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2013年12月

vol. 6382
「誘われたら出かけてみる」  (2013/12/30 [Mon])
 言うまでもないのですが、
人間関係とはお互いのつながりでできています。
学生時代のつながりというと、友人、
アルバイト仲間位のものかと思います。


しかし、社会へ出ると、会社のつながりをはじめ、
取引先や同業他社など、直接自分が知っている人だけで
ないところからも、交流の輪がグッと増えます。
ですから、「こんなイベントするから来てほしい」と
いうようなお誘いも結構あるものです。


「今度、30人くらいでパーティーを開くんですが、
よかったら来ませんか?」
「仲間内で、近くの温泉に一泊旅行する計画を立てるんだ。
旅館の料理がとてもおいしいから、
あなたにもぜひ来てほしいんだけど……」
「私の知り合いが、クラシックコンサートに出演するの。
一人だけだと行きづらいから、
よかったら一緒に行きませんか?」といった具合です。


 こんなとき、人とのつながりを大切にする人は、
なるべく都合をつけるようにして、
「いいですよ。喜んでいきます」と快く引き受けます。
そして、出かけた先で相手とより親しい関係になり、
新しい出会いに恵まれたり、新しい趣味を見つけたりして、
毎日楽しく過ごすことができるのです。


 そもそも、誘われるということは、
相手があなたの好意を持っている証拠です。
「この人は声をかけたら、きっと私のお願い
を受け入れてくれるだろう」と思ってくれているわけですから、
その気持ちをありがたく聞き入れれば、
相手に喜びを与えることができるのです。


 「大切な人との絆を強める」というと
なんだか難しそうに感じる人でも、
誘いに応じて参加することは簡単だと思います。
ですから、「疲れているから」「面相くさい」
などと言わずに張り切って出かけてみましょう。
新しい絆が生まれることは間違いありません。


「切れない絆をつくる」より抜粋

 

vol. 6381
「ボランティアに参加する」  (2013/12/29 [Sun])
 自分の力を貸すのは、特定の人が相手とは限りません。
ボランティア活動に参加して、身体が不自由だったり、
家庭環境が恵まれなかったりといった、


困っている人たちの力になることでもいいのです。
その場合は、誰かとの絆を強くするということとは、
少し目的が違ってきます。


もちろん、ボランティア先で知り合った人と
新しい友情が生まれるというようなこともあるでしょう。


しかし、それはボランティアを体験することで
得られるもののメインではありません。


 実は、ボランティア活動を通じて、
「人のために自分の力を使う」という行動をすることで、
人は必ずといっていいほど、ある学びを得ることができます。
それは、「人のために何かをして感謝されることほど、
幸せなことはない」という気づきです。


 老人ホームでボランティアを体験した女子大生は、
終わったあと、からだは疲れたものの、
心は満たされていることに気づきました。


その日、彼女は老人の食事を介助したのですが、
たくさんのお年寄りから、「ありがとう」と言われ、
「こんな自分でも役に立てるんだ」とうれしくなったのです。


 それから、彼女は定期的にその老人ホームに通い、
お年寄りの介助をしています。
それまでの彼女は引っ込み思案なタイプでしたが、
それからは、何か困っている人がいれば、
積極的に声をかけて手伝うようになりました。


 このように、ボランティア活動をしたのがきっかけで、
自分の中に眠っていた「奉仕」の気持ちが目覚めるケースがあります。
すると、日常生活の中でも人助けをすることが抵抗がなくなり、
周りの人との絆づくりにつながっていくのです。


 「切れない絆をつくる」より抜粋



vol. 6380
「相手の趣味や「好きなこと」を応援する」  (2013/12/28 [Sat])
 人間は、一人ひとり性格も違えば、価値観も違います。
こう言われると、「そんなことは当たり前だ」と思うかもしれません。


しかし、それをわかっているはずの多くの人たちも、
無意識のうちに「自分の好みや考え方がナンバーワンだ」
と思い込んでしまい、他人の価値観を快く受けられない、
ということはよくあります。
 

 たとえば、クラシックを聴くことが何より好きと言う人は、
ロックやポップスなどに夢中になっている人を見ると、
「クラシックこそ本物の音楽なのに、
なんでこの良さが理解できないの?」と
感じるのではないでしょうか。


中にはその思いを口に出して、
相手に不愉快な思いをさせてしまう人もいるかもしれません。
しかし、それでは同じような価値観を持った人にしか
心を開けないということになり、人間関係を広げること
が難しくなってしまいます。


 趣味や好みというのは、その人の個性そのものです。
その個性の部分こそ、「その人らしさ」が詰まっているのです。
ですから、人を見るときに、好みの違いに注目するよりも、
「この人はどんなことが好きなんだろう?」
と興味を持つようにしましょう。


 そして、実際に好きなことについて、詳しく聞いてみてください。
相手は自分の好みに興味を持ってくれたことに、
喜びを感じてくれるでしょう。もしかしたら、
面白いエピソードを聞かせてくれるかもしれません。


 自分とは価値観が違っていても、相手の好きなことに興味を持ち、
それを応援することで、その人の心に触れることができ、
会話が弾むきっかけになります。


きっと相手もあなたの好みを知りたくなり、
二人は徐々に絆を深めていくことができると思います。


「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6379
「相手のよろこぶポイントを見抜く」  (2013/12/27 [Fri])
 甘いものが苦手な人に、ケーキを贈っても喜ばれません。
タバコを吸わない人に、タバコをプレゼントすれば、
迷惑がられるだけです。相手の力になりたいと思うなら、
相手が求めていることを知ることが大切です。


 ある女性は、母の日に母親に喜んでほしくて、
「何か買ってほしいものがある?」と聞いてみました。
すると、意外な返事が返ってきました。
「何もいらない。それより、お父さんに優しくしてあげて。
お父さん、あなたと最近は口もきいてくれないと言って、
寂しがっていたから」と言うのです。


 実は、その女性は子どもの頃しつけに厳しかった
父親のことがあまり好きになれず、大人になってからも、
なんとなく距離を置いていたのです。


そんなことを言われるとは夢にも思っていなかった彼女でしたが、
さっそく、その場で父親に電話して、元気な声を聞かせてあげました。


 すると、母親は、「ありがとう。お父さん、きっとうれしいと思うよ」
と言って、目に涙をためて喜んだのです。
母親にとっては、ずっと気がかりだった娘と
父親の関係を少しでもよくすることが、何より望みだったのです。
高級ブランドのバックをもらうよりもずっと、そのほうがうれしいのです。


