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「自分に宿る一つなる存在に気づくこと」6/9(金)

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天は「一つなる存在」を授かって

地球原初の混沌とした空が澄み渡り、

大地は「一つなる存在」を授かって安定し、

神は「一つなる存在」を授かって精霊となり、

渓谷は「一つなる存在」を授かって水で満たされ、

万物は「一つなる存在」を授かって誕生し、
王様たちは「一つなる存在」を授かって、

天下を治める立場になりました。

コノ世のすべてを生じさせるのは、

「一つなる存在」なのです。

名誉を数多く得るための行動をしますと、

逆に真にほめられることはないでしょう。

美しい宝石のように自分がなろうとは欲せずに、

ありふれた普通の石でありなさい。

つまりは、美しい宝石や普通の石などと、

区別する意識を自分自身が持とうとはせずに、

ただ「一つなる存在」を

自分がすでに持つことに気づくことが

コノ世のすべてなのです。

一つなる存在=根源的な存在」と言えます。

その大いなる「一つなる存在」は

私たち全員にも宿っています。

だから、人間は何を比較したり、

悩んだり、苦悩したり、

自分を卑下する必要があろうか?

と老子は言うのです。

人間が気づくべき最も大切なことは、

自分自身に内在する

「大いなる一つの存在」です。

これを人間は、

誰もが最初は自分の外部に探し始めるのです。

しかし、いつまで経っても

「わからない」「安心⋯⋯という

長い人生の旅をします。

人間は死ぬまでに、

自分に内在する「一つなる存在」に気づければ、

それが人生の大きなゴールなのです。

 

そしてさらに大切なことは、

「一つなる存在」を授かって

終わりではないのです。

それをどう自分が「生かしたか?」により、

運命が決まるのです。

自分が授かった「一つなる存在」を、

生かし切る、大切に育てる意識を持つことが、

自分自身が大いに生かされる幸運につながります。

これは人生の大切なエッセンスです。

これを知るだけでも、人生は変わります。

 

「柔訳 老子の言葉 写真集」

著:谷川 太一より抜粋転載

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