持つ。
その道を一歩進むたび、
あなたの内側の“仏さま”は
静かに目を覚ましはじめます。
南無阿弥陀仏。
(原始仏典 スッタニパータ 第1章3節-No.71 私的な訳)