 どうしたらその人の力になれるのか。
そのことに意識を配りましょう。
そして、実際の力を貸して、喜んでもらいましょう。
大きな喜びを与えることができれば、その分だけ、
自分と相手をつなぐ絆は太くなるのでしょう。

「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6378
『「知っていること」を惜しまずに教える』  (2013/12/26 [Thu])
 知っていることを教えてあげるのも、
人に喜ばれる手段のひとつです。
仏教でも、知識を与えることを「知施」と言って
布施の一部になっています。
「でも、自分には人に教えるような立派な知識は持っていない」
という人がいるかもしれません。


しかし、意外かもしれませんが、
「自分ではこんなこと知っていて当然と思うことも、
分野の異なる人たちから見たら、
まったく知らない内容だったりするのです。


それに、自分がこれまで体験したことから得た感想や体験談などは、
自分にだけしかわからないことです。
そういうことを教えてあげるのも、
人には喜ばれることがあります。


 N子さんは、同じ会社の同僚から、
「友人が、N子さんが前に勤めていた会社の入社試験を受けるので、
ちょっと話を聞いてあげてほしい」というお願いをされました。
「私が勤めていたときと今とでは、事情が変わっているから、
参考にならないと思いますよ」などと言って、
相談を断ることもできたでしょう。


しかし、N子さんは、「私でお役に立てることなら」と言い、
「社内の雰囲気はどんな感じでしたか?」
「若い人が働きやすい職場ですか?」と言ったたくさんの質問に、
イヤな顔ひとつせず、答えました。
そのN子さんのその対応をありがたく思った同僚は、
その後、N子さんに好感を持つようになり、二人は親友になりました。


 N子さんにとって、自分の体験を話すだけなので、
難しいことではありませんでした。
しかし、そのことが、相談者や仲介した同僚にとっては、
とってもありがたいことだったのです。
このように、自分の知識を教えることが人助けになることがあります。


「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6377
「知り合いを紹介する」  (2013/12/25 [Wed])
 人の力になることの代表に、自分の知り合いを紹介することで、
相手を応援するということがあります。


人との絆は、簡単に築けるものではないという意味では、
その人の財産といえます。人脈は大事なものだからこそ、
自分の知り合いを誰かに勝かいすると、
相手を喜ばせることができます。


 世の中の成功者と呼ばれるような、経済的にも恵まれていて、
私生活も充実している人たちは、人をよく紹介し合います。
誰かが税金対策で困っているといえば、
その人がお世話になっている税理士さんを紹介したりするような場面は、
しょっちゅう見られます。


 その親切の陰には「こうして、縁があって出会った人には、
自分と同じように幸せになってほしい」という願いが、
隠れているようです。彼らはそうやって、
相手のためにすすんで自分の力を貸すことで、
その相手との絆を強くします。


その縁が将来、ビジネスにつながり、
さらに大きな成功を手にするようなこともあります。
これは、多くの人にかけた情けが、巡り巡ってその人のもとに
返ってきているとも考えられます。


 「自分の知り合いを紹介するなんてイヤだ」
と考える人もいるでしょう。確かに、その気持ちもわかります。
人を紹介するときは、人助けになるものです。逆にいうと、
誰かが自分に大切な人を紹介してくれたときは、
きちんと感謝をするようにしましょう。


「切れない絆をつくる」より抜粋


vol. 6376
『「いいこと」は一人占めせず人とわける』  (2013/12/24 [Tue])
 自分の持っているものを分け与えることで、
相手を喜ばせてあげることができます。


「分福」とい言葉を知っているでしょうか?
意味は読んで字のごとく、「福を分ける」ということです。
明治の文豪、幸田露伴が言った言葉です。


 たとえば、ご近所の方からメロンをもらったとします。
そうしたら、自分ですべて食べるのではなく、半分に切って、
半分を人に差し上げるのです。


この考えの背景には、「自分ひとりで喜んだって仕方ない。
周りの人も一緒に喜んだ方が、幸せではないか」
という考え方があります。


 ところが、実際に自分のところに幸福が転がり込んできたときに、
人に分け与えることができる人は、そう多くないようです。


その証拠に、日本ではあちこちで、相続争いが起こっています。
相続が発生し、両親が残してくれた財産を兄弟で奪い合った結果、
せっかくの家族の絆が壊れてしまうことも珍しくないといいます。
天国の両親は、そんなことを望んではいないと思うのですが、
欲に目がくらむと、そうなってしまうのです。


 分福精神がないということは、別の言葉でいえば、
ケチです。そういう人たちは、自分がたくさんの絆に
支えられて生きてきたことを忘れて、
「自分さえよければいい」という態度をとるため、
人から嫌われます。しかし、人は、周りの人たちとの絆がなくては
楽しい人生を送ることがむずかしくなってしまうのです。


 メロンを、一人で全部食べれば、
それは贅沢な気分を味わえるでしょうが、
その喜びは、長くは続きません。


しかし、小さくカットして、仲間と一緒に楽しく
メロンパーティを開けば、その楽しかった思い出や、
相手との関係性は、その後もずっと長く続いていくのです。

「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6375
「少しだけ余分な手間をかける」  (2013/12/23 [Mon])
 相手に何かを頼まれたときは、頼まれたことだけをやるのではなく、
ちょっとだけ余分な仕事を付け加えるようにしましょう。


それだけで、「この人は気が利くな」「思いやりのある人だな」
という、小さなプラスの印象を与えることができます。


 たとえば、OLのS子さんは、同僚のE子さんに、
「今晩、ちょっと聞いて欲しいことがあるんだけど、
仕事のあと、食事につきあってくれる?」とお願いされました。
S子さんは、その日は特に予定がなかったので、「いいですよ」と答えました。


 しかし、S子さんはそれだけではなく、どうも相手の様子から、
何か特別な深い話があるようだと感じたことから、
すぐに二人きりでゆっくり話せる「個室」のある
レストランを探して予約を入れました。「


ゆっくり話せるようなレストランを予約しておいたからね」と
E子さんに伝えると、E子さんは
「S子さん、気を使ってくれてありがとう」と、喜んでくれました。


 E子さんの相談ごとは、新しくやってきた上司とそりが合わなくて
こまっているというんものでした。
S子さんが、E子さんのグチを黙って聞いてあげると、
E子さんは気持ちが落ち着いた様子で、
次の日は元気になって会社にやってきました。


