トップページ
2014年 1月

vol. 6408
「怒り」  (2014/1/31 [Fri])
「怒り」

この感情を整理できたら、どんなに人生が楽になるでしょう。
誤解を恐れずに言いますが、怒りは「必要な」感情です。
あなたの正しさや、カラだのリズムを守るために、
イライラや怒りはあるのです。


ただ多くは「不適切な怒り」になって、表われています。
問題なのは、この「不適正な怒り」です。
これは、カラダの中で不完全燃焼を起こします。

 不適正な怒りの特徴は「ターゲットがずれていること」です。
その人に原因はないのに、怒ることのできる相手に、
怒りをぶつけてしまう。


たとえば、会社で嫌なことがあったご主人が、
奥さんに不機嫌に接したり。
イライラしているお母さんが、子どもにきつく当たったり。
誰かのちょっとしたイライラが、対象を少しずつすらして
怒りのドッチボールになって波及します。
本来、意見を言うべき相手にしっかり言えていないと、
ついターゲットをずらして感情を解消してしまおうとするのです。

 特徴の二つ目は、「なんで?どうして?」という言葉です。
「なんで、そんなことをするの?」
「どうして、わかってくれないの?」
怒りというのはいつも二次的な感情なのです。
その下には、さみしさ、悲しさ、助けてほしい、
理解してほしい、愛してほしい、のいずれかが隠れています。
怒りはそれらのフタになっているだけ。

そう、怒りの正体は「わかってほしい」、これにつきます。
「わかってほしい」から怒る。
でも、怒られた方は余計にわからなくなる……。
「何をわかってほしいのか?」に目を向けないままにした怒り、
それが「不適正な怒り」としてカラダに残るのです。

 
怒りとは言ってみれば、無理解の対立です。
わかってくれないなら、わかってやらない。
わかってほしい、でも、わかられてたまるもんか。
この複雑な心の葛藤が限界を超えると、
理解の臓器である肝臓に影響が出てしまうのです。


「感情にとらわれると病気になる」より抜粋

vol. 6407
「後悔しない毎日を生きる」  (2014/1/30 [Thu])
ボストン大学の心理学者であるアベンドロスらは、
「旅行先で、あるお土産を買うかどうかで迷ったことのある人」
に対して、ある調査を行いました。


お土産を買おうかやめようか迷った人を。
A「結局、お土産を買わなかった人」
B「結局、お土産を買った人」に分けて、
旅行から帰ったあとに、どれくらい後悔が強いかを調べたのです。


 その結果、
Aの「お土産を買わなかった人」は
Bの「お土産を買った人」よりも、
大きな後悔をしていることがわかりました。


お土産を買ったことで、「重くて、帰宅が苦痛だった」
「予算がオーバーだった」というような後悔をももちろん、
ゼロではありません。
しかし、それよりもずっと、
「買っておけばよかった」という後悔する人が
多かったというのは、非常に興味深いと思いました。

 
これは、お土産に限らず、「やる」か「やらない」かで
迷ったシーンのすべての場面であてはまるのではないでしょうか?
あの人に声をかけたいけれど、恥ずかしいから、
臆病になってしまう……。あの人に、手紙をかけたいけど、
忙しいから、やめておこうか……。
あの人に謝りたいけれど、悔しい気持ちもあって、
少し抵抗がある……。そんなときは思い切って、
「行動する」方を選びましょう。


 万が一、思い通りの結果が得られなかったとしても、
何もしないときよりもきっと、「後悔」は少なくなるはずです。
大切な人との絆は、ずっと自然に、
何もしないままでつながっているものではありません。
後で後悔しても遅いです。大切な人がいるなら、
その絆に感謝し、これからも維持していくための
行動を起こしましょう。


「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6406
「幸せを祝福してくれる人が本当の仲間」  (2014/1/29 [Wed])
「幸せを祝福してくれる人が本当の仲間」

 自分が幸せでいることが、周囲の人を喜ばせて、
その人たちとの絆を強めるということは、すでに述べました。
この「自分が幸せでいる」ということには、もうひとつ、
人づきあいを見直すきっかけになる、という意義もあります。
どういうことかというと、うれしいことがあって、
それを報告したときの相手の反応で、
その人との絆が本物かどうかがわかるのです。


 たとえば、うれしいことがあり、それを報告したときに、
「よかったね。がんばったものね」
「おめでとう。私もうれしいよ」と祝福してくれる人は、
あなたのことを大切に思っています。


一方、中にはこんな人もいるかもしれません。
「ふーん。調子に乗っていると、また前みたいに
後でガッカリすることになるから、
あんまりいいふうに考えないほうがいいんじゃない?」
「へえ。そう。それより、私の話を聞いてよ……」
こんな人は、あなたが幸せでいることを喜んではいないようです。
もしかすると、その人の心の中には、
あなたに対するライバル心や嫉妬といった
複雑な感情が渦巻いているのかもしれません。


 ひどい人になると、こちらの足引っ張ったり、
うれしい気持ちに冷や水を浴びせるようなことを
言ったりすることもあります。そういう人といると、
せっかくのうれしかった気持ちが、すぐにしぼんでしまいます。
ときどきならまだしも、何かあるたびにあなたの
幸せに水を差すようなことを言う人とは、
少し距離を置くことも考えましょう。
絆は、どうせなら自分自身が一緒にいてハッピーになれる相手と、
強めていきたいものです。


「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6405
「落ち込んでいるときは会わない」  (2014/1/28 [Tue])
 もし、自分の気持ちが落ち込んでいるときに、誰かから、
「相談があるんだけど、今から会って話せないかな?」
と真面目な話を持ち掛けられたら、どうしますか?
優しい人は、自分のことより相手のためを思って、
即座にOKを出すかもしれません。


