
「心の安定が人を自由にする」
目の視線は常に静かにして、
斜め下方を見て虫を踏むこと無く歩き、
常に斜め下方の視線で座ること。
大勢の人が居る喧騒を好んで、
あちらこちらへと歩き回らないこと。
他からの刺激に心が乱されることが無いように、
自分の心が防御されている姿勢で常に居ること。
自分の自我(ワレヨシな怒り・妬み・嫉妬・色情・欲・・・)
が他人に出ないように自分でコントロールしていること。
他人の自我の影響も受け取らない心境で居ること。
どんな交わり、集団の中に自分が居ましても、
自分一人で歩く覚悟を持ちなさい。
まるで1本角(ツノ)が立つサイのように一人で歩みなさい。
(原始仏典 スッタニパータ 第1章3節-No.63)
目線を整える ― 心を静める第一歩
人は「見る方向」で心の向きも決まります。
仏像の目が少し下を向いているのは、
外界に惑わされず、内なる静けさを見つめるためです。
自分一人でいるときは、
軽く目を斜め下に落として過ごすと良いでしょう。
それだけで、心は自然と落ち着き、
余計な思考が静まっていきます。
ただし、学校や職場では別です。
人と関わるときはしっかりと正面を見て、
相手に安心と礼を示しましょう。
“斜め下を向く”ことは、
逃げではなく、内省と集中の姿勢です。
この視線は、他人の感情や外の刺激に
必要以上に巻き込まれない「心の防御」でもあります。
他人に乱されず、自分も乱さない
現代の生活では、人の言葉や態度に
心を揺らされる場面が多いものです。
しかしそれは、自分が「受け取る」姿勢になっているから。
日々の中でこう言い聞かせましょう。
「私は他からの影響を受け取らない」
そう意識するだけで、
心は自然と自立し、他人の言動に振り回されにくくなります。
そして同時に、
「自分も他人の心を乱さない」
という姿勢を大切にしてください。
これを意識する人は、
穏やかで、どんな場でも信頼される人になります。
心の安定が、人生を自由にする
人の心は生きています。
でも、私たちの「表層意識」は案外、機械的な反応をします。
だからこそ、意識の方向づけ=日々のプログラムが大切です。
「影響を受けない」「穏やかでいる」
そう自分に語りかける習慣が、
心を訓練し、精神の安定を生みます。
結果として、
輪廻(生まれ変わりや繰り返しの苦しみ)からも、
少しずつ自由になっていけるのです。
「心の静けさ」を楽しむ
心を整えるとは、
世界から離れることではなく、
この世をより深く味わう準備です。
静かな心で見れば、
日々の景色も、人の笑顔も、
かけがえのない「今ここ」に輝きを取り戻します。
だから、焦らず、比べず、
ただ「心の安定」を育てながら、この世を楽しみましょう。
今日もより良く生きる智慧を与えて頂いて有難うございます。
皆さんの仕合せを心より念じております。
参考文献【柔訳 釈尊の教え 第一巻】著:谷川太一
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