 S子さんはいつもこんな調子なので、会社ではとても人気者です。
そのおかげで、以前、Sこさんが体調を崩したて入院したときは、
同僚たちが進んでS子さんの仕事をフォローしてくれました。
S子さんがこれまで築いてきた絆が、自分を助けてくれたのです。

「切れない絆をつくる」より抜粋

 

vol. 6374
「自分から先に力を貸す」   (2013/12/22 [Sun])
 心理学には「行為の返報性」という法則があります。
簡単に説明すると、「人に好意を与えると、好意が返ってくる」
ということです。


 この法則は、人との絆を強める場合にもあてはまります。
なぜなら、相手に好かれれば、その相手との
絆は自然と強まるものだからです。


ですから、「この人とはもっと親しくなりたい」と思ったら、
まず、自分の側から相手に好かれるような行動を示すことが大切です。


恥ずかしがって、相手から声をかけてくれるのを待っているようでは、
いつになるか分かりません。


 このとき、「あなたともっと仲良くなりたいので、
力にならせてください」なんて、改めていう必要はありません。


思いやりを持って、「こういうことをしたら、
相手に喜んでもらえそうだ」ということを、
自分に無理のない範囲で実行すればいいのです。


たとえば、パソコンが苦手な上司が困っていたら、
自分の担当でなくても、「私、パソコンが得意なので、
よろしければ、お手伝いします」と声をかけてあげましょう。


 「恥ずかしいから」「でしゃばりだと思われたらイヤだ」
「自分からではなく相手から歩み寄ってほしい」
などという考えでいると、いつまでたっても
相手との距離は縮まりません。
下手なプライドは、この際、捨ててしまいましょう。


 「人のために、自分に何かできることはないか」
ということを意識して生きていると、
人望のある人になることができます。

そして、力を貸した相手との絆も強くなるのです。


 「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6373
「どんな死に方をしたいか考えてみる」  (2013/12/21 [Sat])
 自分の死を意識することで、今をどのようにして
生きればいいかのヒントを得られることがあります。


ある実業家の男性は、自分が死んだとき、たくさんの人に、
「ありがとう」と言ってもらえるような人間になることを、
常に意識しているそうです。



ですから、人をだますようなことは絶対にしませんし、
誰に対しても誠実で、人から喜ばれるようなことをたくさんしています。
人の恨みを買うような商売をしたら、
理想の死に方ができなくなってしまうからです。


 ネイティブ・アメリカンの言葉に、次のようなものがあります。

「あなたが生まれたとき、あなたは泣いていて、
周りの人は笑っていたでしょう。
だからあなたが死ぬときは、あなたが笑い、
周りの人々は泣いているような人生を送りなさい」


 これこそ、多くの人が目指す死に方ではないでしょうか?
誰だって、自分が死んだことを誰も悲しんでくれないような未来は、
想像したくないはずです。そして、このような死を迎えるためには、
生きているうちにたくさんの人と接し、たくさんの人の役に立ち、
感謝される人間になっておくことが必要です。


 自分が、どんな死に方をしたいか、
考えたことがある人は多くないでしょう。
しかし、これを機に、死について真剣に考えてみると、
周囲の人たちとのつき合い方が変わってくるかもしれません。


「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6372
「自分からあいさつをする」  (2013/12/20 [Fri])
 恥ずかしがり屋の人にとって、
あいさつはできるだけ避けたい問題です。
「今声をかけたら、気づいてもらえないかも」
「そんなに親しい間柄ではないから、
なれなれしいと思われるかもしれない」
「返事をしてもらえなかったらイヤだな」
そんな理由から、結局あいさつができなかった、
という経験は誰にでもあるでしょう。


 しかし、あいさつは相手との絆を強める高い効果があります。
「おはようございます」「おつかれさまでした」
そんな言葉を毎日かけあううちに、
自然と仲間意識がわいてくるのです。
挨拶ができる関係になっておけば、
それ以上に親しくなるチャンスはいくらでも訪れます。


しかし、顔を合わせるがあいさつはできない、
という関係のままでは、そこから先にはなかなか
進めなくなってしまいます。ですから、
親しくなりたい相手がいるなら、できるだけ早い
タイミングで、自分から声をかけて、
あいさつを交わす関係になっておくことです。


 あいさつには遠慮は禁物です。
万が一、相手から返事が返ってこなかったら、
それは遠慮がちに声をかけるあなたの元気が足りないために、
相手が気づかなかったもかもしれません。


次の機会にはもっと元気にあいさつをしましょう。
また、相手と親しいからといって、
あいさつを「省略」してしまうのもよくありません。
「あいさつ」は、絆をつくる第一歩であり、
絆を保つ大切な言葉でもあります。

いつだって、元気で礼儀正しい人は、
人から好かれるのです。


 「切れない絆をつくる」より抜粋

「ときには言いたいことをハッキリいう」  (2013/12/19 [Thu])
 人づきあいにおいて、譲歩する気持ちはとても大切です。
しかし、いつもいつも、「私が意見することで、相手を傷つけたくない」
「彼には彼の言い分があるだろうから、私の意見は言わないでおこう」と、
言いたいことをため込んでしまうのは、お互いのためになりません。
なぜなら、厳しい言葉でも、飲み込んでしまうより、
言ってあげた方が相手のためになる、ということもあるからです。


 たとえば、親は自分の子どもに対して、ガミガミトうるさいものです。
「勉強をしっかりやらないと、希望している大学に入れないわよ」
「仕事の方はどうなの?世の中に役に立つような仕事をするんだよ」
といった具合に、何かにつけて、声を口を出してきます。


 子どもとしては、「余計なお世話だな」「放っておいてほしい」と思い、
つっけんどんな態度をとってしまいがちです。
それでも、親は子どもが心配なので、簡単には引き下がりません。
なぜなら、「注意」や「おせっかい」という行動の奥底には、
深い愛情があるからです。子どもにうとましく思われようと、
いいたいことをハッキリ口にすることで、愛情をかけているのです。


 実際に、親になってみないとなかなか理解しにくい感情だと思いますが、
相手のためを思うからこそ、あえて苦言を伝えることも、
ときには必要だということです。
たとえ、その言葉が相手にとって傷つく内容のものでも、
場合によっては言わなければならないこともあります。