しかし、どうしても気持ちを切り替えられそうになければ、
「実は、今は気分が落ち込んでいて、外出する気になれないんだ。
この状態であなたに会うと、迷惑をかけるかもしれないから、
また来週にしない?」と断る方法もあります。


 なぜなら、気分というのは「伝染する」性質を持っているからです。
人間が笑った顔や怒った顔の写真を見せたとき、
その人たちがそんな顔をするかという実験で、
写真を見た人が写真に写っている人と同じ表情に
顔の筋肉を動かしたという実験結果もあります。


 人は自分が笑顔だと相手を笑顔にすることができますが、
反対に落ち込んでいるときは、相手にマイナスの感情を
伝染させてしまう可能デイがあるのです。
誰だって、親しい人の前では、自分の感情をおもいのままに
さらけだしたいと思うものです。
しかし、そのことで相手を悲しませたり、
傷つけたりするのは、本望ではないはずです。


 「今の自分は、相手をハッピーにできない」と感じるなら、
その日は会うのをやめた方がいいこともあります。
「今日は無理だけど、調子がよくなったら必ず会おうね。
連絡する」と付け加えれば、角も立ちません。
絆を強くするための、ちょっとした気づかいです。


「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6404
「親族が集まる行事にはなるべく出席する」  (2014/1/27 [Mon])
 結婚式やお葬式、法事、年始のあいさつなど、
家族や親族と顔を合わせる行事は、年に何度かあると思います。
これらの行事は、できるだけ出席するのが礼儀です。


 しかし、ときどき、「親族同士のしがらみが面倒だから、
あまり行きたくない」「友達や恋人との予定を優先するから、
ほとんど行かない」と考えて、行事に出席しない人もいますが、
本当にもったいないことだと思います。
というのも、礼儀をわきまえること以上に、
親族同士の絆を強めるきっかけになるという意味で、
出席する方が良いのです。


 確かに親族一同が集まると、中にはイヤな人もいますが、
たいていの行事は一日で終わります。
そのときだけと割り切って交流すればいいのです。
それよりも、思いで深い人との交流を楽しみましょう。
子どもの頃よく遊んだいとこ、かわいがってくれたおじさん、
おばさんなどに、自分の近況を報告しましょう。
相手は、「○○ちゃんも、元気でやっているのね。安心したわ」
と好意的な対応をしてくれるでしょう。


 ある都会に住んでいる女性は、
田舎にいるいとこの結婚式に出席しました。
上京してからというもの、いとこはすっかり疎遠になり、
会うのは10年ぶりでした。
「あなたが来てくれてうれしい。花嫁姿を見てほしかったの」
交通費をかけてわざわざ帰省してくれた彼女を、
おじさん、おばさん、いとこも大歓迎してくれました。
そして、久しぶりの会話も盛り上がり、
今ではときどきメールを交わす仲までになったそうです。


 血のつながりのある親族同士は、
何かあったときに助け合える大切な関係です。
そのためにも、行事にはなるべく出席するようにして、
絆を深める努力をした方が良いと思います。


「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6403
「近況をハガキで伝える」  (2014/1/26 [Sun])
 同窓会の誘いのハガキ来ても、日程が合わなかったり、
今遠方に住んでいたりして、参加できないことがあります。


そんなときは、ハガキにただ「欠席」と書いて返送するのではなく、
少しでいいので、自分の近況を書き添えておきましょう。
「みんな元気ですか?今日は出席できなくて残念です。
こちらに来た時は連絡くださいね」という具合です。
そこに、メールアドレスか電話番号を書いておけば、
思いがけない懐かしい相手から、連絡が来るかもしれません。


 人は子供時代や学生時代といった、楽しかった時期に
同じときを過ごした仲間に、「連帯感」を持つものです。


しかし、その絆も、何もしないで放っておけば、次第に細くなり、
いつの間にか消えてしまいます。そんな消えてしまった絆も、
何かのきっかけで、またよみがえることもあるのです。


 もちろん、返信するときに書き添えるメッセージは、
読んだ相手にプラスの印象を与える書き方をすることが大切です。
「最近、単身赴任で福岡に来ました。はっきりいって、左遷です。
申し訳ありませんが、そんな状態ですので、同窓会は欠席します」
というようなぶっきらぼうな書き込みを見て、
「久しぶりに、この人に会いに行きたい」と
思う人はあまりいないのではないでしょうか。


 同じ単身赴任でも、「最近、単身赴任で福岡に来ました。
いろいろあるけれど、がんばっています。
福岡に来る際には、ぜひ連絡ください。博多の街を案内しますよ!」
と言うような書き方なら、読んだ人も暗い印象はしませんし、
福岡へ行ってみたい気持ちもわいてくるでしょう。
返信の書き方ひとつで、久しぶりの仲間との絆がよみがえるかもしれません。


「切れない絆をつくる」より抜粋



vol. 6402
「旧友と食事会を開く」  (2014/1/25 [Sat])
 社会人になると、それまでの付き合いのあった
学生時代の友人と会う機会はグッと減ってしまいます。
よく、「社会人になると、友達ができにくくなる」
という話を聞きますが、これは仕方のないことです。


なぜなら、学生時代と違い、大人になると、
皆それぞれが仕事や家庭を持ち、
毎日やらなければならないことをたくさん抱えることになるからです。


 たとえば、職場では、仕事上のコミュニケーションが中心なので、
プライベートなことはあまり話す機会がありません。


ときどき、宴会などもあるのでしょうが、
あくまでも会社の行事のひとつであり、
そこで同僚と友人のように本音をさらけ出して
話すことはなかなかできないのが現実です。