 そのときは、ハッキリと注意することで、
結果的に相手を救うことだってできるのです。
心から感情を持って接すれば、
苦言を伝えたくらいでは絆は壊れたりしません。


 「切れない絆をつくる」より抜粋


vol. 6370
「自分の失敗談を明るく話す」  (2013/12/18 [Wed])
 大切な人との絆を強めるためには、
あえて自分の失敗談を話すことも効果的です。


「失敗談はマイナスの言葉ばかり使うから、
相手の気分も悪くなるのでは?」と思う人もいるかもしれません。


確かに、暗い顔をして深刻そうに話すと、
相手の気持ちもマイナスへ傾きます。


しかし、ユーモアを交えながら、明るい雰囲気を演出すれば、
相手への負担にはなりません。


 たとえば、テレビのトーク番組を見ていて、
政治家や評論家など、立派な肩書を持つ人が、
「私も新人の頃は、仕事の覚えが悪くて、
先輩によく怒られたものです。


といったように明るく失敗談を語っている姿を見て、
思わず安心してしまうことはありませんか。


「こんなに偉い人でも、うまくいかないことがあったんだな」と思い、
共感するからです。芸人やアイドルもそうですが、
自分が失敗したときのエピソードを中心に披露しているタレントの方が、
いいイメージを持たれるといいます。


 そして失敗談は、特に相手が落ち込んでいるときこそ、有効です。
たとえば、親友が転職するための面接で大失敗をしてしまい、
不採用になってしまったときは、
「僕も面接試験では上手に振る舞えたことなんてなかったよ」
といった具合に、過去の自分を笑い飛ばしながら、
話してあげましょう。


 人は失敗すると落ち込んで、どうしても悲観的になるものです。
だからこそ、相手の気持ちを察して、明るく接してあげられる人は、
特別な存在にうつるのです。


「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6369
「文句ではなくリクエストを言う」  (2013/12/17 [Tue])
 相手のいやな面が目について、つい文句を言いたくなることがあります。
しかし、文句はマイナスのエネルギーが強い言葉なので、
言えば相手との絆にマイナスの影響を及ぼします。


だからといって、何も言わないのもストレスがたまるし、
相手のためにもならない、というときは、言い方を工夫しましょう。


 具体的には、文句を言うかわりに、「要望」を伝えるのです。
「どうして、あなたはいつも約束に時間に遅れるのですか?
こっちだってヒマじゃないんですよ。
ちゃんと来てくれないと困りますよ」


そんなふうに怒鳴ってやりたくても、そこはグッとこらえましょう。
その代わりに、落ち着いて、自分がどうしてほしいかを伝えるのです。


 「今日は、何か事故でもあったかと心配しましたよ。
次回は時間通りに来ていただけると、うれしいです」
こんなふうに、「自分がどう思っており、どうしたいと思っているのか」
を言葉にすると、相手は素直に受け止めてくれるでしょう。


「あなたな○○だ」という言い方で厳しいことを言われると、
相手は、怒られているような気分になり、
「仕方ないじゃないか。こっちだってヒマじゃないんだよ」
と言い返したくなるのです。


 この二つの言い方は、「アイメッセージ」と「ユーメッセージ」
と呼ばれています。日ごろから、「あなたは○○です」
というメッセージで話すことが多い人は、
つい文句を言ってしまいがちです。


意識的に、「私は○○だと思います」という
アイメッセージを増やすことで、その場の雰囲気を壊すことなく、
自分の気持ちを相手に伝えることができるでしょう。

「切れない絆をつくる」より抜粋


vol. 6368
「楽しかった体験を伝える」  (2013/12/16 [Mon])
 「先月のハワイ旅行、とても楽しかったわよ。
念願のパワースポットにも行けたから、
あなたもそのパワーを分けてあげたいの」


「この前のバーベキューパーティー、とても楽しかった。
おもしろい人もたくさん来ていて、料理も最高だったよ。
やっぱり自然なのかにいるとホッとする」このように、
自分が楽しかった体験を伝えることで
相手との絆を深めることもできます。


 こう言うと、「自分が楽しくても、相手が楽しいとは限らないし、
自慢話をしているようで、相手の気分を害するのではないか?」
と不安に思う人がいますが、自慢話と
楽しかった話とは根本的に違うものです。


実際に話を聞いていると、よくわかりますが、自慢話とは、
必要以上に自分のことを大きく見せたい、目立ちたいと
いう気持ちが前面に出るものなのです。


「話を聞いているだけで、疲れる」「話を合わせるのがうっとうしい」
などと感じるのが自慢話の特徴です。一方、楽しい話とは、
話人からプラスのエネルギーがわき出ています。


「あなたに楽しい気分になってほしい」
「この嬉しさを分けてあげたい」という純粋な気持ちからの会話なので、
相手もつられて楽しくなってしまうのです。


「今日プールに入って、バシャバシャ泳いで、
楽しかったよ」といった具合に、小さな子供が、
岡さんに自分の体験を一生懸命伝える姿は、
周りの人を笑顔にするのと同じことです。


 ですから、意識的に相手の心が明るくなるような話題を選びましょう。
そうすれば、「あなたと話すと、元気が出るから、
また話したくなる」と思ってもらえて、
強い信頼関係が築きやすくなるのです。



「切れない絆をつくる」より抜粋



vol. 6367
「『大切な人の悪口は言わない』と決める」  (2013/12/15 [Sun])
 マイナス会話の代表はグチと悪口です。
グチや悪口は、言う方の心も、
聞いている方の心もマイナスの状態にします。


そして、マイナスの状態になったもの同士は、
お互いに相手のマイナスの部分しか意識できなくなるので、
関係が悪化することもままあるのです。


 J子さんにはM子さんという、
幼稚園時代からずっと一緒の幼なじみがいました。
休日はたいてい一緒に行動し、会えない日には電話をするなど、
周りからも「本当に二人は仲がいいね」と羨ましがられていました。


 しかし、あるときM子さんが、
「日曜日は会社の同僚と上司の家におじゃますることになったから、
約束を延期してほしい」と申し出たところ、
J子さんはカンカンに怒りました。


そして、周りの友人たちに、
「M子は、私のことよりも会社の仲間の方を大切にしている」
「M子は誰にでもいい顔をする。八方美人な性格だ」などと、
悪口を言いふらしました。