 そんな毎日を送っていると、何の理由もなく、
「これから食事でも行かない?」と
気軽に誘える昔の友人が誰もいないことに気づいて、
寂しい気持ちになる人もいるでしょう。


しかし、そう感じているのはこちら側だけではありません。
「たまには気楽に話せる仲間たちと食事でもしたい」
と思っている人もいます。


ですから、ここはあなたが発起人となって、
定期的に食事会を開くことをおすすめします。
パーティというほど、大げさなものでなくてもかまいません。
少人数でもいいので、ざっくばらんに
会話ができるような場所を選ぶのです。


そして、自分が充実した日々を過ごしていること、
毎日仕事を頑張っていることを伝えましょう。


友人は、あなたが幸せでいることを喜んでくれるでしょう。
あなたの行動ひとつで、旧友たちとの絆を深めることができるのです。


「切れない絆をつくる」より抜粋


vol. 6401
「田舎の両親に会いに行く」  (2014/1/24 [Fri])
 あなたの幸せを何よりも喜んでくれるのは、
あなたを産み育ててくれた両親です。
「無償の愛」という言葉の通り、両親というのは、
子どものことを自分たちよりも大切に思っているものです。
ですから、両親が「子どもの顔を見られなくて寂しい」
と心の中で思っていても、
直接気持ちをあなたに伝えることはないかもしれません。


 とくに、仕事を頑張っていたり、友人との生活が充実していたりすると、
「子どもが幸せなら、それでいい」と思い、
自分たちの気持ちは引っ込めてしまいます。両親は、
あなたの幸せを第一に考えているので、言いたくても言えないのです。
ですから、ときどきでいいので、子どもの方から両親を訪ねて、
元気な顔を見せるようにしましょう。


 ある一人息子の男性は、田舎に両親を残したまま、
就職のために上京しました。東京での生活は刺激的で、
仕事もプライベートも充実し、社内恋愛を経て結婚もしました。
そして、昨年には待望の赤ちゃんも誕生しました。
しかし、彼はますます多忙になり、
両親に孫の顔を見せられずにいました。
そんなとき、出張で、近くの田舎へいくことになり、
彼は家族を一緒に連れて、田舎の両親のもとへ行きました。


「まあ、こんな遠い所まで来てくれなくてもよかったのに……」
と言いながらも、両親は目に涙をためて喜んでいたと言います。
彼は、「親孝行らしいことは何もしていないのに、
こんなに喜んでくれるなんて思わなかった。
これからは休みをつくって、ちょくちょく両親のもとへ帰ろう」
と思ったそうです。自分のことを大切に思ってくれる人に、
感謝の気持ちを持って会いに行くだけで、絆は強くなっていくのです。

「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6400
「幸せでいるだけで絆を結ぶことができる」  (2014/1/23 [Thu])
 私たちは、自分の幸せは自分のものだけで、
他人には関係ないものだと思いがちです。
しかし、実際はそんなことはありません。
つき合う人や環境によって、人の心の状態は変わるものです。


 もし、あなたの大切な人にラッキーな出来事が起こったら、
自分も同じようにうれしくなるでしょう。
反対に、親しい人に悲しい出来事が起こったら、
自分まで悲しくなるでしょう。
ですから、あなたが幸せな状態でいることで、
幸せと感じてくれる人がいるのは、ちっともおかしなことではありません。


 では、「幸せ」というのはどういう状態のことを指すのでしょうか?
人の心の中には、プラスのエネルギーと
マイナスのエネルギーが存在します。
プラスのエネルギーというのは「うれしい」とか
「楽しい」と感じたときにグッと増えます。


マイナスのエネルギーというのは、「イライラする」とか
「苦しい」、「ツイてない」などと感じたときに心に溜まっていきます。
もうお分かりかと思いますが、心の中にあるプラスのエネルギーが多いほど、
幸せな状態と言えます。そして、幸せな人というのは、
プラスのエネルギーをたくさん持っているので、
周りの人へ分けてあげることができるのです。


 もし相手が不運な状態でいたとしたら、
あなたが幸せな状態で接してあげると、相手の運気も上がっていきます。
そして、結果としては相手に、
「この人といると、なんだか元気になれる」
と感謝されることになるのです。
ですから、いつでも明るく振る舞い、
幸せでいることに誇りを持ちましょう。
自分が幸せでいるだけで、周りの人達は、
「この人と絆を結びたい」と思ってくれるのです。


「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6399
「とにかく元気な顔を見せる」   (2014/1/22 [Wed])
「とにかく元気な顔を見せる」

 人間関係学で世界的に有名なデール・カーネギーは、
「笑顔は1ドルのもとでもいらないが
100万ドルの価値を生み出す」と言っています。
笑顔にはそれほど人を喜ばせる力があります。


 ここでいう、「人を喜ばせる」には、ふたつの意味があります。
ひとつは、一緒にいる相手に自分の笑顔を見せることで、
「私はあなたと一緒にいると楽しいです」という気持ちを伝え、
相手に喜んでもらうという意味です。
そしてもうひとつは、相手が自分の健康や幸せを
願ってくれている人の場合に当てはまります。


たとえば、最近、離婚したばかりの友人に会うシーンを
イメージしてみてください。
「彼女、大丈夫かな。離婚する前にはずいぶん落ち込んでいたけれど、
元気を取り戻しているかな?」と心配して出かけたとき、
その友人が以前と変わらない笑顔を見せてくれたら、
「ああ、よかった。彼女はどうやら幸せに暮らしているようだ」
と安心するでしょう。


この法則を逆から見ると、誰かが自分のことを心配してくれているとき、
相手に笑顔を見せることで、その相手を安心させられるということになります。
たとえば、いつも、「元気?風邪ひいてない?」
「ご飯をちゃんと食べてる?」と心配してくれる実家の母親に会ったとき、
笑顔を見せれば、その母親を喜ばせることができるということです。


笑顔には、プラスのエネルギーを拡散させるパワーがあります。
いつも笑顔を絶やさないように心がけることで、
周りの人をハッピーにして、絆を強めていくことができます。

「切れない絆をつくる」より抜粋


vol. 6398
「心配してくれる人に電話する」  (2014/1/21 [Tue])
 さだまさしさんのヒット曲に、「案山子」という歌があります。
田舎から出て都会に行った娘を心配する母親の姿を、
兄の目線から歌ったものです。その歌の中に、
次のような歌詞が出てきます。

手紙が無理なら、電話でもいい
「金頼む」の一言でもいい
お前の笑顔を待ちわびる
おふくろに聴かせてやってくれ

 短い詩の中に、娘を思う母親の寂しさが感じられ、
この部分を聞くだけでも胸が締め付けられるようです。
人が人を思う、という気持ちは、これほど強いものです。
この母親は、何にも代えがたい思いで、
娘が元気な声を聞かせてくれることを望んでいるのです。
この歌の歌詞を見て、自分の母親や、おばあさん、
小さい頃かわいがってくれたおばさんなどの顔が浮かんだ人もいるかもしれません。

 現代の日本人の多くは、毎日を忙しく過ごしています。
仕事の締切りや、友達との食事の約束、英会話の勉強など、
やることはたくさんあるでしょう。自分を心配してくれる人に
「私は元気です」という声を聞かせてあげることは、
しようと思えば、いつでもできることです。

 だからこそ、多くの人がそれを先延ばしにして、
気がつけば何ヵ月も連絡を取っていないということになってしまうのです。
「用事が片付いたら」なんて言わず、今日にでも、
あなたを心配している人に電話をかけましょう。
他のことよりも、その方がずっと、あなたの人生にとっては大切なことなのです。


「切れない絆をつくる」より抜粋


vol. 6397
「すべてを水に流す」という方法もある  (2014/1/20 [Mon])
「すべてを水に流す」という方法もある

 海外で飛行機事故があったときの話です。
ハイジャックされ、残念ながら、最終的には多数の犠牲者が出ました。
そして、飛行機の中には、事故に巻き込まれたことを知った乗客たちが、
家族や友人に向けて書いた遺書が多く残されていました。


 その遺書に書かれていた内容は、
ほとんどが、「ありがとう」「愛している」という、
家族や友人たちへの感謝と愛情を示すものでした。
その中には、「ハイジャックの犯人を恨んでやる」
「こんな事故に巻き込まれたななんて、なんてついていないんだ」
といった怒りや悲しみの感情を示した言葉は、
少しもありませんでした。


 もしかすると、人間は死を意識したとき、
他人に対する怒りや悲しみといった感情は消えて、
ただただ大切な人たちへの感謝と愛で心が一杯に
なってしまうのかもしれません。だとしたら、
人間にとって怒りや悲しみの感情なんて、
本当はたいしたことはないものではないでしょうか。


 そんなことに気をとられているくらいなら、
大切な人に感謝して、愛情を伝えることが、
生きている間に私たちがするべき大切なこと
なのではないでしょうか。


もし、自分の心の中に誰かを憎んだり、
嫌なことをされて悲しかったという気持ちがあるなら、
少しずつでいいので、その感情を手放し、
水に流してしまうことをおすすめします。


 人生の最期にはどうせ、心に感謝と愛しか残らないのです。
だとしたら、今のうちからネガティブな感情は
手放してしまえばいいのです。


そして、生きているときは、相手の負担にならないように
少し距離を置いていたとしても、
いざというときは思い切り感謝と愛情を伝えましょう。

「切れない絆をつくる」より抜粋


vol. 6396
「自分を卑下しない」  (2014/1/19 [Sun])
「自分を卑下しない」

 自分を卑下していると、正しい人間関係が築けません。
なぜなら、自信がなさそうな人の周りには、
そういう人をバカにしたり、いじめようとする自分本位な人が
集まってくることがあるからです。
その関係性はまるで、王様と家来です。


 人の絆というのは、本来、自分にプラスの
エネルギーやパワーをくれるものです。
その人と会うのがいつも苦痛だったり、
別れて家に帰るとホッとしたりするようなら、
その絆は、人生に不要なものかもしれません。
にもかかわらず、相手の家来になる必要などまったくないのに、
いつの間にかそんな不平等な関係から抜け出せなくなり、
苦しんでいる人たちは少なくありません。


 もし、今、「自分に自信がない」と思っていて、
周囲にやたらと命令してくる人や、
こちらが相手の言うことを聞かないと怒りだす
人ばかりが集まってきて、いじめられるならば、
その人間関係は一度、見直した方がいいでしょう。
そんな人たちを遠ざけるためには、自分を卑下するのはやめて、
もっと堂々とすることが大切です。


 自分が卑下しないための、ひとつめの方法が、
やたらと「ごめんね」、「すみません」と
謝ることをやめることです。


また、自分を卑下する言葉を言うのもやめましょう。
「私なんて、何のとりえもないし」
「あなたみたいに美人じゃないから」
そんな言葉は、今すぐ封印してください。
誰といるときも、「自分らしく」振る舞えばいいのです。
それでもつながっていくご縁が、本当の絆です。
自分を苦しめる絆なら、それは本物ではありません。