はじめのうちは同情して
聞いてあげていた周りの友人たちも次第にあきれ、
「会社の人たちとの関係も大切にしたいM子さんの気持ちも
わかってあげないJ子さんは、思いやりのない人だ」と感じ、
J子さんと距離を置くようになりました。


人づてに悪口を聞いたM子さんは大きなショックを受けて、
それっきりJ子さんとは会えなくなってしまったと言います。


 これまで強い絆で結ばれていた関係でも、
悪口の強力なマイナスエネルギによって、
壊れてしまうこともあるのです。


理想を言えば、どんな相手に対してもグチや悪口は
言わない方がいいのですが、人は完璧ではないので、
つい言ってしまうこともあります。


最低でも、大切な人の悪口だけは絶対に
言わないことを心に誓いましょう。


「切れない絆をつくる」より抜粋



vol. 6366
『親しい相手にこそ「ありがとう」』  (2013/12/14 [Sat])
 「『ありがとう』という方はなにげなくても、
言われた方はうれしい。


『ありがとう』、これをもっと素直に言い合おう」
これは、経営の神様と言われた松下幸之助の言葉です。


 「ありがとう」と感謝することの大切さは、
誰に言われなくても、たいていの人はわかっているはずです。


たとえば、仕事でミスをしたときにかばってくれた上司、
就職活動で悩んだ時期に親身に相談に乗ってくれた先生など、
自分に対してプラスになる、特別なことをしてくれた相手には、
「ありがとうございます」と伝えることは自然にできると思います。


 しかし、両親や兄弟、恋人、友達などの身近な親しい人に
対してはどうでしょうか?


「今さら、『ありがとう』なんて照れくさくて言えない」
「お互いさまだから、今さら『ありがとう』なんて言う必要はない」
などと思ってしまい、心の中では感謝しているのに、
何も言わないでいる人もいるのではないでしょうか。


そういう人は、感謝することを難しく考えすぎています。
「ありがたいな」と思った瞬間に、口に出して伝えるだけでいいのです。


実家へ帰ったとき、母親が夕食を用意してくれたら、
「ありがとう。お母さんのご飯を楽しみにして帰ってきたんだ」
恋人が、仕事の合間をぬって、デートの日を空けてくれたら、
「忙しいのにデートの日を空けてくれて、ありがとう」
風邪をひいたとき、電話をかけてきてくれた友達には、
「気にかけてくれて、ありがとう」といった具合です。


「親しい人とは、もともと強い絆で結ばれているから大丈夫」
と安心しないで、「ありがとう」を伝え続けることが大切なのです。


「切れない絆をつくる」より抜粋


vol. 6365
「マイナス言葉には、やんわりとプラス言葉で返す」  (2013/12/13 [Fri])
 友達と会話しているとき、相手がどんな言葉を使っているか、
聞いてみてください。


そのとき、「うれしい」「楽しい」「幸せ」「ラッキー」「好き」
「運がいい」といったような言葉を多く耳にしたら、
ハッピーな気持ちになりませんか?


 逆に、「嫌い」「ダメ」「無理」「ツイてない」「不幸」
「つまらない」といったような言葉を耳にしたら、
心がどんよりと暗くなるのを感じるはずです。


このように、言葉には、心をハッピーにするプラスのエネルギーと、
心を暗くしてしまうマイナスのエネルギーを持つものが存在しています。


 普段なにげなく使っている言葉には、一瞬で人の感情を
左右するパワーがあります。ですから、大切な人との絆を強くしたいときは、
相手がハッピーになる言葉、つまりはプラス言の言葉を
使うように心がければいいのです。


 会社の受付をしているK子さんは、ハッピーな言葉を選んで
会話する名人です。営業担当の社員が、出先から戻ってきたとき、
「電車が遅れて大変だった。乗り換えに1時間も待たされて、
イライラしたよ」と不満げにもらしました。その会話を聞いて、K子さんは、


「おつかれさまです。何事もなく無事に会社に戻ってこられたので、
安心しました」と、優しく話しかけました。
すると、その社員は、笑顔でこう言いました。
「電車が遅れただけで、ケガ人も出なかったからよかったよ」
そして、足取り軽やかに、社内へ向かったのです。


 相手が「大変」「イライラ」というマイナスの言葉を選んでも、
K子さんはやんわりとプラスの言葉で返しました。
これこそが、相手への気づかいというものです。
マイナスの言葉を封じて、いつもプラスの言葉を使っていると、
相手の心はプラスのエネルギーで満たされます。
「また話したいな」と思われれば、自然と絆は強まっていくものです。


「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6364
「無理に励ますより、悲しみを癒してあげる」  (2013/12/12 [Thu])
 身近な人の死や予期せぬ事故、自然災害、発病など、
人は深く悲しいことがあると、
失意のどん底に突き落とされたような気持ちになります。


ショックが大きすぎて、食欲がなくなったり、
何もする気になれなかったり、自分を激しく責めたりと、
なかなか悲しみから抜け出せなくなる場合もあります。


もし、あなたの大切な人がそんな状況に陥ったら、
どう接してあげればいいでしょうか?


 まず重要なのは、励ましの言葉を安易に使わないことです。
「そんなに落ち込んでいないで、元気出そうよ」
「悲しい気持ちはわかるけど、またがんばろうよ」
といったような言葉は、相手の心を余計に傷つけてしまう可能性があります。

というのも、いつまでも落ち込んでいられないこと、
早く悲しみから立ち直って頑張らなくてはことを、
当の本人が一番よくわかっているからです。
「もう立ち直れないかもしれない」「生きる希望を見失ってしまった」と
絶望しているときは、何を言われても悲しくなるものです。


こんなときは「元気づけよう」とか「何か気のきいたことを言わなければ」
とか思わずに、とにかく悲しみを受け止めてあげることです。


たとえば、相手が涙を流しているなら、
そっとハンカチを差し出してあげましょう。
何も言わなくてもいいので、ただ、そばにいてあげましょう。
心が癒されるような自然のきれいな場所に連れて
行ってあげるのもいいかもしれません。


 プラスのエネルギーを与えるというよりも、
悲しみのマイナスエネルギーを徐々に減らす
手助けをしてあげるのです。そうすれば、
次第に悲しみが癒されて、気持ちも落ち着てくると思います。
当然、優しさに励まされた相手との絆も強まることでしょう。