「切れない絆をつくる」より抜粋



「相手の気持ちにそったアドバイスをする」  (2014/1/18 [Sat])
 大切な人がピンチに陥っていたり、悩みごとを抱えていたりすれば、
「何とかして、その人の役に立ちたい」と思うものです。
そして、あれこれとアドバイスしたくなる、と言う人もいるでしょう。


しかし、アドバイスは、相手にとっては、喜ばれないときもあります。
アドバイスと言うのは難しいもので、そのときの相手の気持ちや
状況をきちんと理解していないと、
「単なる意見の押し付けじゃないか」
「そんなに簡単に解決したら、苦労はしないよ」などと思われ、
かえって関係が気まずくなってしまうことがあるのです。


 Jさんは勤めていた会社を辞めて、どうしようか悩んでいました。
そんなJさんを心配した友人のKさんは、起業に関するセミナーを紹介したり、
起業に役立つような本をプレゼントしたり、彼のためにいろいろと気を使いました。


そして、あるときKさんの知人の中小企業の社長に、
Jさんにいろいろとアドバイスしてくれるようにお願いしました。


 しかし、その社長のアドバイスを聞いていたJさんはさえない顔で、
ロクに聞いていない様子でした。Kさんが気になってたずねたところ、
「アドバイスはありがたいと思っているよ。


でも、僕は企業ではなく、他の会社に転職したいと思っているんだ」
という答えが返ってきました。どうやらJさんは、
「自分はどうしたいのか」と言うことは決めていて、
ただ単に話を聞いて欲しかっただけのようです。


 こちらがよかれと思っていても、見当違いのアドバイスは、
相手の気持ちをないがしろにしてしまいかねません。
絆を強めたかったら、アドバイスすべきか、じっくりと話を聞くべきか、
見守るべきかなど、相手の状況を見極められるよう努力することが必要です。


「切れない絆をつくる」より抜粋



vol. 6394
「リスペクトされる存在」をめざす  (2014/1/17 [Fri])
二人の間の絆が長く続いていく関係の代表例に、
お互いが相手のことを尊敬している、というものがあります。


なぜなら人は誰でも、「尊敬できる」人には自然と好感を抱くからです。
スポーツの得意な人や、頭がいい人がモテるのはそのせいです。


誰だって、自分ができそうもないことを、上手にやっている人を見れば、
「すごいなあ」、という気持ちを持つものです。


そして、「すごい」という気持ちは、「あの人ともっと仲良くなりたい」
という気持ちにもつながりやすいのです。


ですから、「この人との絆を大切にしていきたい」と思う人がいるなら、
その人から尊敬されるような自分でいるようにしましょう。


 尊敬される内容は、年収や成績と言った、
目に見える成果でなくてもいいのです。
「あなたは人のために役立っている」「君のここってすごいよね」と以前、
誰かから言われたことをさらに伸ばしたり、
もともと得意だったことをさらに磨いたりすれば、
無理なく尊敬される自分になることができます。


 これは、親友や恋人と言った、ごく親しい間柄においても、同じです。
相手が親しい人だと、一緒にいても緊張感が生まれないので、
ついだらしない態度で接してしまいがちです。


しかし、いくら親しい相手でも、ダラダラゴロゴロとした態度を
いつも見せているようでは、尊敬の念は得られません。

それよりどんなに親しくなっても、少し緊張感を持って、
ステキな自分を見せる関係の方が、関係は長く続くのです。
そのようにして、自分を磨くことは、相手との絆を強めるというだけでなく、
自分自身の成長や自信にもつながるので、一石二鳥と言えます。


「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6393
「触れられたくないこと」にはゼッタイ触れない  (2014/1/16 [Thu])
 どんな人といるときも、常に忘れてはいけないことがあります。
それは、相手が「触れられたくない」と思っている話題には、
触れてはいけない、ということです。


絆が強い相手こそ、「自分のことは何でも知ってもらいたい」
「相手のことは何でも知りたい」という思いを持つのは当然だと思います。
しかし、誰でも一つや二つは話したくない話題があります。
それを理解していないと、気づかないうちに相手を傷つけて、
次第に心が離れてしまうことだってありうるのです。


 30代のある女性が、初めてのデートでレストランで
食事をしていたときのことです。
ふとしてきっかけで、大学時代の話題になりました。
彼女が、部活のテニスに打ち込んだことや、
おもしろかったクラスメートの話などを楽しく話している間、
彼氏は真剣に耳を傾けてくれました。


しかし、彼女の方から、「あなたの大学の話も聞きたいな」
とたずねた途端、彼は口を閉ざしてしまいました。


 彼女は、彼がどうして話さないのか、
何があったのだろうかと気になりました。
しかし、彼の表情が暗いのを察して、


「大学時代、何かあったのですか」と聞くのをやめて、
別の話題に切り替えました。
実は、彼は大学に行っていなかったのです。
すると、彼はホッとした様子で、また楽しそうに話し始めたと言います。

 この彼女のように、相手の気持ちを察してあげられれば、
相手はあなたのことをより信頼して、
「これからもずっと一緒にいたい」と思うでしょう。


私たちはときどき、相手の気持ちが見えなくなるときがあります。
だからこそ、一歩引いて相手のことを思いやる習慣をつけるようにしましょう。
そうすれば、いつまでもお互いの気持ちのいい関係性を
保つことができ、どんどん絆は強くなるのです。

「切れない絆をつくる」より抜粋



vol. 6392
「メールや電話の催促はしない」  (2014/1/15 [Wed])
 どうして、留守電にメッセージ残したのに、
すぐにかけ直してくれないの?」
「メールの返事をすぐにくれないなんて、どういうこと?」
そんなふうに、恋人や友達に対して怒っている人がときどきいます。
しかし、「電話をかけ直してほしい」
「メールをすぐに返信してほしい」というのは
自分の勝手な都合を押しつけているだけです。


 ルーズな性格で返事を返さない人も中にはいますが、
返事が遅いのは、ずっと地下の電波の入らない場所にいたとか、
人と会話中とか、体調を崩しているといったような、
事情があるのかもしれません。


もしかすると、いつもガミガミ怒っておる相手に嫌気がさして、
電話もメールも億劫になっているということも考えられます。
その場合には自業自得ですから、
相手を責めるのは筋違いということになります。


 どちらにせよ、「相手が自分の思い通りに
行動してくれないのは相手が悪い」と思うのは、大きな間違いです。
そういう考え方をしていると、相手を責める機会や、
相手に不満を感じる機会がどんどん増えて、
お互いにストレスの多い関係に向かっていってしまうでしょう。


 電話やメールを好きな人は、相手もそれが苦にならない
と思ってしまいがちです。しかし、
中には電話やメールが苦手な人もいます。
それに、自分が今、相手と話したいからと言って、
相手もそう思っているとは限らないのです。
それなのに、「メールをすぐにくれないなんておかしい」
と怒るのは、あまりに子どもっぽい主張といえるでしょう。
(ただし、仕事や緊急の場合は別です)。


 誰でも、一緒にいて気が楽な相手に、
そうでない相手よりも好感を持つものです。
電話やメールの返事をくれたら、どんなに遅くても、
「連絡をくれて、ありがとう」という気持ちを持ちましょう。
間違っても、「遅いよ!」と怒るようなことは、あってはいけません。


「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6391
「相手をコントロールしようとしない」  (2014/1/14 [Tue])
 大切な人との絆を長続きさせるために、
忘れてはいけないことがあります。
それは相手をコントロールしようとしない、
ということです。


「相手をコントロールする」とは、
具体的には、相手が自分の思った通りの行動をしないと、
腹を立てたり、文句を言ったり、説得したりして、
相手の気持ちや行動を変えようとすることです。


 親しくなると、忘れてしまいがちですが、相手には、
あなたと知り合うまえに築いてきた世界があります。


SMAPの有名な曲に「セロリ」というものがあります。
その歌詞の中で、「育ってきた環境が違うから、好き嫌いはイナメナイ」
という言葉が出てきます。「すべてを理解し合いたい」と
思っている人には納得いかないかもしれませんが、
この言葉には、人間関係の基本が凝縮されていると言えるでしょう。


 逆に言うと、「すれ違いはあって当然」という考えを持って、
人づきあいをすると、ストレスがたまらず、
つかず離れずのちょうどいい関係が築いていけるものです。


実際、長い間、関係がうまくいっている人たちを見てみると、
いつもべったりとくっついているわけではありませんし、
いつも意見が一致しているわけでもありません。


彼らは意見が同じにならないときも、
無理に相手を説得しようとはしません。
最初から相手をコントロールしようという気がないのです。


 ですから、二人は一緒にいてもお互いに自由で、
ストレスを感じることがないのです。
人づきあいで問題が生じやすいという人は、
「人は変わらないし、自分に人を変える権利もない」
ということを知っておきましょう。


相手を変えようとするのをやめると、
相手はあなたと一緒にいるとき、
これまでよりずっと居心地のよさを感じるでしょう。

「切れない絆をつくる」より抜粋


vol. 6390
「見返りを求めない」  (2014/1/12 [Sun])
 「あの人は有名人とコネがたくさんあるらしいから、
仲良くしておいた方がよさそうだ」


「あの人はお金持ちだから、親しくしていれば、
何かおごってくれるかもしれない」


そんなふうに、下心をもって相手との絆を築こうとしているなら、
その絆は結ばれることはないかもしれません。


なぜなら本来、絆というのは、「見返りなど求めない」
純粋な関係の間で結ばれるものだからです。


 お金持ちだから仲良くなりたい。
あの人は人気者で、一緒にいると自慢できるから友達になりたい。
そんな思いで近づいても、相手に警戒されるだけです。


それを相手に打ち明けなくても、人が考えていることは、
なんとなくその人の印象になって表れるものです。


ですから、そんなことをすれば相手は
「この人は自分を利用しようとしている」と
感じて、二人の間に壁を作ってしまうのです。


 もし、ラッキーなことに、そういう相手と親しくなれたとしても、
関係はきっとギクシャクしてしまいます。


相手への期待が大きい分だけ、見返りを求めたくなるからです。
そのことは間違いなく相手の負担になります。
そして、見返りが得られないと、自分の方も
「こんなはずじゃなかった」と相手に不満を持つようになるのです。


それはまさに、相手を尊敬することとは正反対の好意です。
そんな二人の間に、強い絆が生まれることはありません。


 見返りを求めて、絆をつくろうとしても、
その先は何も生まれないのです。「一緒にいて楽しい」
「相手のためになりたい」そんな気持ちの先にある絆が、
その人の人生を豊かにするのです。

「切れない絆をつくる」より抜粋


vol. 6389
「ストレスになる人と会わない」  (2014/1/11 [Sat])
 相手との絆を強めるためには、
ときには自分が譲歩することも大切であると述べました。


しかし、あまりにも自分ばかりが我慢を強いられるのなら、それは問題です。
相手もあなたのことを同じように大切に思っている場合、
あなたが相手に譲ることがあるように、相手もあなたに譲ろうと
する気持ちが生じるのが自然だからです。


 その結果、「この人といると、自分の意見が言えなくて疲れる」と感じて、
その人と会うのがストレスになるようなら、
その関係を長く続けることは、自分にとってプラスではありません。