「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6363
「相手の幸せを一緒に喜ぶ」  (2013/12/11 [Wed])
 相手に何か幸せな出来事が起こったときに、
「おめでとう!よかったね」と一緒に喜ぶだけで、
相手の気持ちは満たされます。


おもしろいことに、人は、うれしいことがあったとき、
一人で喜ぶよりも、一緒になって喜んでくれる人がいるほうが、
ずっと大きなプラスの感情を感じることができるのです。


 ある女性は、結婚式のとき、たくさんの人から
「おめでとう」と言われることで、
私は本当に好きな人と結婚できたんだ。みんなに祝福されて、
これほど幸せなことはない。ああ、幸せだ、みんなありがとう」と、
どんどんうれしさがこみあげてきた、と言っていました。


そして、自分の幸せを祝福してくれた友人たちを、
これからも大切にしていきたいと感じたそうです。


 つまり、大切な人が喜んでいるときに、
一緒になって喜んで祝福してあげることは、
両者の絆を強める効果があるのです。


ただし、世の中には、知り合いの幸せを素直に
喜ぶことができない人もいます。
自分がツイていないと感じていたり、
不幸なことが立て続けに怒ったりしている状態のとき、
人のおめでたい話を聞くと、
「あの人ばっかり、幸せになってずるい!」
「なんだか、自分だけが取り残されたみたい……」と、
嫉妬や不安の感情が湧いてきてしまうことがあるからです。


 もし、自分が誰かの幸せを祝えないときは、
心が疲れているのかもしれません。
そんなときは、せめて、お祝いのカードを送りましょう。
間違っても、不機嫌な顔で
「あなたはいいよね、それに比べて私は……」
などと言ってはいけません。焦らなくてもいいのです。
あなたの気持ちが落ち着いたらきっと、
友達を笑顔で祝福できる日が来るでしょう。

「切れない絆をつくる」より抜粋



vol. 6362
「あなたは特別な存在」と伝える  (2013/12/10 [Tue])
 大切な人に、面と向かって「あなたは特別な存在だ」
と伝えるのは、なかなか難しいことです。


「照れくさくて、今さら言えるわけがない」
「そんなこと言わなくても、お互い特別な
存在なのはわかりきったこと」などと思って、
相手に向かい合うことを避けてしまいがちになります。


 しかし、人は誰かから「特別な存在」として扱われると、
とてもうれしい気持ちになるものです。


それはずっと一緒にいる家族や恋人、親友の場合でもそうです。
長く同じ時間を過ごしているからこそ、
「特別な存在」だと伝える機会を意識してつくらないと、
何もないまま日々がすぎていってしまいます。


その結果、お互いの心がすれ違っていることに気づかず、
絆が壊れてしまうことだってあるのです。


 たとえば、実家に帰っても、両親とあまり話さないという人は、
外食に連れ出してみましょう。
そこで、仕事の話や恋人のこと、
将来のことなどを話してあげるのです。


両親はそれだけでも、かなり喜ぶはずです。
そこで、「お父さん、お母さんなかなか顔を見せられなくてごめんね。
でも、二人にはいつも感謝しているんだ」と伝えるのです。
両親は愛情を実感できて、感動するにちがいありません。


 また、長くつきあっている恋人や親友には、
会話の中で「あなたにだけ」「あなただから」
という言葉を使ってみるのです。


「あなたにだけ聞いて欲しいことがあるの」
「あなたはきっと、私の気持ちを理解してくれると思っていたの」
といった具合です。


さりげない言葉ですが、相手の心にはグッと響くはずです。
絆をより確かにするために、普段の何気ない会話も工夫しましょう。


「切れない絆をつくる」より抜粋
 

vol. 6361
「疲れてるね」より「がんばってるね」  (2013/12/09 [Mon])
 なんだか元気がないように見える人や、疲れて見える人に、
「どうしたの?元気ないね」
「なんだか疲れていますね。何かあったんですか?」
などと言ってしまうのは、よくあることだと思います。


たいていの場合、「大丈夫かな?」「心配だな」
という優しさが込められているのですが、
このこえ掛けが引き金となって、
「実は最近、ショックなことがあったの。
徹夜で仕事をがんばったけど、
ミスを連発して部長に怒られてしまって……」
といった具合に、相手からマイナスの言葉を引き出してしまい、
その後もマイナスの言葉ばかりが
飛び交う会話になってしまうこともあります。


 心の状態というのは、見た目に反映されます。
相手が疲れて見えるときは、何らかの理由で落ち込んでいたり、
不安な気持ちになっている証拠で、心もマイナスに傾いています。
そんなときは、話しかける側が意識して、
プラスの感情を引き出すような言葉かけをしてあげるといいでしょう。


 とくに女性は、「疲れているね」といった、
見た目のことを指摘される言葉には敏感です。
「もしかしてお肌が荒れているのかも?」
「そんなにやつれて見えるのかしら?」などと、
気に病んでしまし有人が少なくないからです。


いたわりや思いやりのつもりで発した言葉が、
常に美しさを気にかけている女性を無意識に
傷つけてしまうことにもなりかねません。
たとえ元気がなさそうでも、疲れていそうでも、
「いつもがんばっているね」とプラスの言葉で励ましましょう。


相手は、認めてもらえたようでうれしい気持ちになり、
あなたのさりげない気づかいに感謝することでしょう。


「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6360
「『疑い』はそのままぶつけない」  (2013/12/08 [Sun])
 大切な人の言動や態度を「もしかして、ウソかのも知れない」と
疑ったことがある人は、少なくないと思います。
とくに女性に多いのですが、恋愛中に好きな男性に疑いを
持ってしまうケースをよく見かけます。


 「今夜は残業で自宅に帰宅するのが遅くなるって言っていたのに、
さっき電話してみたら、どうやら居酒屋にいるみたいだった。
もしかしたら、他の女の子と遊んでいるのでは?」
「今度のデートの計画は自分が立てると言っておきながら、
なかなか連絡してこない。
もしかしたら、私と一緒にいてもつまらないのかしら?」
といった具合です。