相手のためと思って我慢したことが、結果的に
その間にあった絆を壊してしまうことになれば、本末転倒です。


ですから、人とつき合う中では、過剰な主張は抑えつつも、
「言いたいことはある程度は言う」と
いうルールを自分に課しておくことが大切です。


欲しいものを「欲しい」、やりたいことを「やりたい」と、
たまに主張することは、相手が嫌がることでない限り、
何も悪いことではありません。
むしろ楽しい時間を過ごすためには、不可欠なことです。


 本当の欲しいものを「いいもん、いらないもん、
欲しくないもん」と言ってみたり、好きなものを「嫌い」
だと言って自分の気持ちをごまかしたり、
大切なものをつまらないものを扱うようにしてしまったり……
そんなことをしていると、幸せはどんどん遠ざかります。


 たとえば、友達とどこかに出かけるとき、
これまで、「どこがいい?」と聞いていて、
いつも相手の希望に合わせていた人は、
たまには、「あの店に行ってみない?」と
自分から提案してみてはいかがでしょうか。



ストレスのある人づきあいは、
自分のためにも人のためになりません。
適度な自己主張と適度な我慢をしながら、
自分たちにとって居心地のいい距離感を探ってみるといいでしょう。



「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6388
「待たせず、すぐ返事をする」  (2014/1/10 [Fri])
 頼まれごとをされたとき、応じるにしろ断るにしろ、返事をスムーズにすることが大切です。たとえば、恋人が、「あなたを僕の親友に紹介したいんだけど、今度の休み、予定を空けておいてくれない?一緒に食事をしよう」と頼んできたとしたら、「もちろん、大丈夫です。あなたの親友に会えるなんて、うれしい」とすぐに答えることができますか?

 「うれしいけど、心の準備ができるまで返事を待ってもらおう」と思っているならば、誘った側の立場を考えていないといえます。というのも、彼は自分の予定だけでなく親友の予定も合わせなくてはならない上にお店の予約もしなくてはならないのです。一人の都合を待っていると、いつまでたっても予定を決定することができず、時間だけがムダになってしまいます。

 「やっぱり、あなたの親友に会うのはまだ早いと思うの」「その日はどうしても無理なんです」などと、待たせた後で断ってしまうと、相手は「それならそうと早く言ってほしかった」と思うでしょう。同じ断るのならば、グズグズと返事を先延ばしせずに、きっぱり「ノー」と言うべきです。相手に期待させておいて、結局はそれを裏切ってしまうというパターンが、一番相手の気持ちを損ねるのです。

 さらに、この場合だと、行くと決めていたら「うん、いいよ」と答えて、その後で心の準備をするくらいでちょうどいいのです。大切な人からの頼まれごとは、タイミングが命です。そういった意味でも、頼まれごとの返答はスムーズにすべきなのです。それが相手を傷つけずに、絆をつなぎ止めておくポイントだと言えます。

「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6387
『「あなたの力になりたい」と伝える』  (2014/1/09 [Thu])
 あなたの大切な人は、あなたに頼みごとをしてきますか?「そういえば、あまり頼みごとをされたことがない」という人は、少し自分の態度を振り返ってみた方がいいと思います。なぜなら、自分でも気づかないうちに、頼まれごとをしにくい雰囲気をかもし出しているからかもしれないのです。


 人が頼みごとをするときに、どんな基準で相手を選ぶかと言うと、「自分が心を許している人、親しみやすさを感じている人」というのがほとんどです。そう考えると、大切な人からあまり頼まれごとをされないということは、相手はあなたとの関係をあまり大切に感じていないか、「頼みごとをしたいけど、厚かましそうに思われそう」と、遠慮の気持ちを持っている可能性があります。そのような状態では、とても絆を強めることなどできません。

ですから、あらためて関係を見直す意味でも、大切な人に伝えてほしいことがあります。それは、会ったときや電話をするときに、「あなたのこと大切に思っているから、何か頼みごとがあるときは遠慮なく言ってね。いつでも、あなたの力になりたいと思っているから」といった具合に、「役に立ちたい」という一言を付け加えるということです。親しい間柄でも、頼みごとをするときには少なからず、「迷惑じゃないかな?」と少し不安な気持ちになるものです。

 そんなとき、こちらから「力になりたい」と言われると、相手は感謝の気持ちで一杯になるでしょう。そして、「この人になら、いつでも安心して心を開ける」と思ってもらえるのです。大切な関係だからこそ、頼まれごとを通して、絆をより確かなものにしていきましょう。


 「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6386
「頼まれごとにはなるべく応じる」  (2014/1/08 [Wed])
何かを頼まれたときに、すぐに「ノー」と言ってしまう人がいますが、相手からは、「この人は私の話を聞いていないな」「私のことが嫌いなのかな?」と思われてしまい、次第に頼まれごとをされることがなくなります。頼まれごとをされなくなるということは、面倒くさいことから解放されるように思いがちですが、実は大きな損なのです


 相手からすれば、「この人なら頼みごとに応じてくれるだろう」という期待をする気持ちがあるから、声をかけているのです。それを、そっけなく拒否しているわけですから、相手との信頼関係が築けなくなるのです。つまり、頼まれごとをされたときに応じることができる人こそ、周りの人たちとの絆をつくるチャンスに恵まれているというわけです。


 そのチャンスを生かして、たくさんの人と交流している、ある30代の女性の話を紹介します。彼女はもの静かで、人見知りの性格に悩んでいました。しかし、「いろんな人と友達になりたい」という願望を持っていたので、仕事でもプライベートでも、頼まれごとをされたら快く引き受けていました。