 本来なら、好きだからこそ、彼のことを信じて肯定したいのに、
実際は不安の気持ちの方が大きくなって、
彼の言葉や態度を疑ってしまうのです。


だからといって、「昨夜、電話したとき、どこにいたの?
仕事と言っておいて、本当は遊んでいたんじゃないでしょうね?」
「連絡が遅いじゃない。デートするのが面倒くさいの?
私のこと、もう好きじゃなくなったのね」
などと問い詰めてはいけません。
相手は「責められている」と感じて、
二人の間に距離を置こうとするでしょう。


 男性に限ったことではありませんが、
人は疑われることを嫌います。
ですから、疑いの気持ちが湧いたときは、
ぐっとこらえてマイナスの感情が静まるのをひたすら待ちましょう。
疑いを持ってしまうのは仕方がないとしても、
それを感情的にぶつけてしまうと、
関係がギクシャクするのは確実だからです。


 そんなときは、自分の感情を上手にコントロールして、
相手を信じようとする気持ちを持ちましょう。
そうすれば、大切な人との絆を強めることができるでしょう。


「切れない絆をつくる」より抜粋

『「相手の得意なこと」をほめる』  (2013/12/07 [Sat])
 ほめ方にもさまざまなパターンがありますが、
特に喜ばれるのは、相手の得意分野を見極めて、
ほめるということです。


私たちはまったく知らない人をほめることはできません。
見た目ならまだしも、内面にかかわる部分をほめるためには、
相手のことをしっかり観察する必要があるのです。


その中でも、相手の得意分野というのは、ある程度、
コミュニケーションを重ねていかないと
発見できないものといえます。


だからこそ、得意なことを見つけてほめることは、
相手の心をプラスにし、二人の絆を強めるきっかけとなるのです。


 Y子さんは、書類や荷物の整理整頓が大の得意です。
会社のデスクはもちろんのこと、自宅もいつもピカピカです。


学生時代には引っ越しのアルバイトをして、
他人の家の整理整頓を専門にしていたくらいです。
そんなY子さんに、「字がきれいですね」
「背が高くていいですね」などとほめても、
本人はいまいちピンとこないでしょう。


 この場合は、「Y子さんのように整理整頓できる人って、
いい奥さんになると思うわ。自分のデスクだけじゃなく、
周りの棚も時々整理してくれているよね。
そんなふうに細かな気づかいができる人ってなかなかいないわ」
といった具合に、相手の得意分野を絞ってほめましょう。


Y子さんはきっと、「この人は私のことをよく見ているな」
と感動するはずです。人は、ほめられるポイントによって、
喜ぶ度合いも変わってくるのです。


「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6359
『「あの人がほめていたよ」と伝える』  (2013/12/06 [Fri])
 人間関係を良好に保つにはほめることが大切、と前に述べました。
しかし、単純にその人の外見や持ち物をほめてばかりだと、
相手に、「もしかして、ゴマスリかな?」と思われてしまう可能性があります。


日本人はほめることも下手ですが、ほめられることにも慣れていないのです。
ですから、ワンパターンのほめ言葉を聞き続けていると、
だんだんと疑いを持たれてしまうのです。


ですから、ほめるときには、それなりの工夫が必要といえます。


 ほめ方にはさまざまなパターンがあります。
その一つに、他人がほめていたことを、
自分を通して相手に伝えるというテクニックがあります。


たとえば、社内の飲み会の席で、
上司が同僚のRさんのことをほめていたとしましょう。


「R君は、今回のプロジェクト頑張っていたな。
入社3年目であそこまで皆をまとめ上げるなんて、
本当にすごいことだよ。彼はリーダーに向いているから、
次はリーダー役を任せてみようかな」といった具合です。


 あいにく欠席していたRさんに翌日、
どう伝えたらいいでしょう?「おはよう!


昨日、上司がお前のことほめていたよ。
今回のプロジェクトはお前のリーダーシップが
あったから成功したってだから、
次はリーダー役にも考えているそうだよ。


同期なのに、尊敬するよ」上司の言ったことを正確に
伝えた上に、「尊敬している」と自分の気持ちを同時に伝えています。


 このように、「あの人がほめていたよ」と伝えると、
直接ほめられるより数倍うれしい気持ちになり、
二人の絆は着実に強くなっていくのです。


「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6358
『見栄を張るより「教えてください」』  (2013/12/05 [Thu])
「賢く見られたい」「かっこよく見られたい」といった具合に、
人は誰でも、自分のことを少しでもよく見せたいという心理を持っています。


ですから、自分の知らないこと、分からないことがあっても、
それを周りの人に見せたくない人もいると思います。


 ときには、人から何かを聞かれたときも、
「わかりません」、「知りません」ということが恥ずかしく、
「そのことならもちろん知っていますよ」などと
知ったかぶりな態度をとってしまうこともあるかもしれません。


しかし、知ったかぶりをされたと知った相手は、
必ずと言っていいほど、「あの人は見栄っ張りで負けず嫌いな人だ」
と悪い印象を持ってしまいます。


当然、人間関係もギクシャクしてくるでしょう。
何かを知らないことや、できないことは決して
恥ずかしいことではありません。


むしろ、自分の知らない話題が出てきたら、
「実は私、そのことをあまり知らないの。よかったら教えてくれる?」と
言った方が、相手に何倍も好感を持たれます。


 たとえば、「あのドキュメント番組、最高だったよ。君はもう見た?」
と聞かれて、その番組の存在を知らなければ、
「ううん。その番組の名前は初めて聞いたよ。


でも、面白そうだから、どんな内容だったか教えてほしいな」
というふうに、見ていない事実と「知りたい」という好奇心を素直に伝えましょう。


 人は本能的に「誰かの役に立ちたい」と思っています。
それが、自分の知っていることを教えることだったら、
喜びもひとしおです。「教えてください」と素直な姿勢を見せれば、
相手は何かとあなたのことを気づかってくれて、
絆も徐々に深まっていくはずです。



「切れない絆をつくる」より抜粋



vol. 6357
「ほめ上手になると友達が増える」  (2013/12/04 [Wed])
 「相手を肯定する」ということは、別の言い方をすると、
「相手のいいところを見つける」ということです。


そして、相手のいいところを見つけたときに、口から出てくるのが、
ほめ言葉」です。「ほめ言葉」というと、「いいですね」
「ステキですね」「スゴイですね」「センスいいですね」
といったもので、言われた側はとてもいい気分になるものばかりです。
ですから、日常生活でほめ言葉を上手に使える人は、周りの人に好かれます。