 結婚式やセミナーの受付など、気が進まないこともたくさん頼まれましたが、「私でよかったら、お役に立てるとうれしいです」と、笑顔で答えていたら、性格もどんどん明るくなり、彼女を慕う人が増えました。今では、信頼できる恋人ができ、大好きな友達にも恵まれ、楽しい日々を過ごしていると言います。


 このように、頼まれごとを快く引き受ければ、親しくなる人が増えるだけでなく、多くの人との絆を生むことができるのです。

「切れない絆をつくる」より抜粋

vol. 6385
「誰からの頼まれごとでも誠実に応じる」  (2014/1/07 [Tue])
 相手によって、自分の態度をコロコロと変える人がいますが、
これは頼まれごとに関しても同様のことが言えます。


自分より地位の高い人から頼まれごとをされたら
喜んで引き受けるのに、自分より立場の弱い人に対しては、
「そんなこと、自分でやったらいいでしょ」などと、
別人のように冷たい態度を取るような人がいます。


こういう人は、遅かれ早かれ、周りの人から見限られてしまい、
当然、絆を育むこともできません。
一方、周りの人との絆を育てられるという人というのは、
誰の頼みごとでも誠実に応じようとする人です。


 ある女性は、社内の90パーセントが男性社員
という職場で働いています。愛嬌はいいのですが、
少しドジなところがある彼女は、
周りのみんなから可愛がられていました。


しかし、社内にはさまざまなタイプの男性がいます。
彼女に優しく接してくれる人もいれば、
彼女がミスしたときに激しく怒るような厳しい人も数名いました。


 しかし、彼女は、自分に対して優しい人とそうでない人、
という区別をつけずに、誰からの頼まれごとも
同じように引き受けました。


すると次第に彼女に対して厳しかった人たちの
態度が変わってきたのです。きっと、
彼女に誠実な態度に感心したのでしょう。
それからというもの、彼女は以前は厳しかった
男性社員の中にもすっかり溶け込むことができました。


 誰だって、自分によくしてくれる人の頼まれごとだけに応じたい、
と思うものです。しかし、そこをグッとこらえて、
誰からの頼まれごとでも誠実に応じるように努力することが、
職場のみんなと絆を育むコツなのです。

 「切れない絆をつくる」より抜粋



vol. 6384
「断る代わりに別の案を出す」  (2014/1/06 [Mon])
 人間関係が良好な人が、すべての頼まれごとを
引き受けているかといえば、そうではありません。


食事会に誘われたとしても先約のあるときは、
「申し訳ありません。他に予定があるんですよ」と断るしかありません。
また、「お金を貸してほしいんだけど……」というような、
その後の関係にヒビが入りかねない頼まれごとは
引き受けないほうがいいでしょう。だからといって、
「無理に決まっているよ」とか
「そんなこと言われても、困りますよ」といったような
返事の仕方では、相手の気分を損ねてしまいます。


 そこで、断る代わりに、別の提案をするという方法があります。
「悪いけど仕事がたまってるんだ。
今度の土曜日、出勤してくれないかな?」
という頼まれごとを断りたい場合は、
「すみません、その日はどうしてもはずせない
約束があるので難しいんですよ。でも、
木曜と金曜なら残業して、
それまでに仕上げてしまうことはできますよ」といった具合です。


 この場合、土曜日に出勤することは無理だけど、
たまった仕事を片付けることはできる、
と相手に伝えているので別の形で頼まれごとに
答えたことになります。そして、相手は、
「助かるよ。じゃあ、木曜と金曜に残業をお願いします。
と具体的に提案をくれた相手に感謝するはずです。


 このように、相手からの頼みごとには直接答えられなくても、
別の形を提案できれば、結果として相手の望みを叶えることが
できるのです。「どう断るか」と頭を悩ませるよりも、
「なにか代わりにできることはないか?」と
考えるクセをつけましょう。そういう人が、
周りの人との絆を強めることができます。


 「切れない絆をつくる」より抜粋


vol. 6383
「断るときはクッション言葉を使う」  (2014/1/04 [Sat])
 頼まれごとはなるべく応じたい、という気持ちはあっても、
どうしても「ノー」を言わなければならない状況もあるかと思います。


断られる方は、「しょうがないよね」などと思い、
相手のことを責めたりはしないでしょうが、
言い方を間違えてしまうと、関係に
ヒビが入ってしまいかねません。


「ノー」というのは、否定語です。
否定語を突きつけられると、話し方によっては、
心が傷ついてしまう人もいます。


 そんな相手の心情を気づかうためにも、
ぜひ使ってほしい言葉があります。
断りの言葉を発する前に、
「今回は残念ですが……」
「せっかく依頼していただいたのに、申し訳ないのですが……」
「できるなら引き受けたいところですが……」
といったようなクッション言葉を使うのです。


断る前にこれらのクッション言葉を入れるだけで、
相手の心の傷を最小限にとどめることができるのです。


 ある男性は、上司から急な仕事を振られると、焦りのせいか、
「今、忙しいんですよ!頼むなら、後にしてくださいよ」
といった具合に、とげとげしい言葉で返事をしてしまします。


はじめは事情を汲み取ってくれていた上司も、
彼の言葉づかいに不満を爆発させ、
「もう君には仕事を頼まないよ。どこか他の部署へ移るかい?」
と嫌みを言ってきたそうです。


彼ははっとして、これまでの自分の断り方の失礼さを反省し、
クッション言葉を使う習慣を身につけていったと言います。


 いくら親友のような間柄でも、相手の気持ちを無視するような
言葉づかいをするようでは、絆を維持できません。


口調はやんわりと、しかし意思表示ははっきりと示すのが、
思いやりのある断り方です、


「切れない絆をつくる」より抜粋


ログイン 保存