 しかし、日本人はほめるのが苦手な人が多いようです。
「ほめるなんてコビを売っているみたいで恥ずかしい」
「どういうふうにほめたらいいのかが、わからない」
という声を聴くこともあります。


しかし、ほめるというのは、そんなに大げさなことではありません。
もっと気軽に考えればいいのです。


 アメリカに住んでいたある男性の話では、アメリカ人というのは、
ほめ上手な人が多く、あいさつ代わりに人をほめる習慣があるといいます。


たとえば、その男性の服装が好みだったら
「そのTシャツのデザインいいね。僕は好きだよ」
といった具合です。友達同士だけではなく、
初めてあった人にも平気で声をかけるそうです。


 ちなみにその男性はレストランで働いていたのですが、
制服のネクタイの形を変えるたびに、
お客さんから「今日のネクタイもかっこいいね!」と、
何回も声をかけられたそうです。
おかげで、ほめてくれるお客さんとはすぐに
仲良くなることができたといいます。


 このように、ほめ言葉はさりげない一言を、
いつも通りの雰囲気で伝えればいいのです。
ほめられて悪い気になる人はいません。
ほめたことがキッカケで新たな絆が生まれるチャンスがグッと増えるのです。

 「切れない絆をつくる」より抜粋


vol. 6356
『下手な意見より、相手が「選んだこと」を応援する』  (2013/12/03 [Tue])
 大切人との絆を深めたいのならば、相手の立場で考えることが必要です。
たとえば、親友に恋愛の相談を持ちかけられたとしましょう。


「遠距離恋愛中の彼氏から、『こっちに来て、一緒に住まないか?』
と言われたの。彼のことは大好きだし、
気持ちはとってもうれしいんだけど、今は自分の仕事も大事な時期。


一年待ってもらってから、決断しようと思っているんだけど……」
彼女は自分で決断していながらも、「本当にこれでいいのだろうか?」
と迷っている様子です。こんなときどう応えてあげたらいいでしょうか?


 「せっかく彼が呼んでくれているのに、一年も待たせたら可哀想。
ボヤボヤしてるうちに他の女の子にとられちゃうかもよ?」


「彼のところへ行っても、周りに誰も友達もいないから、
きっと寂しいわよ。このまま遠距離でもいいんじゃない?」


これだと、まるで彼女の意思を踏みにじっているようです。
彼女は「自分の決断は間違っているんだわ……」と悲しくなって、
自分をなくしてしまうでしょう。


 彼女の身になってみてください。自分の選択に、
いまいち確信が持てないから、話を聞いて欲しいと思っているのです。
ですから彼女の意思を支持して、
その選択を応援してあげればいいのです。


「きっと彼もあなたの選択を受け入れてくれると思う。私も応援する」
「仕事も大切にするあなたのことを、
彼はきっとわかってくれると思う。大丈夫よ!」
こんな言葉を使って伝えれば、彼女は自分の選択を信じることができ、
勇気を取り戻すことができるでしょう。


さりげなく相手の選択を肯定してあげるだけで、
相手の心は元気になり、よりあなたのことを信頼するようになるのです。


「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6355
「何もしないのが正解のときもある」  (2013/12/02 [Mon])
「このところ、あの人と会うと必ずケンカになってしまう」
「電話でもメールでも、なんだか思いがうまく伝わらない」
こんなときは、無理に解決しようとせず、しばらくの間、
その相手との距離を置いた方がいいこともあります。


 人にはバイオリズムがあるように、
運気にも目に見えない波があります。
それは人間関係も例外ではありません。


とくに理由はなくても、なんとなくギクシャクしてしまうとか、
なぜかお互いに相手の発言にイライラする、といったときは、
「今はそういうタイミングなのだ」と考えて、
割り切ってしまう方がいいのかもしれません。


 もしかすると、相手は、何か大切な考え事をしていて、
少しの間一人になりたいのかもしれません。
人間には誰にもそんな時期があるものです。


 こういうときに大切なのは、
必要以上に相手を責めないということです。
また、「このままあの人と、絶縁状態になってしまうのでは……」
と不安を感じる必要もありません。


そんなときは、これまでの二人の積み重ねてきた時間を思いだし、
心を落ち着かせながら「焦ることはない」と考えましょう。
世の中のことが、すべて理屈通りにいくわけではないということは、
もう知っているでしょう。


 悩んでも解決しないことは、
何も考えない方がいいこともあるのです。
何も考えないことに負い目を感じるのなら、
「下手の考え、休むに似たり」ということわざを思い出しましょう。


これは、良い知恵もないのにいくら考えても時間が経つばかりで、
休んでいるのと同じと言う意味です。
気持ちばかりが焦って行動してもても、
かえって逆効果になあってしまうかもしれないのです。


 「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 9355
「嫌な人のプラス面を10個書き出す」  (2013/12/01 [Sun])
 細かいことばかり気にして、いつもイライラしている上司。
会う度にグチをこぼすネガティブな同僚。
何かあるとすぐに、「あなたはいいわね」と
嫌みを言う学生時代の友人。こんな人と一緒にいると、
「困ったな。どうしたら、ストレスなくつき合っていけるだろうか」
と気が重くなるものです。


「嫌な人だから、これからはできるだけ関わらないようにしよう」
と考える人も、もちろんいると思います。
しかし、親戚や会社の同僚や親友などが相手だと、
そうすることもできません。


 こういう場合は、イヤな気持ちをグッとこらえて、
相手のプラス面に目を向けて、それを紙に書き出してみます。
「確かにグチっぽいけど、自分も相手にグチを
聞いてもらったことがある」「あの人は性格はキツイけど、
料理が上手で、前に手料理を振る舞ってくれたときは、うれしかった」
「あの人はズボラでルーズなところがあるけど、
逆に他人のミスにもおおらかで、
怒っているところを見たことがない」といった具合です。


 多少、無理があってもかまいません。
相手のプラス面を発見するゲームをするつもりで、
たくさん探してみてください。
「性格がきついけど、意外とペットを可愛がっているようだ」
など、何でもいいのです。すると、
相手に対する憎しみや怒りのような気持ちがやわらいでいくでしょう。

 
 やってみればわかるのですが、どんな人でも、
探してみればいい面が見つかるものです。
その先、その相手とずっとつきあっていくなら、
プラスの感情を持ってつきあっていきたいものです。


 「切れない絆をつくる」より抜粋

 

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